千円札の歴代一覧|肖像と発行年・現在の価値を解説
千円札にこれまで描かれてきた人物や、それぞれの発行年を知りたいという方もいるのではないでしょうか。手元にある古い千円札が今でも使えるのか、価値があるのか気になる場合もあります。そこでこの記事では、歴代の千円札の肖像と発行年、現在の有効性、買取の目安について、日本銀行と国立印刷局の情報をもとに整理してご紹介します。
千円札の歴代一覧(肖像と発行年)
戦後に発行された千円札のうち、現在も広く知られているのは5種類です。聖徳太子・伊藤博文・夏目漱石・野口英世・北里柴三郎の順に、肖像が入れ替わってきました。
まずは全体像をつかめるよう、肖像と発行開始年、裏面の図柄、現在の有効性を一覧にまとめます。券種の記号は、日本銀行が用いているB号券からF号券までの呼び方に合わせています。
| 券種 | 肖像 | 発行開始 | 裏面の図柄 | 現在の有効性 |
|---|---|---|---|---|
| B号券 | 聖徳太子 | 1950年(昭和25年)1月7日 | 法隆寺夢殿 | 有効 |
| C号券 | 伊藤博文 | 1963年(昭和38年)11月1日 | 日本銀行本店 | 有効 |
| D号券 | 夏目漱石 | 1984年(昭和59年)11月1日 | タンチョウ | 有効 |
| E号券 | 野口英世 | 2004年(平成16年)11月1日 | 富士山と桜 | 有効 |
| F号券 | 北里柴三郎 | 2024年(令和6年)7月3日 | 富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」 | 有効(現行) |
いずれの券も、発行が停止されたあとも銀行券として使える点が特徴です。次の見出しから、それぞれの千円札を順番に見ていきます。
千円札の肖像はなぜ変わるのか
千円札の肖像がおよそ20年前後の間隔で新しくなってきた背景には、偽造防止の技術を新しいものへ更新するという目的があります。時代が進むと印刷やコピーの技術も高度になるため、それに合わせてお札側の技術も更新する必要があるためです。
肖像に選ばれる人物には、教科書などで広く知られ、精密な肖像を描ける資料が残っていることなどが考慮されると説明されています。聖徳太子から北里柴三郎まで、政治・文学・医学と分野が幅広いのは、こうした観点から人物が選ばれてきたためです。
デザインの更新にあわせて、券の大きさや裏面の図柄も見直されてきました。伊藤博文の券までは横に長い形でしたが、夏目漱石の券から今と同じ寸法に変わっています。歴代の千円札を並べて見ると、技術とデザインの移り変わりが読み取れます。
歴代千円札それぞれの特徴
同じ千円札でも、発行された時代によって肖像やデザイン、大きさが違います。ここでは5種類の券を発行順にたどり、それぞれの特徴を確認します。
聖徳太子(B号券)
聖徳太子の千円札は、B号券として1950年(昭和25年)1月7日に発行が始まりました。千円という高額の券種としては、この聖徳太子の券が実質的な出発点にあたります。表面には聖徳太子、裏面には法隆寺の夢殿が描かれています。
当時としては高額の紙幣で、日常の買い物よりも、まとまった支払いに使われる場面が中心でした。発行から長い年数が経過していますが、現在も有効な銀行券として扱われています。
伊藤博文(C号券)
伊藤博文の千円札はC号券で、1963年(昭和38年)11月1日に発行されました。寸法は縦76mm・横164mmで、今の千円札より横に長い形です。
初代内閣総理大臣として知られる伊藤博文が表面に描かれ、当時の水準で新しい偽造防止の工夫が取り入れられました。聖徳太子の券と入れ替わる形で流通し、高度経済成長期の暮らしを支えた券種のひとつです。この券も現在まで有効です。
夏目漱石(D号券)
夏目漱石の千円札はD号券として1984年(昭和59年)11月1日に発行されました。寸法は縦76mm・横150mmで、この券から今と同じ横幅になっています。
表面は小説家の夏目漱石、裏面にはタンチョウが描かれています。40代以上の方には、実際に使った記憶が残っている券ではないでしょうか。長く親しまれた券種で、こちらも現在有効です。
野口英世(E号券)
野口英世の千円札はE号券で、2004年(平成16年)11月1日に発行されました。細菌学者の野口英世が表面に、裏面には富士山と桜が描かれています。富士山は本栖湖の湖面に映る姿がもとになっています。
2024年7月に次のF号券へ切り替わりましたが、E号券は失効しておらず、現在も問題なく使えます。切り替えからまだ日が浅く、財布のなかで見かける機会も残っている券です。
北里柴三郎(F号券・現行)
北里柴三郎の千円札はF号券で、2024年(令和6年)7月3日に発行が始まった現行の千円札です。破傷風の予防と治療の方法を確立し、近代日本医学の父と呼ばれる北里柴三郎が表面に描かれています。裏面は葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」です。
この券には、3Dで表現された肖像が回転して見える3Dホログラムが採用され、銀行券への搭載は世界で初めてとされています。このほか高精細すき入れ、すき入れバーパターン、深凹版印刷、マイクロ文字、傾けると文字が現れる潜像模様、パールインキ、紫外線で光る特殊発光インキなどの偽造防止技術が使われています。
参考:「新しい日本銀行券特設サイト(千円札のデザイン・偽造防止技術)」|国立印刷局
昔の千円札は今でも使えるのか
結論として、聖徳太子・伊藤博文・夏目漱石・野口英世・北里柴三郎の5種類の千円札は、いずれも現在有効な銀行券です。発行が停止された古い券であっても、失効の措置がとられていなければ、額面どおりの1000円としてそのまま使えます。日本銀行も、過去に発行されたお札の多くが現在も使えると案内しています。
一方で、千円札の歴史をさらにさかのぼると、1945年(昭和20年)に日本武尊を描いた甲号券が発行されています。ただしこの券は、戦後の新円切替にともなう措置で通用力を失っており、現在は使えません。日本銀行の説明では、これまでに発行された銀行券のうち31種類が失効しているとされています。
手元の古い千円札が使えるか判断に迷う場合は、日本銀行の一覧で券種を確認しておくと安心です。使える券であっても、状態や種類によっては額面以上の価値がつく場合があるため、そのまま使う前に一度確かめておくのもひとつの方法です。なお、有効な旧札でも、店頭では受け取りに慣れていない場合があります。使いにくいと感じたときは、金融機関の窓口で相談する方法もあります。
参考:「これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか?」|日本銀行
歴代千円札の価値と買取の目安
歴代の千円札のうち、夏目漱石以降の比較的新しい券は、使用済みの並品であれば額面どおりの1000円が基本の目安です。古い聖徳太子の券は、状態と記番号によって額面を上回る場合があります。
たとえば記番号のアルファベットが1桁の前期のものは、未使用に近い状態で数千円程度の値がつくこともあるとされ、アルファベットが2桁の後期のものは額面どおりが目安です。同じ聖徳太子の券でも、状態と記番号で評価が分かれる点が特徴です。
額面以上の価値がつきやすいのは、印刷のずれといったエラー紙幣、ゾロ目やキリ番などの珍しい記番号、連番でそろった束、最初期のAA券、帯付き(官封)の未使用品などです。こうした条件にあてはまるかどうかで評価は変わるため、気になる券は古札にくわしい専門の業者に見てもらうのがひとつの方法です。
状態と記番号の見方
古い千円札の評価では、状態と記番号が目安のひとつになります。状態は、折り目や汚れのない未使用に近いものほど評価が上がりやすく、折り目やシワのある使用済みの並品は額面どおりが基本です。破れや落書き、テープの跡があると評価が下がる場合があります。
記番号は、券の表面に印刷された記号と番号のことです。聖徳太子の券では、先頭のアルファベットが1桁か2桁かで発行時期の目安が分かれ、より古い1桁のものが希少とされています。同じ人物の券でも、状態と記番号の組み合わせで評価が変わる点をおさえておくと、査定の内容を理解しやすくなります。
| 券種・種類 | 状態 | 買取の目安 |
|---|---|---|
| 夏目漱石・野口英世・北里柴三郎 | 使用済みの並品 | 額面どおり(1000円) |
| 聖徳太子(後期・2桁記番号) | 使用済み | 額面どおりが目安 |
| 聖徳太子(前期・1桁記番号) | 未使用に近い | 数千円程度になる場合あり |
| 各種共通 | エラー・珍番号・未使用など | 額面を上回るプレミアの可能性 |
※上記は複数の買取業者の公開情報をもとにした目安です。2026年7月時点の情報で、公的な定価ではありません。実際の買取価格は、業者・時期・券の状態によって変わります。
よくある質問
歴代の千円札について、検索でよく調べられている点をまとめます。
現在の千円札の肖像は誰ですか
現行の千円札の肖像は北里柴三郎です。2024年(令和6年)7月3日に発行が始まったF号券で、破傷風の研究などで知られる細菌学者です。裏面には葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が描かれています。
昔の千円札は今でも使えますか
聖徳太子・伊藤博文・夏目漱石・野口英世の千円札は、いずれも現在有効な銀行券で、額面どおりの1000円として使えます。発行が停止された券でも、失効していなければ引き続き使える点が特徴です。
千円札は全部で何種類ありますか
戦後に発行された主な千円札は、聖徳太子から北里柴三郎までの5種類です。さらにさかのぼると、1945年に発行された日本武尊の甲号券がありますが、この券は新円切替で失効しており、現在は使えません。
古い千円札にプレミアはつきますか
状態や記番号によってはプレミアがつく場合があります。未使用に近い聖徳太子の前期券、印刷のエラー紙幣、ゾロ目やキリ番などの珍しい記番号は、額面を上回る評価につながることがあります。反対に、使用済みの並品は額面どおりが目安です。
野口英世の千円札はもう使えないのですか
野口英世のE号券は、2024年7月にF号券へ切り替わったあとも失効していません。現在も有効な銀行券として、そのまま使えます。
参考:「これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか?」|日本銀行
千円札を手放す前に確認したいこと
古い千円札を買取に出す前に、いくつか確認しておくと落ち着いて進めやすくなります。まずは券種と記番号です。聖徳太子の券であれば、記番号の先頭のアルファベットが1桁か2桁かで評価の目安が変わるため、券の表面を見て確かめておくと役立ちます。
次に状態です。紙幣は、無理に折り目を伸ばしたり、水で洗ったり、テープで補修したりすると、かえって評価が下がる場合があります。未使用のものや帯付きのものは、そのままの状態で保管しておくのが無難です。手を加えず、購入時や入手時のままにしておくほうが、価値を保ちやすくなります。
査定額は業者や時期によって差が出ることもあるため、複数の業者に見てもらい、内容を比べたうえで判断するのもひとつの方法です。エラー紙幣や珍しい記番号は見落とされやすいため、古札の査定に慣れた業者へ相談すると、価値を確かめやすくなります。
まとめ
歴代の千円札は、聖徳太子・伊藤博文・夏目漱石・野口英世・北里柴三郎の5種類が中心で、いずれも現在有効な銀行券です。新しい券は額面どおりが目安ですが、古い聖徳太子の券や、エラー紙幣・珍しい記番号などは、額面以上の価値がつく場合があります。
手元の千円札に価値があるか気になる場合は、券種と状態を確かめたうえで、古銭・古札の買取に対応した専門の店へ相談してみてはいかがでしょうか。券の見極めには専門知識が必要になるため、査定に慣れた業者に確認してもらうと、価値を見落とさずに手放しやすくなります。まずは無料の査定から気軽に相談してみるのもひとつの方法です。