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ルイ13世の値段はなぜ店によってこれほど違うのか|ホストクラブでの価格の仕組みと買取での見られ方

ホストクラブを扱ったテレビ番組やSNSで「ルイ13世」という名前を耳にして、いったいいくらするものなのかと気になった方は多いのではないでしょうか。ただ、調べてみると出てくる金額は数十万円から数千万円まで幅がありすぎて、かえって分からなくなります。この記事では、ルイ13世が公式にどのような製品なのかを確認したうえで、飲食店での価格がなぜこれほど開くのかという仕組みを整理し、最後に「手元にあるボトルを売る」という視点から、買取で実際に見られる点をまとめます。

なお、本記事は製品と取引の解説を目的としたもので、飲酒を勧めるものではありません。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。

ルイ13世とはどのようなコニャックか

1874年に生まれ、フランス国王の名を冠した

LOUIS XIII(ルイ13世)は、フランスのコニャック地方に本拠を置くレミーマルタンが手がけるコニャックです。公式サイトによれば、ルイ13世が誕生したのは1874年で、レミーマルタンの子孫にあたるポール・エミール・レミーマルタンによって生み出されました。名称は17世紀のフランス国王ルイ13世にちなむものです。

参考:「Origins of LOUIS XIII: our name, our story」|LOUIS XIII Cognac 公式サイト

最大1,200種のオー・ド・ヴィーをブレンドする

公式サイトの説明では、現在のセラーマスターが最大1,200種類のオー・ド・ヴィー(蒸留したての原酒)を選び、ブレンドしてルイ13世の香味をつくり上げるとされています。原料となるぶどうは、コニャック地方の第一級地区であるグランド シャンパーニュのものです。原酒は樹齢を重ねたリムーザン産オークの樽で長期間熟成され、なかには100年に及ぶものも含まれるとされています。現在のセラーマスターはバティスト・ロワゾーです。

クラシック デカンタの基本仕様

公式のオンラインストアでは、定番となる「The Classic Decanter」の容量が700ml、アルコール分が40%と表示されています。デカンタは1本ずつ手仕事で作られ、個別に番号が振られていること、ネック部分に18金以上の金が使われ、片側に10本ずつの突起(スパイク)があること、コルクの栓にはNFCチップが仕込まれ、所有者を「LOUIS XIII Society」につなぐ仕組みになっていることが記載されています。

参考:「The Classic Decanter」|LOUIS XIII Cognac 公式サイト

デカンタそのものが工芸品である

ルイ13世の価格を押し上げている要素のひとつが、中身と同じくらい手のかかったクリスタルのデカンタです。

公式サイトによれば、クラシック デカンタは1本につき11人の熟練職人によって手作りされ、その職人たちはヨーロッパでも指折りのクリスタル工房に属しているとされています。独特の形状を手吹きで成形し、細かい「dentelle(レース)」と呼ばれる突起を手で作り、8つのフルール・ド・リス(フランス王家を象徴する紋章)を手彫りし、最後に20金で仕上げるという工程が示されています。

デザインの由来についても説明があります。1874年、創業家のポール・エミール・レミーマルタンが、ジャルナックの古戦場で見つかった1569年のものとされるフラスコを入手し、そこに三つのフルール・ド・リスがあしらわれていたことが、現在まで続くルイ13世のデカンタの形につながったとされています。

参考:「The Decanter」|LOUIS XIII Cognac 公式サイト

バカラ製という表記について

日本語の記事では「ルイ13世=バカラのボトル」と説明されることがよくあります。公式サイトの表記を確認すると、クラシック デカンタについては前述のとおり「ヨーロッパでも屈指のクリスタル工房の職人11名による手作り」と説明されており、特定の工房名は挙げられていません。一方、限定シリーズの「Rare Cask 42.1」については、バカラが特別に手がけた黒いクリスタルのデカンタ775本の限定版として発表されたことが公式に記載されています。

したがって、バカラとの関わりは公式に確認できますが、すべてのルイ13世がバカラ製と断定できる記述は見つかりませんでした。本記事では、確認できる範囲にとどめます。

公式ラインナップと容量

公式サイトのコレクション一覧に掲載されている製品と容量は、次のとおりです(掲載内容は時期によって変わります)。

区分 製品名 容量
Iconic Collection The Miniature 50ml
Iconic Collection The Classic Decanter 700ml
Iconic Collection The Magnum 1.75L
Iconic Collection The Jeroboam 3L
Rare Cask Collection Rare Cask 42.1 700ml
Rare Cask Collection Rare Cask 42.6 750ml
Rare Cask Collection Rare Cask 43.8 750ml
THE DROP Collection Box 10ml×5
限定品 Time Collection: The Origin – 1874 750ml
限定品 Time Collection: City of Lights – 1900 750ml
限定品 The Legacy 1.75L
限定品 L’Odyssée d’un Roi 1.5L
限定品 Le Salmanazar 9L

参考:「Collections」|LOUIS XIII Cognac 公式サイト

なお、マグナムについて公式は、1997年に作られた当時、世界最大のコニャック用クリスタルデカンタであったこと、最大1,200種のオー・ド・ヴィーによるブレンドであることを説明しています。

日本語の記事でしばしば取り上げられる「ブラックパール」は、公式サイトの現行コレクション一覧には掲載が見当たりませんでした。仕様や価格を確認できないため、本記事では詳細に触れません。

ホストクラブでの値段が記事ごとにバラバラな理由

検索すると、ルイ13世の「ホストクラブでの値段」として100万円台から数千万円まで、まったく異なる数字が並んでいます。これは、どれかが間違っているというより、そもそも比べられるものを比べていないためです。

1. 公開された定価が存在しない

ルイ13世は、公式サイト上で希望小売価格を一律に公開している製品ではありません。販売価格は流通する国、時期、取扱店によって変わります。そのため「定価はいくら」という問いに、公式情報だけで答えることはできません。本記事でも、確認できない金額は記載しません。

2. 容量が10倍以上違う

前掲の表のとおり、ルイ13世には50mlのミニチュアから9Lのサルマナザールまであります。容量が異なれば価格の桁も変わります。「ルイ13世=◯◯万円」という書き方は、どの容量の話なのかが抜け落ちていることが少なくありません。

3. 飲食店の価格は店が独自に決めている

飲食店で提供される酒類の価格は、仕入値に店舗の家賃・人件費・サービス料・消費税などが加わったうえで、各店が独自に設定します。加えて、ホストクラブでは開栓時の演出などが料金に含まれる場合があり、同じボトルでも店によって総額が変わります。共通の基準や公表された相場は存在しません。

したがって、「ホストクラブでのルイ13世の値段」を一つの数字で示すことは原理的にできません。実際に注文を検討する場面があるなら、メニューの表記が本体価格なのか総額なのか、サービス料や税がどう加算されるのかを、その場で店に確認するほかありません。

買取の視点で見るルイ13世

ここからは、飲む側ではなく「手元にあるボトルを売る」側の話です。贈答で受け取った、実家から出てきた、といったケースを想定しています。

未開栓であることが大前提

酒類の買取では、未開栓であることが基本的な条件になります。開栓済みのボトルは中身の状態を保証できず、再流通が難しいため、買取の対象外とする業者がほとんどです。栓や封が触られた形跡がある場合も同様です。

箱・付属品の有無

ルイ13世は、専用の外箱、内箱、冊子や証明書類、注ぎ口の栓など、付属品が多い製品です。これらが揃っているかどうかは評価に影響します。特に外箱は傷みやすいため、状態も見られます。

見られる点 評価が上がりやすい状態 評価が下がりやすい状態
開栓の有無 未開栓・封が完全 開栓済み、封に触れた形跡がある
液面 購入時の位置を保っている 目減りしている
箱・ケース 外箱・内箱が揃い、破れや潰れがない 箱なし、または大きく傷んでいる
付属品 冊子・証明書・栓などが揃っている 欠品がある
ラベル 汚れ・破れ・剥がれがない 日焼け、水濡れ跡、剥がれ
デカンタ本体 欠け・傷・金部分の擦れがない クリスタルに欠け、金の摩耗がある
保管環境 冷暗所で立てて保管 直射日光、高温、長期の横倒し

保管のしかたで状態は変わる

蒸留酒はワインと違い、基本的に立てて保管します。横に寝かせるとコルクが常に液体と接し、長期的に劣化やコルク臭の原因になることがあります。また、直射日光や高温はラベルの退色と中身の劣化につながります。売却を考えているなら、冷暗所で立てたまま、箱に入れて保管しておくのが無難です。

なお、相場や査定額は市場の需要、業者の在庫状況、時期によって変動します。ここで挙げたのは見られやすい観点であり、特定の金額を保証するものではありません。

酒類を売買するときに関わる許可・免許

中古品の売買には古物商許可

中古の品物を買い取って売ることを業として行うには、古物営業法にもとづく古物商許可が必要です。許可を受けた古物商には、盗品の流通を防ぐ観点から取引の相手方を確認する義務があり、売却の際には運転免許証などの本人確認書類の提示が求められます。

参考:「古物営業」|警視庁

酒類の販売には酒類販売業免許

酒類の場合、古物商許可だけでは足りません。国税庁の手引によれば、酒類の販売業をしようとする場合には、酒税法の規定にもとづき、販売場ごとに、その販売場の所在地の所轄税務署長から酒類販売業免許を受ける必要があります。本店で免許を受けていても、支店で酒類の販売業を行うには支店の所轄税務署長から新たに免許を受けなければならない、という定めです。

免許は販売先や販売方法によって区分されています。国税庁の資料では、販売場において原則としてすべての品目の酒類を小売できる免許が「一般酒類小売業免許」、2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象にカタログやインターネット等で条件を提示し、通信手段で申込みを受けて販売するものが「通信販売酒類小売業免許」と整理されています。

販売業免許を受けずに酒類の販売業を行った場合、酒税法上、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されるとされています。

参考:「一般酒類小売業免許申請の手引」|国税庁

なお、個人が自分で保有していた酒類を単発で手放す行為と、継続して酒類を販売する行為とは扱いが異なります。判断に迷う場合は、所轄の税務署または酒類指導官に確認してください。

20歳未満の飲酒防止に関する定め

酒類の販売業者には、20歳未満の者の飲酒を防ぐための義務が課されています。国税庁の手引では、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律が、酒類販売業者や料理飲食業者に対し、20歳未満の者が飲用に供することを知って酒類を販売または供与することを禁じ(第1条第3項)、年齢の確認その他の必要な措置を講じる義務を課している(第1条第4項)と説明されています。禁止規定に違反した場合は50万円以下の罰金に処されます。

また、酒類小売業者は「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」(平成元年11月国税庁告示第9号)を遵守しなければならず、売場には「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨の表示が必要とされています。

令和4年4月から民法の成年年齢は18歳に引き下げられましたが、お酒に関する年齢制限は20歳のまま維持されている点も、同手引に明記されています。

よくある質問

Q. ホストクラブでルイ13世を頼むと結局いくらになりますか

店ごとに設定が異なり、公表された基準はありません。飲食店での価格は仕入値に家賃・人件費・サービス料・税などが加わって決まり、演出が料金に含まれる場合もあります。メニューの金額が本体価格か総額かも店によって違うため、その場で確認する以外に正確に知る方法はありません。

Q. ルイ13世の定価はいくらですか

公式サイトでは希望小売価格が一律に公開されていません。取扱店や時期によって販売価格が異なるため、本記事では具体的な金額を記載していません。

Q. 箱がなくても買い取ってもらえますか

業者によりますが、箱なしでも取り扱う場合はあります。ただし箱や付属品が揃っているほうが評価されやすい傾向があるため、押し入れなどに残っていないか探してみることをおすすめします。

Q. 開栓してしまったボトルはどうなりますか

中身の状態を保証できないため、買取の対象外とされることがほとんどです。デカンタ自体に価値を見出す業者もありますが、未開栓と同じ扱いにはなりません。

Q. 個人でネットオークションに出品してもよいですか

継続的・反復的に酒類を販売する場合は、酒税法上の酒類販売業免許が必要になります。単発の売却との線引きは個別の事情によるため、判断に迷う場合は所轄の税務署に確認してください。

参考:「一般酒類小売業免許申請の手引」|国税庁

Q. 長期間保管していたボトルでも売れますか

未開栓で液面の目減りが少なく、ラベルやデカンタの状態が保たれていれば取り扱われることが多いです。ただし高温や直射日光の下で長く置かれていた場合は、状態が下がっている可能性があります。

まとめ

ルイ13世は、1874年に生まれ、最大1,200種のオー・ド・ヴィーをブレンドし、グランド シャンパーニュのぶどうを原料とする、レミーマルタンの最上位のコニャックです。定番のクラシック デカンタは700ml・アルコール分40%で、11人の職人による手作りのクリスタルデカンタに詰められています。

一方、「ホストクラブでの値段」については、公表された定価がなく、容量も複数あり、飲食店の価格は各店が独自に設定するものであるため、一つの数字で示すことはできません。ネット上の金額に大きな開きがあるのは、この三点が混ざっているためだと考えられます。

もし手元にルイ13世があり、売却を考えているのであれば、確認すべきことははっきりしています。未開栓であること、液面が下がっていないこと、外箱と付属品が揃っていること、そして冷暗所で立てて保管されていることです。査定を依頼する際は、古物商許可に加えて酒類販売業免許を持つ業者かどうかも、確認しておきたい点といえます。