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プラチナ750(Pt750)とは|刻印の意味とPt900・Pt950との違い

手持ちの指輪やネックレスに「750」という刻印があり、これはプラチナなのか金なのか、価値はどれくらいなのかと迷っている方もいるのではないでしょうか。プラチナ750(Pt750)はプラチナの含有率が75%であることを示す表示ですが、実は日本の公的な品位区分には含まれていません。この記事では、Pt750の意味と、Pt850・Pt900・Pt950との違い、そして同じ「750」でも中身がまったく異なるK18(Au750)との見分け方を、造幣局や日本ジュエリー協会の資料をもとに整理します。

プラチナ750(Pt750)とは、プラチナが75%含まれることを示す表示

Pt750の「750」は、千分率(パーミル)で表したプラチナの含有率です。1000分の750、つまり75%がプラチナで、残りの25%は別の金属という意味になります。

日本ジュエリー協会の表示規定では、純度は「貴金属合金中に含まれる該当する貴金属の含有率」で千分率で表すもの、品位は「貴金属合金中に含まれる該当する貴金属の最低含有率」で、元素記号と千分率を一体で表すものと定義されています。「Pt750」であれば、Ptがプラチナ(白金)の元素記号、750が千分率の数値ということになります。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

なお、貴金属の元素記号としてプラチナには「Pt」が使われます。刻印では「Pt750」「PT750」「750」といった形で刻まれていることがあります。

Pt750は、日本の公的な品位区分に含まれていない

Pt750を調べるうえで、まず押さえておきたい点があります。プラチナの品位として広く使われている規格や制度に、750という区分は入っていないということです。

日本の造幣局は、第三者機関として貴金属製品の品位試験を行い、合格した製品にホールマーク(品位証明記号)を打刻する事業を行っています。造幣局によると、この品位証明は「白金製品については4区分、金製品については6区分、銀製品については5区分」で実施されています。

参考:「貴金属製品の品位区分と証明記号」|造幣局

この白金4区分の具体的な数値は、日本ジュエリー協会の表示規定に掲載されている「造幣局の検定品位区分」の表で確認できます。プラチナは999・950・900・850の4つで、750は含まれていません。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

これは造幣局に限った話ではありません。同じ表示規定には、国際規格ISO 9202、日本産業規格JIS H6309、国際的な宝飾業界団体CIBJOの品位区分もまとめられていますが、いずれのプラチナの区分にも750はありません。

規格・制度 プラチナの品位区分
造幣局の検定品位区分 999/950/900/850
JIS H6309:2022 999/990/950/900/850
ISO 9202:2019 999/990/950/900/850
CIBJOの標準品位 999/950/900/850

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

さらに日本ジュエリー協会の表示規定では、「プラチナ850‰未満の純度の製品をプラチナ製品(プラチナジュエリー)と表示してはならない」と定められています。仮にプラチナの含有率が750の合金があったとしても、国内の表示ルールの上では「プラチナ製品」として売り出すことはできない、ということです。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

つまり「750」という刻印だけを見て、それがプラチナだと決めつけるのは早計といえます。次で説明するK18(Au750)である可能性のほうが、実際には高いと考えられます。

「750」の刻印はK18(金75%)の可能性が高い

同じ表示規定によると、金の品位区分には750が含まれています。造幣局の金の6区分は999・916・750・585・416・375で、750はその中心にあたる品位です。

そして金には、千分率とは別に24分率(カラット)で表す方法があります。JIS H6309:2022にもとづくカラット表示と千分率の対応は次のとおりです。

カラット表示 千分率(品位)
K24 999
K22 916
K20 833
K18 750
K14 585
K10 416
K9 375
K8 333

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

この表のとおり、750はK18に相当します。同規定では、金は千分率で表す場合に元素記号を省略できるとされており、「750」だけの刻印も表示として成り立ちます。日本ジュエリー協会も「ジュエリーでよく用いられるAu750の合金は『K18』と表示します」と説明しています。

参考:「貴金属について」|一般社団法人日本ジュエリー協会

したがって、元素記号のない「750」という刻印を見つけた場合、それはK18の金製品を指している可能性が高いといえます。プラチナかどうかを確かめたいときは、数字の前後に「Pt」「PT」「PLAT」といったプラチナを示す表記があるかを確認するのが第一歩です。

なお、金にはホワイトゴールド(WG)という白色の合金があり、見た目はプラチナによく似ています。表示規定では、ホワイトゴールドは主にパラジウム等を割り金とした白色の金合金とされ、「K18WG」「Au750WG」のように表示されます。白っぽい「750」の製品は、プラチナではなくホワイトゴールドというケースも考えられます。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

この点については、造幣局がはっきりと注意を促しています。造幣局は、ホワイトゴールドを日本語に直訳すると「白金」となるものの、本来の白金はプラチナのことであり、ホワイトゴールドとはまったく異なるものだと説明しています。また、750の刻印があるホワイトゴールドは、金の品位が1000分の750で、ニッケルや銀、パラジウムなど白色系のその他の金属が1000分の250含まれているという意味だとも述べています。「白金」という言葉の紛らわしさが、Pt750という理解を生みやすくしている面があるといえます。

参考:「貴金属製品の品位区分と証明記号」|造幣局

Pt850・Pt900・Pt950・Pt999の違い

国内で流通するプラチナ製品は、造幣局の品位区分にもある850・900・950・999のいずれかで表示されているのが一般的です。それぞれの意味を整理します。

刻印 プラチナの含有率 割金の割合
Pt999 999‰以上(99.9%以上) ほぼなし
Pt950 950‰以上(95%以上) 5%程度
Pt900 900‰以上(90%以上) 10%程度
Pt850 850‰以上(85%以上) 15%程度

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

ここで注意したいのが、品位は「最低含有率」を示すという点です。造幣局も、ホールマークが「900pt」となっている場合は「指輪は純度90%以上の白金製であることを示します」と説明しています。900ちょうどではなく、90%以上という読み方になります。

参考:「貴金属製品の品位証明」|造幣局

また、「Pt1000」という表示を見かけることがありますが、現在の規定では使われません。日本ジュエリー協会の表示規定では「貴金属の純度表示には1000‰を用いてはならない」と定められており、単一金属の1000‰(100%)は化学的・理論的に存在しないため、景品表示法によれば不当な表示になるとされています。999‰以上のプラチナは「Pt999」と表示し、「純プラチナ」「純白金」「純Pt」と呼ぶことができます。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

造幣局のホールマークも、2012年(平成24年)4月以降に受け付けた製品から、国際標準規格ISO 9202および日本産業規格JIS H6309に準じた表示に変わりました。国際的に使われている最低含有率の考え方をもとに、純金属の表示を「999」とすることにしたもので、造幣局は品位「999」の表示は改正以前に受け付けた「1000」表示と証明している品位は同じであると案内しています。古い製品に「Pt1000」の刻印があっても、それ自体が偽物というわけではありません。

参考:「貴金属製品の品位区分と証明記号」|造幣局

同じ改正では、金製品の品位「917」が「916」に、「417」が「416」に改められています。また「835」「625」「500」の品位区分は2012年4月以降に廃止されましたが、これらのホールマークが入った製品は改正後も品位が証明されたものとして扱われると案内されています。

参考:「貴金属製品の品位区分と証明記号」|造幣局

刻印の記号そのものが変わったケースもあります。日本ジュエリー協会の表示規定によると、プラチナ製品の表示にはかつて「Pm」が使われていましたが、現在は使われていません。古いジュエリーに「Pm900」といった刻印が見られるのは、この名残によるものです。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

割金には何が使われているのか

Pt900であれば残りの10%、Pt850であれば残りの15%には、プラチナ以外の金属が使われています。これを割金(わりがね)といいます。

日本ジュエリー協会によると、プラチナの割金には「パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの白金族のほか、銅、コバルト」が使われるとされています。いずれもプラチナと相性のよい金属で、純度100%に近い状態では柔らかすぎるプラチナに、実用に耐える硬さを与える役割があります。

参考:「貴金属について」|一般社団法人日本ジュエリー協会

割金の種類や比率はメーカーによって異なり、刻印だけでは何が使われているかまでは分かりません。同じPt900でも、硬さや加工のしやすさに違いが出るのはこのためです。

ホールマークがあれば品位の表示を省略できる

プラチナ製品の刻印を見ていると、数字がなく、日の丸のような小さな刻印だけが打たれているものに出会うことがあります。これが造幣局のホールマークです。

造幣局によると、証明記号は「日本の造幣局の証明であることを示す日本の国旗、日の丸」「1000分率で品位(純度)を表すひし形の中の数字」「白金または白金合金を示すプラチナマーク」の3つの要素で構成されます。制度の語源は、14世紀ごろに英国の貴金属細工業者の組合がロンドンに会館(ホール)を建て、合格したものに証明印を打ったことにあるとされています。

参考:「貴金属製品の品位証明」|造幣局

日本ジュエリー協会の表示規定では、金およびプラチナ製品で造幣局品位証明刻印のある製品は、主たる貴金属の種類および品位の表示を省略できるとされています。ひし形の中の数字を読めば品位が分かるため、別途「Pt900」などと刻む必要がない、という考え方です。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

なお、造幣局の品位証明は義務ではなく、希望する事業者が申請する制度です。手数料は製品や地金の種類、品目、数量によって異なるとされています。ホールマークがないからといって、品位が偽られているという意味にはなりません。

参考:「貴金属製品の品位証明」|造幣局

刻印の探し方と、確認するときの注意点

刻印は製品の目立たない場所に小さく打たれています。リングであれば内側(内周)、ネックレスやブレスレットであれば留め具の近くやプレート部分、ピアスであればポスト部分やキャッチに刻まれていることが多くなります。

肉眼で読み取りにくいときは、ルーペを使うと確認しやすくなります。数字が摩耗して読めない場合や、そもそも刻印が見当たらない場合もあります。表示規定でも、アンティークジュエリーや歴史的なジュエリー、ナゲットを用いたジュエリーには本体に品位が刻印されていないものがあると触れられています。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

また、複数の素材を使った製品では、部位ごとに品位が表示されます。表示規定には、Pt900のペンダント本体とPt850のチェーンを連結した製品では、本体に「Pt900」、チェーン側に「Pt850」を表示するという例が挙げられています。ひとつの製品に複数の刻印があっても、不自然なこととは限りません。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

見落としやすいのが、数字のあとに付くアルファベットです。表示規定では、台地金にプラチナの薄板を張った素材は「Pt(品位)F」と表示するとされ、ステンレス鋼の台地金にPt900の板を張った平打ちリングの例として「SUS Pt900F」が挙げられています。また、プラチナめっきの表示記号は「PTP」と定められています。数字の後ろにFやPが付いている場合、その製品はプラチナの地金ではなく、表面に層があるものだということです。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

自分で判断がつかないときは、無理に磨いたり削ったりせず、貴金属の査定に対応した専門業者に見てもらうのが確実です。専門業者は比重測定や蛍光X線分析などの機器を使って素材を調べます。

Pt750やプラチナ製品を手放すときの考え方

プラチナ製品の価値は、大きく分けて「素材としての価値」と「製品としての価値」の2つで見られます。

素材としての価値は、含まれるプラチナの重さと、その日のプラチナ相場で決まるのが基本です。品位が高いほど、また重量があるほど、素材としての評価は大きくなります。

国内の地金相場は、田中貴金属工業などが日々公表しています。同社が2026年8月21日9時30分に公表した店頭買取価格は、プラチナが1gあたり10,133円(税込)、金が25,215円(税込)でした。仮にこの日の価格をもとに含有率75%だけで単純計算すると、プラチナ750の理論上の地金価値は1gあたり7,600円ほどという計算になります。

参考:「今日の貴金属価格(税込)」|田中貴金属工業

ただし、この数字はあくまで計算上の目安です。地金の公表価格は毎営業日変動しますし、ジュエリーの買取では溶解や精錬にかかる費用などが差し引かれるため、公表価格がそのまま買取価格になるわけではありません。相場は目安として捉え、実際の金額は査定で確認するものと考えておくとよいでしょう。

製品としての価値は、ブランド、デザイン、宝石の有無、状態、付属品の有無などで変わります。ブランドジュエリーであれば、素材の重さ以上に製品として評価されることもあります。

「750」の刻印しかない製品の場合は、まずそれが金なのかプラチナなのかを確定させることが先決です。前述のとおり、国内の品位区分にPt750は存在しないため、K18やホワイトゴールドである可能性を含めて確認する必要があります。素材の判定は査定の前提になる部分なので、貴金属を専門に扱う業者に相談してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Pt750という刻印は偽物ということですか。

そうとは限りません。造幣局の品位区分やJIS、ISOの区分にプラチナの750が含まれていないことは事実ですが、刻印が「750」だけの場合は金(K18)を指している可能性があります。また、海外で製造された製品では日本と異なる表示がなされていることもあります。刻印の表記全体を確認したうえで、判断がつかなければ専門業者に見てもらうのが確実です。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

Pt750とK18は同じ「750」ですが、価値は同じですか。

同じではありません。750という数値が示すのは「その貴金属が75%含まれている」ということだけで、含まれている金属自体が違います。素材としての価値は、プラチナと金それぞれの相場によって決まるため、時期によってどちらが高いかも変わります。

プラチナと表示できる最低の品位はいくつですか。

日本ジュエリー協会の表示規定では、プラチナ850‰未満の純度の製品を「プラチナ製品(プラチナジュエリー)」と表示してはならないとされています。国内の表示ルール上は、Pt850が下限にあたります。

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|一般社団法人日本ジュエリー協会

Pt900とPt950では、どちらを選ぶとよいですか。

どちらが優れているとは一概にいえません。Pt950のほうがプラチナの含有率は高くなりますが、割金の量が少ないぶん柔らかくなる傾向があります。Pt900は割金が10%程度あり、そのぶん硬さが得られます。用途やデザイン、好みに応じて選ばれています。

刻印が読めないくらい摩耗しています。どうすればよいですか。

自分で磨いて刻印を出そうとすると、かえって刻印を削ってしまうことがあります。貴金属の査定に対応した業者であれば、比重測定や蛍光X線分析といった機器で素材を調べられます。刻印が読めない状態のまま相談して差し支えありません。

プラチナのアクセサリーはどう保管すればよいですか。

使ったあとはやわらかい布で汗や皮脂を軽く拭き取り、湿気の少ない場所で保管すると状態を保ちやすくなります。ほかのアクセサリーと擦れて傷がつかないよう、ひとつずつ分けて収納するのもよい方法です。宝石が留められている製品は、石の種類によって扱いが異なるため、強い薬剤や超音波洗浄は避けたほうが無難です。

まとめ

プラチナ750(Pt750)は、プラチナの含有率が75%であることを示す表示です。ただし、造幣局の検定品位区分(999・950・900・850)にも、JIS H6309やISO 9202、CIBJOのプラチナの区分にも750は含まれておらず、日本ジュエリー協会の表示規定では850‰未満をプラチナ製品と表示してはならないと定められています。そのため、元素記号のない「750」という刻印は、K18(Au750)やホワイトゴールドである可能性を先に疑うのが現実的です。刻印にPtの表記があるか、造幣局のホールマークが打たれているかを確かめたうえで、判断に迷う場合は貴金属を専門に扱う業者の査定を受けてみてはいかがでしょうか。

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