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長野オリンピックの5000円硬貨は銀貨|3種類の見分け方と価値の考え方

引き出しの奥から、白っぽい大きめの硬貨が出てきて、長野オリンピックの5000円硬貨かもしれないと思っている方もいるのではないでしょうか。この硬貨は銀を含んだ「5,000円銀貨幣」で、図柄の違う3種類が発行されています。この記事では、造幣局と財務省が公表している仕様をもとに、3種類の見分け方、銀の含有量から見た価値の下限、額面5,000円との関係、買取に出すときの考え方を整理します。手元の1枚をどう扱うか判断する材料になります。

長野オリンピックの5000円硬貨は「銀貨幣」

長野オリンピックの5000円硬貨は、正式には「長野オリンピック冬季競技大会記念5,000円銀貨幣」といいます。1998年(平成10年)に開催された長野冬季オリンピックを記念して、日本国政府が発行した記念貨幣です。

素材は銀合金で、品位は千分中で銀925・銅75です。いわゆるスターリングシルバーと同じ配合にあたります。直径は30.0mm、量目(重さ)は15.0gで、縁にはギザが入っています。

参考:「長野オリンピック記念(第1次)5,000円銀貨幣」|造幣局

長野オリンピックの記念貨幣は、10,000円金貨幣・5,000円銀貨幣・500円白銅貨幣の3額面が、それぞれ第1次から第3次まで3回に分けて発行されました。5000円硬貨と呼ばれているものは、このうち銀貨幣にあたります。

この記事では5,000円銀貨幣に絞って扱います。10,000円金貨幣や500円白銅貨幣を含めた9種類全体の仕様と相場については、長野オリンピック記念硬貨の買取価格|9種類の仕様と相場の目安で整理しています。

5000円銀貨は3種類|第1次〜第3次の仕様一覧

5,000円銀貨幣は、発行の回によって表面の図柄が異なります。裏面はいずれも「かもしか(長野県の県獣)」で共通です。

発行 年銘 図柄(表) 図柄(裏) 素材・品位 直径 量目 発行枚数 引換開始日
第1次 平成9年 アイスホッケー かもしか 銀合金(銀925・銅75) 30.0mm 15.0g 500万枚 平成9年2月7日
第2次 平成9年 バイアスロン かもしか 銀合金(銀925・銅75) 30.0mm 15.0g 500万枚 平成9年8月7日
第3次 平成10年 パラリンピック・アルペンスキー かもしか 銀合金(銀925・銅75) 30.0mm 15.0g 500万枚 平成10年2月2日

参考:「記念貨幣一覧」|財務省

参考:「長野オリンピック記念(第2次)5,000円銀貨幣」|造幣局

参考:「長野オリンピック記念(第3次)5,000円銀貨幣」|造幣局

3種類とも発行枚数は500万枚で、合計1,500万枚が発行されています。記念銀貨としては多い部類に入る枚数です。

第3次だけは年銘が平成10年で、他の2種類は平成9年です。年銘は貨幣に刻まれている年で、手元の1枚を特定するときの手がかりになります。ただし第1次と第2次はどちらも平成9年銘なので、年銘だけでは区別できません。図柄をあわせて確認する必要があります。

手元の1枚がどれかを見分ける手順

見分けるときは、次の順で確認すると迷いにくくなります。

まず裏面を見ます。かもしかが描かれていれば5,000円銀貨幣です。長野オリンピックの記念貨幣では、裏面にらいちょう(長野県の県鳥)やりんどう(長野県の県花)が描かれているものもありますが、それらは10,000円金貨幣または500円白銅貨幣です。

参考:「記念貨幣一覧」|財務省

次に表面の競技図柄を見ます。アイスホッケーなら第1次、バイアスロン(スキーと射撃を組み合わせた競技)なら第2次、アルペンスキーの滑降姿勢でパラリンピックの表記があるものなら第3次です。

最後に年銘を確認します。平成10年であれば第3次で確定します。平成9年であれば第1次か第2次のどちらかなので、図柄で判断します。

サイズでも確認できます。直径30.0mm・量目15.0gは、現行の500円貨(直径26.5mm・量目7.1g)よりひとまわり大きく、手に取ったときにはっきり重みを感じる大きさです。もし直径26.5mm程度であれば、5,000円銀貨ではなく500円白銅貨の可能性が高くなります。

銀の含有量から見た「価値の下限」

5,000円銀貨幣は銀を含んでいるため、素材そのものにも価値があります。ここが500円白銅貨との大きな違いです。

量目15.0gのうち銀の品位は千分中925なので、含まれる純銀は15.0g×0.925で13.875gとなります。

参考:「長野オリンピック記念(第1次)5,000円銀貨幣」|造幣局

銀の地金価格は日々変動します。田中貴金属工業が公表している2026年8月27日の銀の店頭買取価格は1gあたり382.58円(税込)でした。この価格で単純計算すると、純銀13.875g分は約5,300円にあたります。

参考:「銀価格推移」|田中貴金属工業

つまり、この日の相場では素材としての銀の価値が額面5,000円をわずかに上回る計算になります。ただしこれはあくまで地金価格に基づく単純計算です。銀相場は日々動くため、時期によっては額面を下回ることもあります。実際の買取では、地金として溶かす場合の手数料や、貨幣としての取り扱いによって、この計算どおりの金額にはならないのが通常です。

それでも、銀を含んでいることは価値の下支えになります。銀相場が上がれば、それに応じて評価も動きやすくなる貨幣といえます。

額面での引換で発行された貨幣であること

長野オリンピックの記念貨幣のうち、10,000円金貨幣は造幣局による販売で、第1次が38,000円、第2次・第3次が38,737円という販売価格が設定されていました。一方、5,000円銀貨幣と500円白銅貨幣には販売価格の設定がなく、金融機関の窓口で額面と引き換える形で発行されています。

参考:「記念貨幣一覧」|財務省

記念貨幣は、取扱金融機関の窓口において額面価格で引換えができる仕組みで発行されるものがあります。

参考:「記念貨幣はどのように入手できるのですか」|財務省

5,000円を支払えば手に入る貨幣が各次500万枚ずつ発行されたため、当時は広く行き渡りました。現在も手元に残っている枚数が多いのは、この発行方式によるところが大きいと考えられます。希少性という点では、販売数が限られた金貨とは事情が異なります。

なお、記念貨幣は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」に基づく貨幣なので、いまも法定通貨として有効です。財務省は、記念貨幣はすべて通常の貨幣と同じように使用できると説明しています。ただし素材や大きさが通常の貨幣と異なるため、自動販売機などでは使えないことがあるとも案内されています。

参考:「過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか」|財務省

プルーフ貨幣セット入りかどうかで扱いが変わる

長野オリンピックの記念貨幣には、造幣局が販売した「記念プルーフ貨幣セット」もありました。プルーフ貨幣は、表面を鏡のように磨き上げる特殊な仕上げを施した収集用の貨幣で、専用のケースに収められた状態で販売されます。

造幣局の記念貨幣セット一覧には、長野オリンピック関連として次の3種類が掲載されています。

セット名 内容 販売価格 発行数
記念プルーフ貨幣(金貨単独) 1万円1枚 1次38,000円/2次・3次38,737円 66,000セット
記念プルーフ貨幣3点セット 1万円・5千円・5百円 1次48,000円/2次・3次48,932円 99,000セット
記念プルーフ貨幣2点セット 5千円・5百円 1次11,500円/2次・3次11,723円 300,000セット

参考:「記念貨幣セット」|造幣局

5,000円銀貨幣が含まれているのは3点セットと2点セットです。単体で引き換えられた通常の貨幣(500万枚)と比べると、セットで販売された数は限られています。

手元の1枚が造幣局のケースや証明書とともに保管されているのか、それとも裸の状態なのかは、買取査定で見られる点のひとつです。ケース・化粧箱・保証書などの付属品が揃っているかどうかで評価が変わることがあります。

買取価格の目安と、評価を左右する点

長野オリンピックの5,000円銀貨幣の買取価格は、額面の5,000円前後を軸に、銀相場や状態、付属品の有無によって上下するのが一般的な傾向です。金額はあくまで目安であり、買取店や時期によって差が出ます。確定的な金額を保証するものではありません。

評価を左右しやすいのは次の点です。

銀相場。前述のとおり純銀13.875g分の地金価値が下支えになるため、銀価格が高い時期のほうが評価は上がりやすくなります。

状態。傷、変色、指紋、擦れは評価を下げる要因になります。特に鏡面仕上げのプルーフ貨幣は、細かい傷や曇りが目立ちやすい仕上げです。

付属品。造幣局のケース、証明書、外箱、パンフレットなどが揃っていると、セット品としてまとまって評価されることがあります。

組み合わせ。第1次から第3次まで3種類揃っている場合や、金貨・白銅貨とセットで揃っている場合は、まとめて査定に出したほうが評価しやすいことがあります。

汚れが気になっても、自分で磨いたり洗ったりするのは避けたほうが無難です。銀は表面が硫化して黒ずむことがありますが、研磨剤や薬品を使うと微細な傷が入り、かえって評価を下げることがあります。乾いた柔らかい布で埃を払う程度にとどめ、そのままの状態で査定に出すのが基本です。

金貨・500円白銅貨も一緒に持っている場合

長野オリンピックの記念貨幣は3額面×3次発行で全9種類あり、当時セットで購入した方や、家族が集めていた方の手元には複数種類が残っていることがあります。

10,000円金貨幣は純金製で量目15.6g、発行枚数は各次5.5万枚と少なく、素材の金の価値が評価の中心になります。500円白銅貨幣は銅750・ニッケル250の白銅で各次2,000万枚が発行されており、素材に貴金属を含まないため額面どおりの扱いになりやすい貨幣です。

参考:「記念貨幣一覧」|財務省

3額面それぞれの仕様と相場の考え方は、長野オリンピック記念硬貨の買取価格|9種類の仕様と相場の目安にまとめています。また、500円の記念貨幣全般については記念硬貨500円の買取価格|全76種類と額面どおりになる理由もあわせてご覧ください。

よくある質問

長野オリンピックの5000円硬貨は本物の銀ですか

銀合金です。造幣局の公表仕様では、品位は千分中で銀925・銅75となっています。銀の割合が92.5%で、残りが銅という配合です。純銀ではありませんが、銀を主体とした貨幣です。

参考:「長野オリンピック記念(第1次)5,000円銀貨幣」|造幣局

いま5000円として使えますか

記念貨幣は法定通貨なので、額面の5,000円として使えます。ただし財務省は、記念貨幣は素材や大きさが通常の貨幣と異なるため自動販売機などでは使えないことがあると案内しており、実際に使う場合は金融機関の窓口で通常の貨幣と交換するよう説明しています。

参考:「過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか」|財務省

3種類のうちどれが一番価値がありますか

3種類とも素材・品位・量目・発行枚数が同一のため、素材の面では差がありません。評価の差は、状態、プルーフ貨幣セット入りかどうか、付属品の有無といった条件によって生じるのが一般的です。図柄そのものによる優劣を裏付ける公的な資料はありません。

黒ずんでいるのですが磨いたほうがよいですか

自分で磨くことはおすすめしません。銀の黒ずみは硫化によるもので、研磨すると表面に微細な傷が残ります。特にプルーフ貨幣は鏡面仕上げのため傷が目立ちやすく、評価を下げる要因になり得ます。そのままの状態で査定に出すのが基本です。

銀行で5000円に交換したほうが得ですか

銀相場や状態、付属品によって、買取のほうが額面を上回ることも、額面どおりにとどまることもあります。銀の地金価値は日々変動するため、まず現在の銀価格を確認したうえで、買取査定と額面を比べて判断するのがよいでしょう。

まとめ

長野オリンピックの5000円硬貨は、銀925・銅75の銀合金でできた「5,000円銀貨幣」です。直径30.0mm、量目15.0gで、第1次アイスホッケー、第2次バイアスロン、第3次パラリンピック・アルペンスキーの3種類があり、裏面はいずれもかもしかです。各次500万枚、合計1,500万枚が額面での引換によって発行されました。

含まれる純銀は13.875gで、これが価値の下支えになります。2026年8月27日の銀の店頭買取価格で単純計算すると約5,300円にあたりますが、銀相場は日々変動するため、時期によって上下します。実際の買取価格は状態や付属品によっても変わるため、金額はあくまで目安として捉えてください。

手元の1枚を扱うときは、無理に磨かず、造幣局のケースや証明書があれば一緒に保管し、そのままの状態で査定に出すのが基本になります。10,000円金貨幣や500円白銅貨幣も持っている場合は、まとめて確認すると全体像がつかみやすくなります。

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