100円札は今でも使える?|板垣退助100円札の有効性と使うときの注意点
引き出しの奥から100円札が出てきて、これは今でも使えるのだろうかと気になった方もいるのではないでしょうか。100円札は現在発行されていませんが、日本銀行が有効としている券種であれば、法的な効力を失っていません。この記事では、どの100円札が有効なのか、失効しているものとの見分け方、実際に使えるのか、銀行で交換できるのかを、日本銀行と財務省の公表資料に沿って整理します。
結論|板垣退助の100円札は今でも使える
先に結論をまとめます。肖像が板垣退助の100円札は、現在も有効な銀行券です。額面どおり100円として使えます。
財務省は「現在、発行されていないお金で、現在も使用できるもの」として、日本銀行券の一覧のなかに「B百円券(板垣退助:昭和28年発行)」と「A百円券(聖徳太子:昭和21年発行)」を挙げています。
日本銀行も、現在有効な銀行券の一覧に百円券を2種類掲載しています。つまり、100円札は「発行が停止されている」だけであって、「使えなくなった」わけではありません。
ただし、有効であることと、店頭でスムーズに受け取ってもらえるかは別の話です。この点は後の章で整理します。
現在も有効な100円札は2種類
日本銀行が公表している「現在有効な銀行券」の資料によると、百円券のうち有効なのは次の2種類です。
| 券種 | 肖像 | 寸法 | 発行開始日 | 発行停止日 |
|---|---|---|---|---|
| 百円券(B号) | 板垣退助 | 76×148mm | 1953(昭和28)年12月1日 | 1974(昭和49)年8月1日 |
| 百円券(A号) | 聖徳太子 | 93×162mm | 1946(昭和21)年2月25日 | 1956(昭和31)年6月5日 |
なお、日本銀行のいう「発行開始日」とは日本銀行が発行を開始した日、「発行停止日」とは日本銀行が発行を停止した日を指します。発行停止日は、使えなくなった日ではありません。
板垣退助の100円札は、寸法が76×148mmで、現在の千円札(76×150mm)とほぼ同じ縦幅です。聖徳太子の100円札は93×162mmと、現在の紙幣よりひとまわり大きいのが特徴です。手元の100円札がどちらなのかは、肖像と大きさで判断できます。
失効している100円札もある
すべての100円札が有効なわけではありません。日本銀行は、1885(明治18)年に初めて銀行券を発行してから現在までに56種類の銀行券を発行しており、そのうち現在有効なのは25種類だとしています。残りの31種類は、1927年、1946年、1953年の3回の特別措置により通用力を失いました。
参考:「これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか?」|日本銀行
100円札についても、失効しているものがあります。日本銀行は、有効な百円券(A号・聖徳太子)に関する注記として、次のように案内しています。
> 中央「百圓」の文字の下にある赤色標識がなく、裏面模様が赤い色のものは失効券ですからご注意下さい。
聖徳太子の肖像の100円札は複数の時期に発行されており、見た目が似ています。そのため、中央の「百圓」の文字の下に赤色の標識があるかどうか、裏面の模様の色が赤いかどうかが、有効か失効かを分ける手がかりになります。
手元の100円札が有効かどうか判断に迷う場合は、日本銀行の本支店に問い合わせるのが確実です。失効している紙幣は、額面としての効力はありませんが、収集の対象として扱われることはあります。
実際にどこで使えるのか
日本銀行が発行する銀行券は、日本銀行法第46条第2項により「法貨として無制限に通用する」と定められています。円の支払いが必要となる取引では、銀行券は一度に何枚でも使えます。硬貨には額面価格の20倍までという制限がありますが、銀行券にはこの制限がありません。
参考:「個人の買い物や企業間の売買などの支払いにおいて、お札や硬貨は何枚でも使うことができますか?」|日本銀行
有効な100円札も、この銀行券にあたります。したがって、額面100円として支払いに使うこと自体に法的な問題はありません。
一方で、実務上は使いにくい場面があります。
- 自動販売機・券売機・セルフレジ:現在流通している紙幣を読み取る仕様になっているため、100円札は受け付けられないと考えたほうが確実です。
- 有人レジ:店員が100円札を見たことがなく、確認に時間がかかることがあります。混雑した店舗では、後ろに人が並んでいる状況で説明が必要になるかもしれません。
- 釣り銭の扱い:レジの現金と一緒に扱われるため、店舗側で保管方法に困る場合があります。
法的に有効であることと、現場で問題なく通ることは、必ずしも一致しません。急いでいる場面や混雑した店舗で使おうとすると、かえって手間が増えることがあります。使うのであれば、時間に余裕のあるときのほうがよいでしょう。
銀行や日本銀行で交換できるのか
100円札を現在の通貨に換えたい場合、交換の窓口があります。
日本銀行は、損傷したお金に加えて「流通に不便なお金」も引き換えるとしており、その例として、すでに発行を停止している肖像が聖徳太子の一万円券などを挙げています。引換えは日本銀行の本店とすべての支店で受け付けられます。
受付時間は平日9時から15時まで(祝日と12月31日から1月3日を除く)で、郵送による引換えは行われていません。また、スムーズな対応のため、来店前に電話などで事前予約をするよう案内されています。事前予約がないと、当日中に引換えを行えない場合があるとされています。
一方で、日本銀行の窓口では、両替や新しい銀行券への単純な交換は行っていません。また、記番号順に支払うといった取扱いも行っていないため、特定の記番号の銀行券を入手することはできないとされています。
参考:「新券発行開始後の引換えに関する留意事項について」|日本銀行
一般の金融機関の窓口でも、有効な旧札を現在の通貨に取り替えてもらえる場合があります。ただし、取扱いは金融機関ごとに異なり、口座の有無や手数料の扱いも変わります。事前に問い合わせておくと確実です。
いずれの窓口で交換しても、受け取れるのは額面どおりの100円です。
使う前に確認しておきたいこと
100円札は使えますが、使ってしまうと手元には戻りません。判断の前に、次の点を確認しておくとよいでしょう。
その1枚がどの券種か。板垣退助の100円札は1953年から1974年まで発行されていました。発行期間が20年以上あり、発行枚数も多かったため、比較的よく残っている券種とされています。聖徳太子の100円札は発行期間が約10年で、寸法も大きく、見分けはつきやすい部類です。
紙の状態。折り目やシワがなく、未使用に近い状態のものは、収集の対象として額面を超えて扱われることがあります。財布に入れて持ち歩くと、状態は保てません。
記番号の並び。記番号がゾロ目やキリ番といった珍しい並びであれば、番号そのものに注目が集まることがあります。数字は000001から900000までしか使われないため、並びによって出やすさが変わります。
額面を超える評価になるかどうかは、券種・状態・記番号・そのときの需要によって変わります。公的機関が価格を示しているわけではないため、この記事では金額の断定を避けています。気になる場合は、古紙幣を扱う専門店に現物を見てもらってから判断するのが確実です。100円札の価値の詳しい考え方については、別記事で扱っています。
なお、汚れを落とそうとして洗ったり、アイロンで折り目を伸ばしたりするのは避けてください。状態を損ない、かえって評価が下がる原因になります。
よくある質問
板垣退助の100円札は今でも使えますか
使えます。財務省は現在も使用できるお金として「B百円券(板垣退助:昭和28年発行)」を挙げており、日本銀行も現在有効な銀行券の一覧に掲載しています。額面は100円です。
聖徳太子の100円札も使えますか
日本銀行が有効としているA号百円券(1946年2月25日発行開始、93×162mm)であれば使えます。ただし、中央「百圓」の文字の下に赤色標識がなく、裏面模様が赤い色のものは失効券とされています。
発行停止と失効は同じ意味ですか
違います。発行停止日は日本銀行が発行をやめた日であり、その時点で使えなくなるわけではありません。失効は、特別措置により通用力を失うことを指します。日本銀行によると、これまでに発行された56種類のうち31種類が、1927年、1946年、1953年の3回の特別措置で失効しました。
コンビニや自動販売機で使えますか
自動販売機や券売機、セルフレジは現在流通している紙幣を読み取る仕様のため、100円札は受け付けられないと考えたほうが確実です。有人のレジであれば、法的には有効な銀行券として使えますが、確認に時間がかかることがあります。
銀行で交換すると100円より多くもらえますか
もらえません。金融機関や日本銀行で交換した場合、受け取れるのは額面どおりの100円です。額面を超える金額になる可能性があるのは、収集の対象として専門店に売却する場合に限られ、券種や状態によって変わります。
まとめ
100円札は現在発行されていませんが、板垣退助のB号百円券と聖徳太子のA号百円券は、いずれも日本銀行が有効としている銀行券です。財務省の一覧にも、現在も使用できるお金として掲載されています。日本銀行が発行する銀行券は法貨として無制限に通用すると定められているため、額面100円として支払いに使えます。
ただし、すべての100円札が有効なわけではありません。日本銀行はA号百円券について、中央「百圓」の文字の下に赤色標識がなく裏面模様が赤い色のものは失効券だと注意を促しています。
実務上は、自動販売機やセルフレジでは受け付けられないと考えたほうが確実で、有人レジでも確認に時間がかかることがあります。現在の通貨に換えたい場合は、日本銀行の本支店(事前予約制、平日9時から15時)や、取扱いのある金融機関の窓口で交換できます。受け取れるのは額面どおりの100円です。
未使用に近い状態のものや、記番号の並びが珍しいものは、収集の対象として額面を超えて扱われることがあります。使ってしまうと戻らないため、判断に迷う場合は、専門店で現物を見てもらってから決めるとよいでしょう。