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金の入れ歯は売れる?買取価格の決まり方・金歯との違い・処分前に確認したいポイント

古い金歯や、使わなくなった金の入れ歯が手元にあり、これは売れるのか、いくらになるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。歯科用の金属は純金ではなく、金・銀・パラジウムなどを混ぜた合金です。この記事では、金の入れ歯が買取できるのか、価格がどのように決まるのか、そして売る前の準備までを、公的な基準や発信元の情報に沿って整理します。

金の入れ歯は買取できる|ただし純金ではない

金の入れ歯や金歯、金の詰め物は、金を含む歯科用の合金でできています。金を含んでいるため、貴金属の買取では地金の一部として評価の対象になります。

ここで押さえておきたいのは、歯科用の金属が純金そのものではないという点です。歯科用の金属は、金だけでなく銀やパラジウム、銅、白金などを混ぜた合金です。混ぜる金属の種類や割合は製品によって異なり、金の含有率もまちまちです。

そのため、金として買取はできるものの、どれくらいの価値になるかは、その製品に含まれる金の量によって変わります。まずは、金の入れ歯にどのような金属が使われているのかを整理していきます。

参考:「金銀パラジウム合金」|石福金属興業

参考:「白金加金(鋳造用金合金)」|YAMAKIN

金の入れ歯に使われる金属の種類と金の割合

歯科で使われる金を含む金属には、いくつかの種類があります。含まれる金の割合は種類によって幅があり、これが買取価格の差につながります。代表的なものを整理すると、次のようになります。

歯科用金属の種類 金の割合の目安 主に含まれる金属
金銀パラジウム合金(金パラ) 12%程度 金・銀・パラジウム・銅
金合金(高カラットタイプ) 65〜75%程度 金・白金・パラジウム・銀・銅
白金加金(低カラットタイプ) 45%前後〜 金・白金・パラジウム・銀・銅

金銀パラジウム合金は「金パラ」とも呼ばれ、詰め物やかぶせ物に使われる保険適用の歯科金属のひとつです。石福金属興業やフジデンタルなどの製品情報によると、その組成はJIS規格で金12%、パラジウム20%と定められ、残りを銀や銅などが占めています。金パラは名前に金が付きますが、金の割合は12%程度で、多くを占めるのは銀や銅です。

参考:「金銀パラジウム合金」|石福金属興業

一方、自由診療で使われることのある金合金や白金加金は、金の割合が高めのものがあります。YAMAKINの製品情報では、クラウンや金属床などに使われるJIS規格タイプ4の白金加金に、金68%といった組成の製品が挙げられています。金の割合が高いものほど、地金としての価値も高くなりやすい傾向です。

参考:「白金加金(鋳造用金合金)」|YAMAKIN

このように、同じ「金の入れ歯」でも、金パラなのか金合金なのかで金の割合は大きく異なります。手元の品がどちらなのかで、評価も変わってきます。

金の純度・品位の考え方|カラットと千分率

歯科用金属に含まれる金の量を理解するには、金の純度の表し方を知っておくと役立ちます。金の純度には、カラットと千分率という2つの表し方があります。

日本ジュエリー協会によると、カラットは純金をK24とした24分率で金の純度を表す方法です。これとは別に、品位を千分率の‰(パーミル)で表す方法もあります。両者を対応させると、次のようになります。

参考:「貴金属について」|一般社団法人日本ジュエリー協会

カラット表示 千分率表示 金の割合の目安
K24 Au999(999‰以上) 純金
K18 Au750 75%
K14 Au585 約58.5%
K10 Au416 約41.6%

参考:「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版」|日本ジュエリー協会

純金はK24で、金の割合が下がるほど数字も小さくなります。ジュエリーでは、こうした純度が刻印で示されることがあります。一方、歯科用の金属には純度の刻印がないことが多く、見た目だけで金の割合を判断するのは難しいものです。金の割合は製品によって幅があるため、正確なところは査定で金属を調べてもらうかたちになります。

なお、こうした金の純度を公的に裏づけるのが、造幣局のホールマークです。造幣局は第三者として品位試験を行い、合格した貴金属製品に品位を示す証明記号を打刻しています。歯科用金属そのものには打たれませんが、金の純度を客観的に示すしくみとして知っておくと参考になります。

参考:「貴金属製品の品位証明」|造幣局

金の入れ歯の買取価格の目安と決まり方

金の入れ歯の買取価格には、決まった定価がありません。中古の貴金属として、金の相場やその時々の条件にもとづいて価格が決まります。まずは、価格が何で決まるのかを整理します。

買取価格のおおまかな考え方は、次のとおりです。

  • 金の地金相場(1gあたりの価格) × 金の含有率 × 重量
  • これに、パラジウムや白金など金以外の貴金属分が加わることがある
  • そこから、業者の手数料や精錬にかかる分が差し引かれる

金の含有率が高く、重さがあるものほど、地金としての価値は高くなりやすくなります。金パラのように金の割合が低いものでも、パラジウムを20%程度含むため、金以外の貴金属分が評価されることがあります。

次の表は、複数の買取業者が公開している買取価格をもとにまとめた、1本あたりの目安です。

金の入れ歯の種類 買取価格の目安(1本あたり)
金銀パラジウム合金(金パラ) 数百円〜数千円程度
金歯・金の被せ物(金合金) 数千円〜1万5,000円程度
大型のブリッジ・金属床など 数万円以上になることも

(※複数の買取業者の公開情報をもとにした目安です。2026年7月時点。公的な定価ではなく、金相場・金の含有率・重量・業者によって変わります)

金合金の金歯は、金の割合が高いぶん、金パラより高い価格になりやすい傾向があります。大きなブリッジや金属床のように金属の量が多いものは、そのぶん総額も上がりやすくなります。ただし、同じ種類でも重さや金の割合で差が出るため、あくまで目安として捉え、実際の金額は査定で確認するのがおすすめです。

参考:「日次金価格推移」|田中貴金属工業

買取価格は金相場に連動して変わる

金の入れ歯の価値の多くは、含まれる金の地金価値によって決まります。そのため、買取価格は日々の金相場に連動して変わります。

田中貴金属工業が公表している金の店頭小売価格をみると、金の価格は日ごとに動いています。2026年7月23日時点の店頭小売価格は、税込で1gあたり24,046円でした。同社のページには、日中に価格を変更する場合があるとの記載もあり、金の価格が短い期間でも変動することがうかがえます。

参考:「日次金価格推移」|田中貴金属工業

金相場が高いときは買取価格も上がりやすく、下がれば買取価格も下がりやすくなります。急いで手放す事情がない場合は、金相場の動きをみながら、複数の業者の査定を見比べて判断するのもひとつの方法です。

参考:「日次金価格推移」|田中貴金属工業

金の入れ歯を売る前にできる準備

査定に出す前に、いくつか整えておくと、やり取りがスムーズになります。衛生面を含め、無理のない範囲で準備しておくと安心です。

まず、金の入れ歯や金歯には、歯の一部や樹脂、汚れが付いていることがあります。そのままでも査定に対応する業者はありますが、気になる場合は、水やぬるま湯で軽く洗い流し、乾かしてから持ち込むと扱いやすくなります。強くこする必要はなく、汚れをやさしく落とす程度で差し支えありません。

次に、金パラなのか金合金なのか、種類の見当がつく場合は、それを伝えられるようにしておくと査定が進みやすくなります。かかった歯科医院の治療内容がわかる場合は、あわせて伝えるのもよい方法です。

そして、金の入れ歯は小さく紛失しやすいため、小袋やケースにまとめておくと持ち運びの際に安心です。複数の業者に見積もりを依頼し、査定額を見比べると、納得して手放しやすくなります。

なお、抜けた歯や金歯の扱いに不安がある場合は、自己判断で処理せず、かかりつけの歯科医院に相談するのもひとつの方法です。

よくある質問

金歯や金の入れ歯は売れますか。

金を含む歯科用の合金のため、貴金属の買取で地金の一部として評価される対象になります。ただし金の割合は製品によって異なり、金額は金の含有率や重量、金相場によって変わります。実際の価格は、貴金属の買取に対応した業者で査定を受けて確認するのが確実な方法です。

金の入れ歯はいくらになりますか。

決まった定価はありません。複数の買取業者の公開情報をもとにした目安では、金パラで数百円〜数千円程度、金合金の金歯で数千円〜1万5,000円程度とされ、大型のブリッジや金属床では数万円以上になることもあります。あくまで目安のため、金額は査定で確認するのがおすすめです。

金パラ(銀歯の下の金属)も買取できますか。

金銀パラジウム合金は、金12%程度に加えてパラジウムを20%程度含む合金です。金以外の貴金属も評価の対象になることがあり、歯科金属の買取に対応した業者では買取の対象としているところがあります。

参考:「金銀パラジウム合金」|石福金属興業

歯や汚れが付いたままでも売れますか。

そのままで査定に対応する業者もあります。気になる場合は、水やぬるま湯で軽く洗い、乾かしてから持ち込むと扱いやすくなります。金属に付いた歯や樹脂の分は査定に含まれないのが一般的です。

金の入れ歯の価格はいつ査定してもらうのがよいですか。

金の入れ歯の価値は金相場に連動して変わります。田中貴金属工業の公表データでも金価格は日々動いており、相場が高いときは買取価格も上がりやすい傾向です。急がない場合は、金相場や複数業者の査定を見比べて判断するとよいでしょう。

参考:「日次金価格推移」|田中貴金属工業

まとめ

金の入れ歯や金歯は、金を含む歯科用の合金で、貴金属の買取で地金の一部として評価される対象になります。ただし純金ではなく、金パラで金12%程度、金合金で65〜75%程度など、金の割合は製品によってまちまちです。買取価格は、金の地金相場・金の含有率・重量・業者の査定で決まり、金相場に連動して日々動きます。手元の金の入れ歯を手放すか迷うときは、種類と状態を確認し、軽く洗って整えたうえで、貴金属や歯科金属の買取に対応した業者に相談してみてはいかがでしょうか。