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着物の帯の買取相場|種類別の目安と判別の手順

たんすにしまったままの帯を手放したいとき、どこから手をつければよいのか迷う方は少なくありません。着物の帯の買取相場は、種類と格・産地・状態が重なって決まります。そこでこの記事では、買取業者が公開している金額の目安を示したうえで、手元の一本を自分で判別していく手順をお伝えします。

帯の買取相場の目安

まず、金額の目安から確認します。公的機関が帯の買取相場を公表している資料は見当たらないため、ここでは買取業者が公開している情報を使います。

買取業者のバイセルが公開している着物の買取相場一覧では、帯の種類別に次の水準が示されていました。

帯の種類 買取相場の上限の目安
袋帯 200,000円まで
名古屋帯 120,000円まで
角帯 40,000円まで
丸帯 30,000円まで
半幅帯 5,000円まで

参考:「着物の買取相場一覧表|種類・産地・有名作家別の価値と高価査定のコツ」|バイセル

(2026年9月時点の調査。買取業者が公開している目安であり、公的な定価ではありません。作家・織元・産地・状態によって大きく変わります)

上限の目安ですので、一般的な帯がこの金額になるという意味ではありません。実際にどのあたりに落ち着くのかは、次の実績のほうが手がかりになります。

買取実績から見る金額の幅

買取専門店の六角堂が公開している買取参考価格には、作家名や織元とともに個別の金額が並んでいます。袋帯から一部を抜き出すと、次のとおりです。

品名 買取参考価格
初代 久保田一竹 辻が花 袋帯 200,000円
人間国宝 北村武資 煌彩錦菊詰七宝紋袋帯 130,000円
北村武資 経錦袋帯「天平立枠」 100,000円
龍村平蔵製 本袋帯 二点 80,000円
曽根武勇 袋帯 70,000円
川島織物 袋帯 50,000円
菱屋善兵衛 袋帯 40,000円
龍村平蔵製 天平大鵬文袋帯 30,000円
木屋太 袋帯 12,000円

名古屋帯についても、同じ価格表に次の実績が示されています。

品名 買取参考価格
与那嶺貞 読谷山花織 名古屋帯 100,000円
城間栄順 紅型名古屋帯 80,000円
芭蕉布 名古屋帯 70,000円
人間国宝 羽田登喜男 木賊におしどり文名古屋帯 70,000円
小玉紫泉 つづれ織名古屋帯 35,000円
小森久 博多織 本草木染 名古屋帯 25,000円
龍村平蔵製 正倉院文様 名古屋帯 15,000円

参考:「買取参考価格(着物買取相場)」|買取専門店 六角堂

(2026年9月時点の調査。買取業者が公開している参考価格であり、公的な定価ではありません)

同じ袋帯でも、12,000円から200,000円まで開きがあります。差を生んでいるのは、作家名・織元・技法・状態です。つまり、手元の帯がどの区分に入るのかがわからないままでは、提示された金額の意味も判断できないということになります。

ここから先は、その判別の手順です。種類、格、証紙、状態の順に見ていきます。

帯の種類を見分けるところから始める

帯は用途によっていくつかの種類に分かれます。西陣織工業組合は、帯の種類を次のように説明しています。

丸帯は、もっとも格の高い第一礼装用の帯として位置づけられています。広幅地と呼ばれる通常の二倍の幅で織り、二つ折りに仕立てたものです。現在は花嫁衣裳や舞妓の衣裳に使われています。

袋帯は、現代の礼装用の帯にあたります。振袖や留袖から色無地・訪問着・付下げまで幅広く対応します。古典的な意匠から現代的な意匠まで、色柄の幅が広い点も特徴といえます。

名古屋帯は、袋帯に次ぐ格として扱われています。帯幅が九寸(約34センチメートル)であることから「九寸なごや」とも呼ばれます。芯を入れて仕立てるため、幅を調整できる作りです。

袋名古屋帯は、八寸帯(約30センチメートル)で織られ、外出着やおしゃれ着に合わせます。現代の体格に合わせて31~32センチメートル程度で織られることもあります。

ひとえ帯は夏の単衣用で、二重太鼓が結べる八寸幅のものが一般的です。細帯・小袋帯は小幅で扱いやすく、ゆかたや普段着、羽織下に使われます。

参考:帯の種類|西陣織工業組合

種類が分かると、その帯がどの場面のためのものかが見えてきます。礼装用の帯と普段着用の帯では、使われている糸も手間のかけ方も違います。前掲の相場でも、袋帯と半幅帯では上限に40倍の開きがありました。

名古屋帯については、八寸と九寸の見分け方をさらに細かく整理した記事も用意しています。

幅と長さから種類を絞り込む

種類の名前が分からないときは、寸法から絞り込む方法があります。ただし、帯の寸法には統一規格がありません。西陣織工業組合も、帯の長さや幅は糸・織り方・結び方によって変わると説明しています。厳密にサイズを決めるのは難しいという扱いです。

そのうえで、袋帯については目安が示されています。長さは4メートル30~35センチメートルがもっとも結びやすいとされ、幅は31~32センチメートルが主流です。昭和の時代には幅30センチメートルが一般的でした。

参考:帯のサイズ|西陣織工業組合

実際に測るときは、平らな床に帯を広げてください。メジャーで端から端までの長さと、二つ折りにした状態の幅を測ります。無理に引っ張ると生地を傷めるため、そっと伸ばす程度にとどめてください。

長さが4メートルを超えて幅が30センチメートル前後であれば、袋帯の可能性が高くなります。長さがそれより短く、片側だけ幅が広がっているものは名古屋帯の仕立てです。全体が同じ幅で八寸程度なら、袋名古屋帯の系統にあたります。

寸法は絞り込みの手がかりであって、決定打ではありません。最終的には織り方と証紙で確認するとよいでしょう。

帯の格と着物の取り合わせ

帯の格は、合わせる着物とセットで考えます。西陣織工業組合が示している取り合わせを整理すると、次のようになります。

区分 主な着物 合わせる帯
フォーマル 振袖、黒留袖、色留袖、紋付訪問着 丸帯、袋帯、つづれ帯など(糸錦や唐織などの格調高いもの)
セミフォーマル 訪問着、付下げ 袋帯、なごや帯、つづれ帯など
外出着・おしゃれ着(織のきもの) 紬、お召、絣 なごや帯、袋なごや帯、染なごや帯など
外出着・おしゃれ着(染のきもの) 友禅、紅型、小紋、更紗 なごや帯、袋なごや帯、つづれ帯、刺繍なごや帯など

参考:帯ときものの取り合わせ|西陣織工業組合

格が高い帯ほど、金銀の糸や手のかかる技法が使われる傾向があります。買取の現場でも、礼装向けの帯は需要が読みやすく、評価の対象になりやすいといえます。

一方で、普段着向けの帯に価値がないわけではありません。前掲の実績でも、外出着に合わせる紅型や花織の名古屋帯に70,000円から100,000円が付いています。格だけで判断せず、次の証紙の確認まで進めてください。着物との合わせ方は、着物と帯の組み合わせでも整理しています。

唐織の帯がどの区分に置かれるのかについては、唐織帯の格で詳しくご説明しています。

証紙で産地と織元を確かめる

証紙は、その帯がどこで作られたのかを示す紙片です。帯の端や、たとう紙の中に付いていることがあります。代表的な証紙を整理しました。

証紙 発行元 確認できること
眼鏡型の西陣織証紙 西陣織工業組合 西陣で織られたものであること。組合員番号から織元をたどれること
博多織の金印 博多織工業組合 絹を50パーセント以上使用していること
博多織の青印 博多織工業組合 絹の使用が50パーセント未満であること
手織の証紙 博多織工業組合 手織り製品であること
伝統証紙(伝統マーク) 伝統的工芸品産業振興協会 伝統的な技術・技法で作られ、検査基準に合格したこと

西陣織の証紙には組合員番号が入っており、どの織元で織られたものかをたどれる仕組みになっています。番号から織元を調べたいときは、同組合の組合員検索が利用できます。手元の証紙に記された番号を入力して確認してください。

参考:組合員検索|西陣織工業組合

博多織の証紙は、博多織工業組合が品質基準を定めて検査したうえで発行しています。着尺と袴には専用の証紙もあります。

参考:博多織の証|博多織工業組合

伝統証紙は、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が交付するものです。特定製造協同組合等が同協会と使用許諾契約を結び、検査基準に合格した製品に貼付されます。指定にあたっては、伝統的な技術または技法・伝統的に使用されてきた原材料・製造される地域が公表される仕組みです。

参考:伝産法について|伝統的工芸品産業振興協会

証紙が見つからなくても、価値がないと決めつける必要はありません。仕立て直しの際に外れることもあるためです。証紙の有無は、あくまで判断材料のひとつとして扱ってください。

素材と状態が評価に響く

帯の評価では、素材と保存状態が大きな比重を占めます。絹の帯は繊維が繊細で、湿気や光の影響を受けやすいものです。

西陣織工業組合は、着用後すぐに手入れをするよう勧めています。時間が経つほど汚れは取れにくくなります。帯を伸ばしてハンガーにかけ、風通しのよい場所で十分に乾かしてください。汗や湿気は変色やカビの原因になり、カビが生えるとシミ抜きが効かなくなる場合もあります。

結びジワは、当て布をして低温のアイロンをあてる方法が案内されています。高温やスチームは金銀糸箔を傷めるため避けてください。汚れやシミを見つけたときは、購入した店や専門の洗張・シミ抜き店に相談するのが安全です。

参考:帯のお手入れ|西陣織工業組合

査定で見られるのは、次のような点です。

  • 表地の変色や日焼け、シミの有無
  • 金銀糸の擦れや剥がれ
  • 折り目の強い付き方や、芯の傷み
  • 裏地やかがり部分のほつれ
  • カビ臭やたばこ臭などのにおい

自分で洗ったり、市販の薬剤で落とそうとしたりするのは避けてください。かえって状態を悪くする例が見られます。そのままの状態で見てもらうほうが、結果としてよい判断につながります。

査定を受ける前に整えておきたいこと

準備の手順をまとめます。順番に進めると、当日のやり取りがスムーズになります。

第一に、帯を種類ごとに分けてください。袋帯・名古屋帯・半幅帯といったまとまりにしておくと、査定士が数を把握しやすくなります。

第二に、証紙や落款、購入時の書類を探してください。たとう紙の中や、たんすの引き出しの奥に残っていることがあります。見つかったものは、帯と一緒に持参してください。前掲の実績で高い金額が付いていたのは、作家名や織元が特定できる帯でした。

第三に、状態を自分で確認してください。シミや擦れがあれば、隠さずに伝えるほうが信頼につながります。後から発覚するより、先に共有したほうが話が早く進みます。

第四に、本人確認書類を用意してください。古物商が古物を買い受けるときは、相手方の住所・氏名・職業および年齢を確認する措置をとることが古物営業法第15条で定められています。運転免許証やマイナンバーカードなどを準備しておくと、当日に慌てずにすみます。

参考:「古物営業法」|e-Gov法令検索

最後に、複数の店で見比べることを検討してください。帯を専門的に扱っているかどうかで、判断の精度は変わります。急いで決めず、納得できる説明が受けられる相手を選んでください。

なお、事業者が自宅を訪ねて買い受ける訪問購入は、書面を受け取った日から8日以内のクーリング・オフが定められた取引です。消費者庁は、店舗での買取や宅配買取はこの定義から除外されると説明しています。どの方法で売るかによって扱いが変わる点は、頭に入れておくとよいでしょう。

参考:訪問購入|消費者庁 特定商取引法ガイド

よくある質問

帯だけを売ることはできますか

帯だけの買取に対応している店舗は多くあります。着物と一緒に出せば点数がまとまり、査定の場が一度で済むという利点も生まれます。ただし、帯だけでも問題なく受け付けてもらえます。

証紙がない帯は値段が付きませんか

証紙がなくても査定の対象になります。仕立て直しや保管の過程で外れてしまうことは珍しくありません。証紙がない場合は、織り方や糸の質、風合いから判断されます。

汚れやシミがある帯は出さないほうがよいですか

そのまま持ち込んでかまいません。自分で落とそうとすると、生地を傷めて評価を下げるおそれがあります。状態を正直に伝えたうえで、判断を仰いでください。

帯締めや帯揚げも一緒に見てもらえますか

和装小物をまとめて受け付けている店舗もあります。事前に対応品目を確認しておくと確実です。帯と合わせて使ってきたものは、一式でそろえて持参してください。

作家物でない帯はいくらくらいになりますか

買取業者の公開情報では、袋帯の上限の目安が200,000円、名古屋帯が120,000円、半幅帯が5,000円と示されています。上限の数字ですので、作家名や証紙のない帯はこれを下回ります。実績価格でも、織元が特定できる袋帯で12,000円という例がありました。実物を見てもらったうえで判断するのが確かです。

まとめ

着物の帯の買取相場は、種類と格・産地・状態で決まります。買取業者の公開情報では、袋帯が200,000円まで、名古屋帯が120,000円までという目安が示され、作家物の実績では袋帯に200,000円が付いた例もありました。当店では、帯の種類や証紙の有無について一点ずつご説明しながら査定を進めております。判断に迷う一本がございましたら、そのままの状態でお持ちください。

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