買取コラム

長野オリンピック記念硬貨の買取価格|9種類の仕様と相場の目安

自宅の引き出しから、1998年の長野オリンピックの記念硬貨が出てきたという方もいるのではないでしょうか。長野オリンピックの記念貨幣は、額面も素材も異なる3種類が、3回に分けて発行されました。同じ「長野五輪の記念硬貨」でも、金貨と白銅貨では価値の考え方がまったく違います。この記事では、造幣局が公表している仕様データをもとに全9種類を整理し、買取価格の目安と、銀行で両替した場合との違いを説明します。

長野オリンピック記念硬貨は「3種類×3次発行」の9種類【仕様一覧】

長野オリンピック冬季競技大会記念貨幣は、10,000円金貨幣・5,000円銀貨幣・500円白銅貨幣の3種類が、第1次から第3次まで3回にわたって発行されました。3種類×3次で、合計9種類です。

第1次と第2次は平成9(1997)年、第3次は平成10(1998)年の発行です。額面ごとの発行枚数は、第1次から第3次まで各次同じで、10,000円金貨が各55千枚(5万5,000枚)、5,000円銀貨が各5,000千枚(500万枚)、500円白銅貨が各20,000千枚(2,000万枚)でした。

参考:「記念貨幣一覧」|造幣局

3種類のうち、発行枚数が飛び抜けて少ないのが10,000円金貨です。銀貨の約91分の1、白銅貨の約364分の1しかつくられていません。この差が、後述する価値の違いにそのまま表れます。

なお、記念貨幣は「貨幣」であって記念メダルではありません。日本の法定通貨として、額面どおりの金額で使うことができます。この点は、価値を考えるうえでの前提になります。

全9種類の仕様一覧【表】

造幣局が公表している各貨幣の仕様は、次のとおりです。素材・品位・量目・直径は、同じ額面であれば第1次から第3次まで共通で、図柄だけが異なります。

額面・種類 図柄(表) 図柄(裏) 素材・品位 量目 直径 発行年 発行枚数 10,000円金貨幣 第1次 ジャンプ りんどう 金(純金) 15.6g 26mm 平成9年 5万5,000枚 10,000円金貨幣 第2次 フィギュアスケート りんどう 金(純金) 15.6g 26mm 平成9年 5万5,000枚 10,000円金貨幣 第3次 スピードスケート りんどう 金(純金) 15.6g 26mm 平成10年 5万5,000枚 5,000円銀貨幣 第1次 アイスホッケー かもしか 銀合金(銀925・銅75) 15g 30mm 平成9年 500万枚 5,000円銀貨幣 第2次 バイアスロン かもしか 銀合金(銀925・銅75) 15g 30mm 平成9年 500万枚 5,000円銀貨幣 第3次 パラリンピック・アルペンスキー かもしか 銀合金(銀925・銅75) 15g 30mm 平成10年 500万枚 500円白銅貨幣 第1次 スノーボード らいちょう 白銅(銅750・ニッケル250) 7.2g 26.5mm 平成9年 2,000万枚 500円白銅貨幣 第2次 ボブスレー らいちょう 白銅(銅750・ニッケル250) 7.2g 26.5mm 平成9年 2,000万枚 500円白銅貨幣 第3次 フリースタイルスキー らいちょう 白銅(銅750・ニッケル250) 7.2g 26.5mm 平成10年 2,000万枚

参考:「長野オリンピック記念(第1次)10,000円金貨幣」|造幣局

参考:「長野オリンピック記念(第1次)5,000円銀貨幣」|造幣局

参考:「長野オリンピック記念(第1次)500円白銅貨幣」|造幣局

裏面の図柄は、額面ごとに固定されています。10,000円金貨は長野県の県花である「りんどう」、5,000円銀貨は県獣の「かもしか」、500円白銅貨は県鳥の「らいちょう」です。第1次から第3次まで裏面は変わらないため、次を見分けるときは表面の競技図柄を見ることになります。

手元の1枚がどれかを見分ける手順

「長野の記念硬貨を持っているが、どの種類か分からない」という場合は、次の順に確認すると判別できます。

1.大きさと色を見る

直径26mmで金色に近い光沢があれば10,000円金貨、直径30mmで白っぽい銀色なら5,000円銀貨、直径26.5mmで通常の500円玉に近い色合いなら500円白銅貨です。金貨と白銅貨は直径が0.5mmしか違いませんが、金貨は純金で15.6g、白銅貨は7.2gと、手に取ったときの重さが倍以上違います。

2.額面の数字を確認する

表面または裏面に「一万円」「五千円」「五百円」と額面が記されています。ここで種類は確定します。

3.表面の競技図柄で「次」を判定する

額面が分かったら、表面の競技を見ます。10,000円金貨ならジャンプが第1次、フィギュアスケートが第2次、スピードスケートが第3次です。5,000円銀貨はアイスホッケーが第1次、バイアスロンが第2次、パラリンピック・アルペンスキーが第3次になります。500円白銅貨はスノーボードが第1次、ボブスレーが第2次、フリースタイルスキーが第3次です。

参考:「記念貨幣一覧」|造幣局

4.年銘を確認する

貨幣に刻まれた年号が平成9年なら第1次か第2次、平成10年なら第3次です。図柄と年銘の両方が一致すれば、種類の判定は確実になります。

買取価格の目安と、素材から見た価値の考え方

長野オリンピック記念硬貨の買取価格には、公的に決められた定価はありません。ここでは、地金相場から計算できる素材価値と、買取業者が公開している情報を分けて整理します。

10,000円金貨は金の地金価値が中心

10,000円金貨は純金製で、量目は15.6グラムです。金の価格は日々変動しますが、田中貴金属工業が公表した2026年8月6日時点の店頭買取価格は1グラムあたり23,493円(税込)でした。この価格をあてはめると、15.6グラム分の金は約36万6,000円という計算になります。

参考:「貴金属価格情報」|田中貴金属工業

つまり、額面10,000円に対して、素材だけで数十万円規模になっている状態です。買取価格は、この地金価値を基準に、業者の手数料や状態、付属品の有無を加減して決まるのが一般的とされています。買取業者のコラムでも、長野の金貨は「純金としての価値が評価される」という説明がなされています。

参考:「長野オリンピック記念硬貨の種類と価値は?1万円金貨の買取価格を徹底解説」|こちら買取本舗

5,000円銀貨は地金価値が額面を下回る

5,000円銀貨は量目15グラム、品位は銀925(千分中)です。含まれる銀はおよそ13.9グラムになります。田中貴金属工業が公表した2026年8月6日時点の銀の店頭買取価格は1グラムあたり342.43円(税込)でしたので、銀の素材価値は約4,750円という計算です。

参考:「銀価格推移」|田中貴金属工業

額面の5,000円をわずかに下回ります。発行枚数も各次500万枚と多いため、希少性の面でもプレミアが付きにくい種類です。実際、複数の買取業者が「長野の5,000円銀貨にプレミア価値はほとんど付いていない」という趣旨の説明をしています。銀相場が大きく上昇すれば逆転する可能性はありますが、現状は額面前後で考えるのが妥当といえます。

500円白銅貨は額面どおりが基本

500円白銅貨は白銅製で、素材としての価値は金・銀と比べてごくわずかです。発行枚数も各次2,000万枚と多く、状態のよいものが大量に残っています。買取に出しても額面前後にとどまる傾向があり、業者によっては買取対象外とされる場合もあります。

種類 素材価値の目安 買取での扱いの傾向
10,000円金貨(純金15.6g) 約36万6,000円(2026年8月6日の金買取価格で試算) 地金価値を基準に評価されやすい
5,000円銀貨(銀約13.9g) 約4,750円(同日の銀買取価格で試算) 額面前後。
プレミアは付きにくい 500円白銅貨(白銅7.2g) ごくわずか 額面前後にとどまる傾向

※素材価値は地金相場から機械的に計算した目安であり、買取価格を保証するものではありません。実際の査定額は相場・状態・付属品・業者によって変わります。

銀行で両替する場合と、買取に出す場合の違い

記念貨幣は法定通貨なので、金融機関の窓口では額面の金額として扱われます。5,000円銀貨なら5,000円、500円白銅貨なら500円です。素材や希少性は評価されません。

この前提を踏まえると、判断の目安はシンプルです。

500円白銅貨と5,000円銀貨は、素材価値が額面と同程度かそれ以下のため、買取に出しても額面を大きく超えることは期待しにくい種類です。単に現金化したいだけであれば、金融機関で額面どおりに扱ってもらう方法もあります。ただし金融機関によっては硬貨の入金・両替に手数料がかかる場合があるため、枚数が少ないときは手数料負けしないか確認しておくとよいでしょう。

10,000円金貨は事情が違います。額面は10,000円ですが、純金15.6グラムという素材価値があるため、額面で使ってしまうと素材価値との差が大きくなります。金貨については、古銭や貴金属の買取に対応した専門店で査定を受けるのが現実的な選択肢といえます。

参考:「長野オリンピック記念硬貨の買取相場は?種類と賢く売るポイントをご紹介」|バイセル

買取価格を左右する4つのポイント

同じ種類でも、査定額に差が出る要因があります。

保存状態

傷・変色・指紋の跡が少ないほど、収集の対象としては評価されやすくなります。金貨は柔らかい金属のため、爪の跡でも残ることがあります。手に取るときは縁を持つのが基本です。

磨かないこと

汚れが気になっても、研磨剤や薬品で磨くのは避けたほうがよいとされています。表面に細かい傷が入り、かえって評価を下げる場合があります。そのままの状態で査定に出すのが無難です。

付属品の有無

プルーフ貨幣(鏡のように磨き上げた特別な仕上げ)は、専用ケース・証明書・外箱などがそろっているかどうかで評価が変わります。プルーフ貨幣セットとして販売されたものは、セットの構成が欠けていないかも確認しておきたい点です。

まとめて査定に出す

第1次から第3次までそろっている場合や、他のオリンピック記念貨幣とあわせて持っている場合は、まとめて見てもらうと全体としての評価につながることがあります。

参考:「長野オリンピック記念硬貨の買取相場は?種類と賢く売るポイントをご紹介」|バイセル

なお、買取価格には公的な定価がありません。同じ品でも業者や時期によって差が出るため、複数の見積もりを比べて判断するのが安心です。

他のオリンピック記念貨幣との位置づけ

日本ではこれまで、1964年の東京大会、1972年の札幌大会、1998年の長野大会、2020年の東京大会で記念貨幣が発行されています。長野大会は、日本のオリンピック記念貨幣で初めて金貨が登場した大会でした。

1964年の東京大会は1,000円銀貨(約1,500万枚)と100円銀貨(約8,000万枚)、1972年の札幌大会は100円白銅貨(約3,000万枚)のみでした。長野大会で10,000円金貨・5,000円銀貨・500円白銅貨という3階層の構成が採られ、2020年の東京大会にも引き継がれています。

参考:「記念貨幣一覧」|造幣局

発行枚数で見ると、長野の10,000円金貨は各次5万5,000枚、3次合計で16万5,000枚です。日本のオリンピック記念貨幣のなかでは、発行枚数がかなり絞られた部類に入ります。

よくある質問

長野オリンピックの記念硬貨は全部で何種類ありますか。

10,000円金貨・5,000円銀貨・500円白銅貨の3種類が、第1次から第3次まで発行されました。合計9種類です。第1次・第2次は平成9年、第3次は平成10年の発行です。

参考:「記念貨幣一覧」|造幣局

長野の500円硬貨は高く売れますか。

額面前後にとどまる傾向があります。素材が白銅で地金価値がほとんどなく、各次2,000万枚と発行枚数も多いためです。プルーフ仕様で付属品がそろっている場合は、通常品と扱いが変わることがあります。

5,000円銀貨は銀の価値でどのくらいになりますか。

量目15グラム・品位銀925なので、銀の含有量はおよそ13.9グラムです。2026年8月6日時点の銀の店頭買取価格(342.43円/g)で計算すると約4,750円となり、額面の5,000円をやや下回ります。銀相場によって変動します。

参考:「銀価格推移」|田中貴金属工業

記念硬貨を銀行で現金に換えられますか。

記念貨幣は法定通貨のため、金融機関では額面の金額として扱えます。ただし窓口では素材や希少性は評価されません。金貨のように素材価値が額面を大きく上回るものは、買取の専門店で査定を受けるほうが実態に合った評価になりやすいといえます。

汚れているので磨いてから査定に出したほうがよいですか。

磨かないほうがよいとされています。研磨によって表面に傷が付き、収集品としての評価を下げる場合があります。ケースに入っているものは、ケースから出さずにそのまま持ち込むのが無難です。

まとめ

長野オリンピック記念硬貨は、10,000円金貨・5,000円銀貨・500円白銅貨の3種類が第1次から第3次まで発行され、合計9種類あります。手元の1枚がどれかは、直径と重さで額面を、表面の競技図柄と年銘で次を判定できます。

価値の考え方は素材で分かれます。10,000円金貨は純金15.6グラムという素材価値があり、金相場に連動して額面を大きく上回ります。5,000円銀貨は銀の素材価値が額面をやや下回る水準で、発行枚数も多いためプレミアは付きにくい状況です。500円白銅貨は額面前後にとどまる傾向があります。

手元の記念硬貨をどうするか迷ったときは、まず種類を確認し、金貨であれば古銭や貴金属の買取に対応した専門店で査定を受けてみてはいかがでしょうか。買取価格には定価がないため、複数の見積もりを比べたうえで判断することをおすすめします。