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シャネル マトラッセの買取相場は何で決まるのかを解説

手放そうと思って調べてみたものの、シャネル マトラッセの買取相場として出てくる数字は記事ごとにばらばらです。どれを信じればよいのか判断がつきません。そのまま査定に出すと、提示された金額が妥当かどうかも分からないままです。実のところ、相場が一つに定まらないのには理由があります。この記事では、シャネル マトラッセの買取相場を左右している要素を分解し、手元のバッグのどこを確認すればよいのかを整理します。

マトラッセとはどういうバッグを指すのか

日本では、菱形のステッチが入ったキルティング仕上げのシャネルのバッグを指して「マトラッセ」と呼ぶ使い方が定着しています。ただし、この呼び名がどの製品を指すかは、話し手によって幅があります。

シャネルのキルティングバッグの原型については、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)が解説を公表しました。同館の解説では、1955年2月に発表された「2.55」バッグの名称が、作られた月と年に由来すると説明されています。発表後まもなくシャネルの定番になったという記述もあります。

参考:「What makes CHANEL so iconic?」|Victoria and Albert Museum

同館の解説によれば、特徴的な菱形のキルティングは乗馬着から着想を得たもので、金属のチェーンストラップと組み合わせてシャネルの目印になっていきました。多数のポケット・口紅を入れる専用の仕切り・大きく開く開口部、そして中が見やすい赤い裏地といった仕様も紹介されています。

V&Aは1965年ごろに作られたキルティングの黒い革製バッグを所蔵しています。その展示解説によれば、2.55を最初にデザインしたのは1955年2月のガブリエル・シャネルでした。キルティングの革・長方形の留め具・チェーンのショルダーストラップが特徴だという説明もあります。さらに、その形は1980年代までほとんど変わらず、カール・ラガーフェルドが留め具にCCロゴを加えて再解釈したと述べられています。

参考:「Handbag(Coco Chanel)」|Victoria and Albert Museum

ここから分かるのは、「マトラッセ」と一言で呼ばれるバッグの中に、留め具の異なる複数の系統が含まれているという点です。査定の場面では、この違いが評価に効いてきます。

マトラッセの買取相場が一律にならない理由

インターネット上の相場情報がばらつくのは、比べているものが同じではないからです。買取価格は、次の3つの層が重なって決まります。

中身 動き方
モデル・仕様 サイズ、留め具の型、金具の色、素材 個体ごとに固定される
状態 傷、型崩れ、汚れ、金具の劣化 使い方と保管で変わる
市場 中古市場での需要、在庫状況 時期によって動く

同じ「マトラッセ」でも、この3層の組み合わせが違えば結果は変わります。相場表として示されている数字が、どの組み合わせを前提にしたものかは、たいてい書かれていません。

そのため本記事では、具体的な金額やレンジは記載しません。金額は現物を見た事業者が提示するものであり、写真や型番だけで確定するものではないためです。ここでは、その査定がどういう理屈で組み立てられているかを見ていきます。

相場を左右する要素①|モデルとサイズの違い

最初に効くのがモデルと仕様の違いです。前述のとおり、シャネルのキルティングバッグには留め具の異なる系統があります。長方形の留め具を持つ古い型と、CCロゴの留め具を持つ型では、市場での扱われ方が違ってきます。

サイズも評価に直結します。同じデザインでも、小さいものと大きいものでは需要が違い、その差が査定に反映されます。手元のバッグについては、横幅・高さ・マチをメジャーで測って控えておくと、問い合わせの段階で話が早くなります。

チェーンの仕様も確認したい部分です。金属のみのチェーンか、革が編み込まれたチェーンかによって印象が変わります。V&Aの解説でも、チェーンは金属製で、革と組み合わされる場合があると記されています。

参考:「What makes CHANEL so iconic?」|Victoria and Albert Museum

なお、シャネルの公式サイト(chanel.com)は本記事の執筆時点で自動での情報取得が制限されており、公式ページの記載を直接確認できませんでした。そのため本記事では、公式でしか確定できない情報を扱っていません。現行コレクションの正式名称・品番体系・素材の呼称などが、これに当たります。正確な仕様はシャネルのブティックまたはカスタマーケアへお問い合わせください。

相場を左右する要素②|素材と金具、そして状態

素材は査定の前提になる情報です。ところが、ハンドバッグには素材表示の法的な義務がありません。

消費者庁の解説によれば、家庭用品品質表示法にもとづく「かばん」の品質表示の対象は、牛革・馬革・豚革・羊革・やぎ革を使った旅行用かばん・事務用かばん・ランドセルなどです。同庁は、ハンドバッグや財布等の袋物は対象となっていないと明記しています。女性用セカンドバッグ・トート型ハンドバッグ・ショルダー型ハンドバッグも、この「ハンドバッグ」に含まれます。

参考:「かばん」|消費者庁

つまり、手元のバッグの革がどの種類かは、タグを見れば分かるという話にはなりません。革の種類を自分で断定せず、査定の場で確認してもらうほうが確実です。

状態については、次のような点が見られます。

見られる箇所 何を確認するか
角(コーナー) 擦れ、革のめくれ、下地の露出
チェーン メッキの剥がれ、変形、留め具のゆるみ
留め具 傷、開閉のかたさ、部品の欠け
内側 ベタつき、におい、汚れ、剥がれ
全体の形 型崩れ、押しつぶれ、ふくらみ

内側のベタつきは、経年で内装が劣化したときに出る症状です。見落としやすい部分なので、査定に出す前に一度開いて確認しておきましょう。

保管環境も状態に効きます。消費者庁が示す「かばん」の取扱い上の注意には、濡れたときは陰干しをすること、湿度の高い場所での保管を避けることが挙げられています。ハンドバッグは表示義務の対象外ですが、革製品の扱いとしては同じ考え方が当てはまります。

参考:「かばん」|消費者庁

相場を左右する要素③|付属品と個体を示す情報

付属品の有無は、多くの買取事業者が評価に組み込んでいる要素です。箱・保存袋・購入時の書類がそろっていれば、その分だけ販売しやすくなります。

一方で、付属品がないから売れないということにはなりません。付属品は評価条件の一つであって、買取の可否を分ける条件ではないのが一般的な扱いです。手元にあるものだけをそろえて、最初の問い合わせの段階で正直に伝えてください。

個体を示す情報の扱いには注意が必要です。シャネルのバッグには年代によって異なる方式で個体情報が記録されてきましたが、その仕様は公式でしか確定できません。前述のとおり公式サイトの記載を確認できていないため、本記事では番号の桁数や位置といった具体的な仕様に触れないこととしました。気になる場合は、ブティックへ直接お問い合わせいただくのが確実です。

真贋の確認は査定の前提になります。財務省関税局は、税関における知的財産侵害物品の差止実績を毎年公表しています。令和6年の輸入差止件数は33,019件となり、公表を開始した昭和62年以来の最多を更新しました。

参考:「令和6年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」|財務省

フリマアプリや個人間取引で入手した品を後から売る場合、この点が問題になることがあります。購入時のルートを説明できるようにしておくと、話がこじれにくいでしょう。

査定前に自分でできること・やらないほうがよいこと

査定に出す前の準備は、そう複雑ではありません。やることを絞って整理します。

まず、外側と内側のほこりを乾いた柔らかい布で軽く払ってください。次に、サイズを測って控えます。そして、箱や保存袋、書類を一か所にまとめておきます。この3つで十分です。

反対に、避けたほうがよい行為も挙げておきます。市販のクリーナーやオイルを自己判断で塗ることは、革の種類によっては色が変わったり染みになったりする原因になります。ベタつきや剥がれを自分で削り取ろうとするのも、状態を悪くしやすい対処です。

型崩れを直そうとして無理に詰め物を押し込むのも避けてください。革が伸びると元には戻りません。傷んでいる箇所は、そのまま見せて査定してもらうほうが結果として無難です。

修理に出してから売るべきかどうかも、よく聞かれる点です。修理費が査定にそのまま上乗せされるとは限らないため、先に現状のまま査定を受けて、事業者の説明を聞いてから判断することをおすすめします。

買取を依頼するときの進め方と知っておきたい制度

進め方の基本は、条件をそろえて複数社に見てもらうことです。同じ写真・同じ説明・同じ付属品の情報で問い合わせれば、提示された金額の差が何によるものかを比べられます。

金額だけでなく、その理由を聞いてください。「角の擦れがこの程度なので」「この仕様は現在の在庫状況から」といった説明が返ってくるかどうかで、査定の中身が見えてきます。

制度面も押さえておきましょう。自宅に業者を招く「訪問購入」には、特定商取引法による規制があります。消費者庁の解説によれば、契約書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができ、その期間中は物品の引き渡しを拒むことが認められています。

参考:「訪問購入」|特定商取引法ガイド(消費者庁)

国民生活センターは、不用品の買い取りという名目で訪問し、その場で貴金属やブランド品の売却を迫る事例について注意を呼びかけています。同センターは、突然訪問してきた購入業者を家に入れないよう勧めました。売るつもりのない品物を安易に見せないことも呼びかけています。

参考:「訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには」|独立行政法人国民生活センター

参考:「きっかけは訪問購入?犯罪まがいの深刻なトラブルにご注意を!」|独立行政法人国民生活センター

売却時には本人確認書類が必要です。古物営業法により、古物商には買受け時の相手方の確認義務と、帳簿への記載・保管義務が課されています。顔写真付きの本人確認書類を用意しておくと、手続きが滞りません。

参考:「古物営業の現状と課題」|警察庁

よくある質問

Q. ネットに出ている買取相場の金額は参考になりますか

条件が書かれているかどうかで判断してください。モデル・サイズ・素材・状態・付属品の有無、そして時点が示されていない金額は、手元のバッグと比べようがありません。参考にするなら、金額そのものより「何が評価されたのか」という説明のほうが役に立ちます。

Q. 使用感があると買い取ってもらえませんか

使用感があること自体で買取ができなくなるわけではありません。角の擦れや内側の劣化は評価に影響しますが、そのうえで金額が提示されるのが通常の流れです。自分で手を加えず、現状のまま見てもらいましょう。

Q. 付属品の箱や保存袋を捨ててしまいました

付属品がなくても売却はできます。付属品は評価条件の一つであって、可否を決めるものではありません。残っているものだけを伝えたうえで、査定を受けてください。

Q. 中の番号を自分で調べれば年代が分かりますか

年代の判定は、公式に確認できる情報にもとづいて行う必要があります。本記事の執筆時点ではシャネル公式サイトの記載を確認できなかったため、番号の仕様については触れていません。判断が必要な場合は、ブティックや専門の鑑定を利用してください。

Q. 査定に出す前にクリーニングしたほうがよいですか

乾いた柔らかい布でほこりを払う程度にとどめてください。市販のクリーナーやオイルを自己判断で使うと、革の種類によっては染みや変色の原因になります。汚れが気になる場合も、そのままの状態で相談するほうが安全です。

まとめ

シャネル マトラッセの買取相場が一つに定まらないのは、モデルと仕様・状態・市場という3つの層が重なって金額が決まるからです。ネット上の数字を見るときは、その前提条件と時点が示されているかを確認してください。手元でできるのは、サイズを測って付属品をそろえ、状態を隠さず伝えるところまでです。金額は現物を見た事業者が判断しますので、複数社に同じ条件で依頼し、提示額とその理由を並べて比べることをおすすめします。