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天皇陛下記念切手の価値|発行枚数から考える評価の目安と、種類ごとの違い

御即位や御在位を記念して発行された切手が手元にあり、どのくらいの価値があるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。皇室の慶事にちなむ記念切手は種類が多く、発行された時期によって評価の傾向が大きく分かれます。この記事では、日本郵便が公表している発行日や額面、発行枚数の実績をもとに、価値をどう考えればよいかを整理します。相場はいずれも目安として扱います。

天皇陛下に関する記念切手とはどのような切手か

日本郵便は、行事や題材に合わせて期間や枚数を決めて発行する「特殊切手」を扱っています。天皇陛下の御即位や御在位の節目、皇室の慶事にちなんで発行される切手も、この特殊切手の一種です。

一般に「天皇陛下記念切手」と呼ばれるものには、次のような機会に発行されたものが含まれます。

  • 御即位を記念して発行されたもの
  • 御在位の節目(十年、三十年など)を記念して発行されたもの
  • 御成婚を記念して発行されたもの
  • 御結婚の節目を記念して発行されたもの

いずれも国全体にかかわる出来事にちなむため、発行にあたっては大きな需要が見込まれ、それに応じた枚数が用意されてきました。記念切手の価値は、発行の背景と枚数から見ていくことになります。この「多く発行される」という性質が、後述するとおり中古市場での評価に直結します。

なお、日本郵便の切手アーカイブで発行内容を確認できるのは1997年度以降の分に限られます。それより前に発行された切手については、公式サイトで発行日や仕様を確認することができません。この記事でも、確認できない年代のものについては具体的な数字を扱わない方針としています。

参考:「切手アーカイブ」|日本郵便

近年発行されたものの内容を確認する

まず、内容がはっきりしている近年の例を見ておきます。

天皇陛下御在位十年記念は、1999年(平成11年)10月1日に発行されました。額面は80円で、菊紋と菊花を描いた図案です。印刷はグラビア5色、シートは縦5段・横4列の20面構成でした。発行枚数は1億2,000万枚です。

参考:「御在位十年記念 郵便切手のデータ」|公益財団法人日本郵趣協会

天皇陛下御在位三十年記念は、2019年(平成31年)2月22日に発行されました。額面は82円で、シート単位の価格は820円です。図案は、天皇陛下が御幼少の頃にお召しになったお着物の吉祥文様をもとにしたものとされています。あわせて、天皇皇后両陛下の御写真と切手の説明を収めたハードカバー製の切手帳(1,530円)も発売されました。

参考:「天皇陛下御在位三十年記念」|日本郵便

天皇陛下御即位記念は、2019年(令和元年)10月18日に発行されました。額面は84円で、シート単位の価格は840円です。図案は、明治21年に竣工した明治宮殿のなかでも最も格式が高いとされる「正殿」の内部装飾に使われた文様をもとにしたもので、鳳凰と宝相華文様の2種が組まれています。印刷はグラビア6色、発行枚数は2,000万枚(200万シート)でした。こちらにも切手帳(1,550円)が用意されています。

参考:「天皇陛下御即位記念」|日本郵便

参考:「天皇陛下御即位記念 郵便切手のデータ」|公益財団法人日本郵趣協会

発行枚数から価値を考える

上記の数字を並べると、価値の考え方が見えてきます。

切手名 発行日 額面 発行枚数 評価の傾向
天皇陛下御在位十年記念 1999年10月1日 80円 1億2,000万枚 現存数が多く、額面前後が中心
天皇陛下御在位三十年記念 2019年2月22日 82円 発行から日が浅く、額面が基準になる
天皇陛下御即位記念 2019年10月18日 84円 2,000万枚 額面を基準にした評価が基本

御在位三十年記念については、発行枚数を示す一次資料を確認できなかったため、表では空欄としています。

1999年の御在位十年記念が1億2,000万枚という規模だったことは、価値を考えるうえで重要です。1億枚を超える切手は、どれだけ話題性があっても「希少」とは呼べません。発行から四半世紀が過ぎた現在も、未使用のまま保管されているものが大量に残っていると考えられます。

2019年の御即位記念は2,000万枚で、御在位十年記念と比べれば6分の1程度です。それでも、収集家の需要に対して十分に行き渡る規模といえます。

切手の評価は、需要と現存数の関係で決まります。オリンピック記念切手の価値が額面前後にとどまるのも、同じ理由によるものです。皇室の慶事にちなむ記念切手は、知名度と関心の高さゆえに多く発行されてきました。その結果として、中古市場では額面の前後に落ち着くものが多い、というのが実情です。

価値が付きやすいのはどのような場合か

額面前後が基本とはいえ、個別に評価される余地がないわけではありません。次のような場合は、専門的な判断の対象になることがあります。

シートや切手帳が完全な形で残っている場合:切手は、発行時のシートの形が保たれているほうが評価されやすい傾向があります。御在位三十年記念や御即位記念のように切手帳が用意されたものは、切手帳ごと状態よく残っているかどうかが見られます。ハードカバーや御写真の部分に傷みがないことも条件になります。

発行数の少ない古い年代のもの:明治期や大正期に発行された記念切手は、発行された数そのものが少なく、現存数も限られるとされています。ただし、これらについては公式サイトで内容を確認できず、また模造品や状態の悪いものも流通しているため、実物を専門家に見てもらう必要があります。

印刷や目打ちに異常があるもの:印刷のずれ、色抜け、目打ちの欠落といったいわゆるエラー切手は、収集の対象になることがあります。ただし、後から人の手で加工された例もあるため、真贋の判断は慎重に行われます。

初日印が押されたもの:発行日にその切手を貼って押印した封筒は、押印の状態によって収集の対象となる場合があります。

いずれの場合も、「必ず高く売れる」といえる性質のものではありません。実際の評価は状態と需要によって決まります。

古い年代のものを扱うときの注意

明治期や大正期に発行された記念切手について、インターネット上には具体的な相場が数多く掲載されています。しかし、それらの多くは出典が示されておらず、日本郵便や博物館の公開資料までさかのぼって確認することができません。

この記事で古い年代の相場を挙げていないのは、そのためです。裏付けの取れない数字を前提に期待値を上げると、実際の査定結果との差に戸惑うことになります。

また、古い切手ほど模造品や、後から手を加えられたものが混じりやすくなります。紙質、透かし、刷色、目打ちの形状といった要素を実物で確かめる必要があり、写真や見た目だけの判断は避けたほうがよいでしょう。

なお、切手そのものの歴史を調べたい場合は、郵政博物館が参考になります。同館では世界中の切手約33万種を展示しており、日本の切手の変遷をたどることができます。明治35年に逓信省が創設した郵便博物館を起源とし、逓信総合博物館を経て、2014年に東京スカイツリータウン内へ移転しました。

参考:「郵政博物館について」|郵政博物館

未使用なら郵便に使う、交換するという選択肢

評価が額面前後にとどまるのであれば、売却以外の使い道も検討できます。

未使用の切手であれば、額面どおりに郵便料金として使えます。切手の使い道は、郵便での利用と交換・買取に分かれます。現在の郵便料金に対して額面が足りない場合は、不足分の切手を貼り足せば問題ありません。80円や82円といった過去の額面の切手も、この方法で無駄なく使えます。

また、郵便局では不要になった切手を手数料を払って他の切手やはがきに交換できます。対象には普通切手と特殊切手が含まれます。ただし、交換で受け取る側については、特殊切手から特殊切手への交換はできないなどの制限があります。

参考:「書き損じはがき・切手の交換」|日本郵便

手数料は、1回の請求が99枚までなら郵便切手1枚につき6円、100枚以上をまとめる場合は1枚につき13円です。

参考:「国内の料金表(手数料)」|日本郵便

なお、切手やはがきを郵便局に持ち込んでも現金での返金は行われていません。現金にしたい場合は、買取業者への売却を検討することになります。

参考:「いらなくなった切手やはがきは返金してもらえますか?」|日本郵便

保管と査定の準備

査定に出すことを考えている場合、状態を保つ工夫が欠かせません。

切手は湿気に弱く、裏面の糊が変質したり、紙にシミが出たりします。乾燥した冷暗所で、ストックブックやリーフに入れて保管するのが基本です。直射日光や蛍光灯の光も刷色を褪せさせるため、光の当たらない場所にしまっておくとよいでしょう。

取り扱うときは、ピンセットを使うと皮脂が付きません。シートのまま残っているものは切り離さず、切手帳も分解せずそのままにしておきます。

汚れや折れがあっても、自分で手を加えないことが大切です。水に浸けたりアイロンを当てたりすると、かえって状態を損ないます。

査定に出すときは、まとめて見てもらうほうが話が進みやすくなります。額面前後の切手は1枚あたりの金額が小さいため、少量では査定の手間に見合わないことがあるためです。

よくある質問

天皇陛下御在位十年記念切手はどのくらいの価値がありますか

発行枚数が1億2,000万枚と非常に多く、未使用のまま残っているものも多いため、額面の前後で評価されることが多いとされています。シートのまま完全な状態で残っている場合は個別に見てもらう余地がありますが、大きな上乗せを見込むのは難しいでしょう。実際の金額は状態や市場の状況によって変わるため、目安としてお考えください。

令和の御即位記念切手は将来値上がりしますか

将来の値動きを予測することはできません。発行枚数は2,000万枚で、収集家の需要に対して十分に行き渡る規模です。現時点では、額面を基準にした評価が基本になります。

切手帳はシートより高く評価されますか

切手帳は、切手そのものに加えて御写真や説明を収めた冊子の形をとっています。状態がよく完全な形で残っていれば、シート単独よりも判断材料が多くなります。ただし、必ず高くなると決まっているわけではありません。分解せず、そのままの状態で持ち込むことをおすすめします。

明治や大正の記念切手が出てきたらどうすればよいですか

古い年代のものは、模造品や後から手を加えられたものが混じることがあります。写真だけで判断せず、実物を専門の査定士に見てもらうのが確実です。自分で汚れを落としたり、台紙から剥がしたりせず、そのままの状態を保ってください。

消印が押されているものにも価値はありますか

未使用のものと比べると評価は下がるのが一般的です。ただし、発行初日の押印が整った状態で残っているものなどは、収集の対象として見られることがあります。封筒ごと残っている場合は、剥がさずそのまま持ち込むのがよいでしょう。使用済み切手の買取で値が付く条件も、あわせて確認しておくとよいでしょう。

まとめ

皇室の慶事にちなむ記念切手は、知名度の高さに反して、中古市場での評価は額面の前後に落ち着くものが多いといえます。理由は発行枚数にあります。1999年の御在位十年記念は1億2,000万枚、2019年の御即位記念は2,000万枚で、いずれも希少と呼べる水準ではありません。

一方で、シートや切手帳が完全な形で残っているもの、印刷や目打ちに異常があるもの、発行数の限られた古い年代のものは、個別に判断される余地があります。価値のある切手の一覧で、評価されやすい種類を確認しておくと見当がつけやすくなります。ただし古い年代のものは公的な資料で内容を確認しにくく、真贋の見極めも必要です。

未使用であれば、郵便料金として使う、手数料を払って交換するという道もあります。額面前後の評価にとどまるのであれば、こうした使い道のほうが納得しやすい場合もあるでしょう。

この記事で触れた相場はいずれも目安であり、実際の買取価格を保証するものではありません。手元の切手の状態を保ったまま、複数の業者に見てもらうことをおすすめします。

参考:「切手アーカイブ」|日本郵便

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