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金貨の価値一覧|主要金貨の純度・量目と価値の決まり方を整理

金貨が手元にあるものの、それがどれくらいの価値を持つのか分からないという方も多いのではないでしょうか。金貨の価値は、まず「含まれている金の量」で決まり、種類によってはそこに希少性の上乗せが加わります。ところが、金貨は種類ごとに純度も重さも異なり、22金の金貨は純金1オンスを含んでいても総重量が33gを超えます。この記事では、各国の造幣局が公表している仕様をもとに主要な金貨を一覧で整理し、価値の考え方と試算のしかたを解説します。

金貨の価値は何で決まるか|地金型は金相場に連動する

金貨は、発行の目的によって大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。

地金型金貨は、金を保有する手段として発行される金貨です。メイプルリーフ金貨やウィーン金貨ハーモニー、カンガルー金貨などがこれにあたります。額面は形式的に定められていますが、実際の価格は含まれる金の量と日々の金相場によって決まります。発行枚数に上限を設けないものも多く、原則として地金価格に連動して動きます。

収集型・記念型の金貨は、出来事を記念して限られた枚数だけ発行される金貨です。日本の記念金貨や、古い時代に流通していた金貨がこれにあたります。地金としての価値に加えて、発行枚数の少なさや保存状態、収集家の需要による評価が加わります。

多くの方が手にする機会が多いのは前者の地金型金貨です。そのため、金貨の価値を考えるときは「金相場に連動する部分が土台にあり、種類によって上乗せがある」という順序で見ていくのが実際的です。

なお、南アフリカのクルーガーランドについては、南アフリカ造幣局の資料に「クルーガーランドは法定通貨だが額面(denomination)を持たず、各コインの価値は日々の金価格にもとづく金の含有量に直結する」という趣旨の説明があります。地金型金貨の性格を端的に示した記述だといえます。

参考:「Krugerrand Brochure」|The South African Mint

主要な地金型金貨の価値一覧|純度・量目・直径

各国の造幣局が公表している仕様を、1オンスタイプで比較したものが次の表です。純度と純金含有量、そして総重量の違いに注目してください。

金貨 発行体 純度 純金含有量 総重量 直径 額面
メイプルリーフ金貨 カナダ王室造幣局 99.99% 1トロイオンス 31.11g 30mm 50カナダドル
ウィーン金貨ハーモニー オーストリア造幣局 999.9 1トロイオンス 31.10g(純金量) 37.00mm 100ユーロ
カンガルー金貨 パース造幣局 99.99% 1トロイオンス 31.107g 32.60mm 100豪ドル
ブリタニア金貨 英国王立造幣局 999.9 1トロイオンス 32.69mm 100ポンド
クルーガーランド金貨 南アフリカ造幣局 22カラット(金916.7/銅83.3) 1トロイオンス 33.930g 32.69mm 額面なし
イーグル金貨(50ドル) 米国 1トロイオンス 33.931g 32.7mm 50米ドル
パンダ金貨(30g) 中国人民銀行 99.9% 30g 32mm 500元

※各造幣局の公表値をもとに作成。表記の単位・小数点以下の桁数は発行体の表記に合わせています。

この表からまず読み取れるのは、純金1オンスを含む金貨でも総重量が一致しないという点です。24金の金貨は総重量がほぼ31.1gですが、22金のクルーガーランドとイーグル金貨は33.9g前後あります。これは、金以外の金属を加えているためです。

もう一点は、直径の違いです。同じ1オンスでも、ウィーン金貨ハーモニーは37.00mm、メイプルリーフ金貨は30mmと、7mmもの差があります。厚みを抑えて直径を広くとる設計か、その逆かという違いによるものです。したがって、大きさだけで金の量を判断することはできません。

参考:「2026 Gold Maple Leaf Coin – 1 oz. 99.99% Pure (Bullion)」|The Royal Canadian Mint

参考:「1 Ounce Gold Vienna Philharmonic Coin」|Münze Österreich

参考:「Australian Kangaroo 2026 1oz Gold Bullion Coin」|The Perth Mint

各金貨の背景

メイプルリーフ金貨は1979年に発行が始まり、カナダ王室造幣局によれば発行以来2,500万トロイオンス以上が販売されています。純度99.99%を最初に実現した地金型金貨とされ、現在は放射状のライン、微細に刻まれたメイプルリーフ、独自の真贋確認技術といった偽造対策が施されています。

ウィーン金貨ハーモニーは1989年からオーストリア造幣局が製造しています。図柄はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽器で、デザイナーはThomas Pesendorfer氏です。金貨は1/25、1/10、1/4、1/2、1オンスの5サイズが用意されています。

クルーガーランドは1967年7月3日に南アフリカ造幣局で最初の1オンス22カラット金貨が打刻されました。1980年には1/2、1/4、1/10オンスの分割サイズが加わっています。裏面の跳ねるスプリングボックはCoert Steynberg氏の原図によるもので、表面にはポール・クルーガーの肖像が用いられています。

ブリタニア金貨は英国王立造幣局が発行しています。1オンス金貨は999.9の純金製で、直径32.69mm、額面100ポンドです。裏面のブリタニア像はPhilip Nathan氏が1987年に手がけたデザインが用いられています。

参考:「Britannia 2022 1 oz Gold Bullion Coin」|The Royal Mint

イーグル金貨の仕様は米国の法律(合衆国法典第31編第5112条)に定められており、50ドル金貨は直径32.7mm・重量33.931gで1トロイオンスの金を含む、25ドル金貨は直径27.0mm・重量16.966gで1/2トロイオンス、10ドル金貨は直径22.0mm・重量8.483gで1/4トロイオンス、5ドル金貨は直径16.5mm・重量3.393gで1/10トロイオンスと規定されています。

参考:「31 U.S. Code § 5112 – Denominations, specifications, and design of coins」|Cornell Law School Legal Information Institute

パンダ金貨は中国人民銀行が発行しています。同行の公表資料では、30gの円形金貨について、地金品質・直径32mm・額面500元・純度99.9%・純金30g含有・最大発行枚数100万枚と示されています。

参考:「China Panda Gold Coins Officially Listed on Shanghai Gold Exchange」|The People’s Bank of China

24金と22金の違い|総重量が違う理由

金貨の価値を考えるうえで、もっとも誤解が生じやすいのが純度の違いです。

24金(純度99.99%など)の金貨は、ほぼ金だけでできています。1オンスタイプの総重量は約31.1gで、そのほとんどが金です。

22金(純度91.67%)の金貨は、金に銅などを加えた合金です。南アフリカ造幣局の説明では、クルーガーランドは22カラットで、金916.7・銅83.3の比率とされています。銅を加える理由は、傷やへこみに強くし、価値と流通性を保つためだと説明されています。

ここで重要なのは、22金の金貨は「純金1オンス分」を含むように総重量が増やされているという点です。クルーガーランドの1オンスコインは総重量33.930gですが、そのうち約31.1gが純金です。イーグル金貨も同じ考え方で、50ドル金貨は総重量33.931gで1トロイオンスの金を含むと法律に定められています。

つまり、22金の金貨だからといって金の量が少ないわけではありません。含まれる純金量は24金の1オンス金貨と同じです。買取金額を試算するときは、総重量ではなく純金含有量で計算する必要があります。

金貨の価値を自分で試算する方法

地金型金貨のおおよその価値は、次の考え方で試算できます。

基本の式:純金含有量(g) × 金1gあたりの買取価格 = 地金部分の目安

1トロイオンスは約31.1gですので、1オンス金貨であれば約31.1gで計算します。分割サイズの場合は次のとおりです。

サイズ 純金含有量の目安
1オンス 約31.1g
1/2オンス 約15.6g
1/4オンス 約7.8g
1/10オンス 約3.1g
1/20オンス 約1.6g

たとえば1/4オンスの金貨であれば、金1gの買取価格に約7.8をかけた金額が地金部分の目安になります。金相場は日々変動しますので、試算する日の価格を確認してください。

なお、この試算はあくまで目安です。実際の買取価格には業者ごとの手数料や取扱条件が反映されますし、傷や汚れの程度によっても評価は変わります。試算額がそのまま提示されるわけではない点に注意してください。また、希少性による上乗せがある金貨では、試算額を上回ることもあります。

日本の記念金貨(通貨型金貨)の考え方

日本では、記念すべき出来事に合わせて記念貨幣が発行されてきました。造幣局が公表している仕様のうち、金貨幣の例を挙げます。

記念貨幣 素材・品位 量目 直径 発行年
天皇陛下御在位60年記念10万円金貨幣 金・純金 20g 30mm 昭和61年・昭和62年
天皇陛下御即位記念1万円金貨幣 金・純金 20g 28mm 令和元年

参考:「天皇陛下御在位60年記念100,000円金貨幣」|造幣局

参考:「記念貨幣一覧」|造幣局

日本の記念金貨で押さえておきたいのは、額面と地金価値の関係です。天皇陛下御在位60年記念10万円金貨幣は額面10万円ですが、純金20gを含んでいます。金相場が上昇した局面では、含まれる金の価値が額面を上回ることもあり得ます。逆に、額面のほうが高い時期であれば、額面が価値の下限として機能します。

記念金貨は発行枚数が定められているため、状態や付属品によっては地金価値に上乗せがつくこともあります。ケースや証明書がそろっているか、表面に傷や指紋がないかといった点が確認されます。額面と地金価値のどちらで評価されるかは金相場と個体の状態次第ですので、査定時に説明を受けるとよいでしょう。

このほか、造幣局の記念貨幣一覧には、皇太子殿下御成婚記念5万円金貨幣、長野オリンピック冬季競技大会記念1万円金貨幣、2002FIFAワールドカップ記念1万円金貨幣、2005年日本国際博覧会記念1万円金貨幣、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会記念1万円金貨幣などが掲載されています。

収集型金貨・プルーフ金貨はどう見るか

地金型金貨と同じ図柄でも、プルーフ仕様として発行されるものがあります。造幣局の説明によれば、プルーフ貨幣は「表面を磨きあげた極印(ハンコの役目をする金型)を使用」し、「模様を鮮明にするため、2回以上の圧印(プレス)など、特別丁寧に製造」されます。手間をかけて仕上げるため、発行枚数が限られるのが一般的です。

参考:「プルーフ貨幣の製造」|造幣局

プルーフ金貨は、鏡面部分に指紋や擦れがつくと元に戻せません。そのため、地金型以上に状態が評価に影響します。カプセルから出さず、専用ケースのまま保管しておくのが基本です。

古い時代に流通していた金貨についても、地金価値だけでは説明できない評価がつくことがあります。この場合は年号・発行枚数・状態が判断材料となり、専門的な知識が必要になります。地金型金貨のように相場から機械的に計算できるものではないため、実物を専門業者に見てもらうのが確実です。

よくある質問

金貨は銀行で換金できますか

金貨は預金や紙幣の払い戻しとは仕組みが異なり、銀行の窓口で額面どおりに換金する手続きは一般的ではありません。地金型金貨であれば貴金属を扱う業者、記念金貨であれば古銭や記念貨幣を扱う業者に相談するのが現実的です。

22金の金貨は24金より価値が低いのですか

含まれる純金量が同じであれば、地金としての価値も基本的に同じです。クルーガーランドやイーグル金貨は22金ですが、総重量を増やすことで純金1トロイオンスを含む設計になっています。総重量ではなく純金含有量で比べてください。

箱や証明書がないと売れませんか

金貨そのものがあれば査定は受けられます。ただし、記念金貨やプルーフ金貨は付属品の有無が評価に影響することがあります。手元にある場合はそろえて出したほうがよいでしょう。

金貨は磨いたほうがきれいに見えて高く売れますか

磨かないでください。表面に細かい傷がつくと、かえって評価が下がることがあります。汚れが気になっても、そのままの状態で査定に出すのが基本です。

金貨を売ると税金はかかりますか

個人が金貨を売却して利益が出た場合、譲渡所得などとして課税対象となることがあります。取得時期や金額、年間の売却額によって扱いが変わりますので、詳しくは国税庁の情報を確認するか、税務署・税理士に相談してください。

まとめ

金貨の価値は、まず含まれている純金の量で決まります。地金型金貨であれば、純金含有量に金1gあたりの価格をかけることで、おおよその目安を自分で試算できます。1オンスタイプは約31.1gが基準です。

一覧で見比べると、同じ1オンスでも総重量や直径は種類によって異なります。24金のメイプルリーフ金貨は総重量31.11g・直径30mm、ウィーン金貨ハーモニーは直径37.00mm、22金のクルーガーランドは総重量33.930gと、仕様に幅があります。22金の金貨は総重量が重くても、含まれる純金は1トロイオンスで24金と変わりません。

日本の記念金貨のように発行枚数が定められたものは、地金価値に上乗せがつくこともあり、額面との関係も含めて個別に判断されます。手元の金貨の正確な評価を知りたい場合は、種類と重量を確認したうえで、金貨の取り扱い実績がある買取業者へ相談してみてはいかがでしょうか。