XOの意味とは|ブランデーのラベルに書かれた「Extra Old」の読み方
「XO」という2文字は、ブランデーのラベル、中華調味料の名前、英文メッセージの結びなど、まったく違う場面で使われています。このうちお酒の文脈で出てくるXOは、英語の「Extra Old」の頭文字を取った表記です。この記事では、XOという表記が何を示し、何を示していないのかを、コニャックとアルマニャックの公式規定に沿って整理します。ボトルを手放すときに確認しておきたい点もあわせてまとめました。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。本記事は飲酒を勧める内容ではありません。
「XO」と検索したとき、候補になる3つの意味
XOという表記は、分野をまたいで使われています。まず、自分が知りたいのがどれなのかを切り分けておくと迷いません。
- ブランデーの熟成表示としてのXO:英語の「Extra Old」の略。コニャックやアルマニャックのラベルに書かれます。
- XO醤(エックスオーじゃん):干し貝柱、干しエビ、トウガラシなどとブランデーで作られる中華調味料です。名称はブランデーの最高級表示にちなんだものとされています。
- 英文メッセージの「xoxo」:手紙やメッセージの末尾に添えられる表現で、お酒の等級とは関係がありません。
参考:「XO(エックスオー)とは? 意味や使い方」(デジタル大辞泉/飲み物がわかる辞典)|コトバンク
この記事で扱うのは1つめ、お酒のラベルに書かれたXOです。ボトルの整理をしていて「XOと書いてあるが、どういう意味なのか」を調べている方が多い表記でもあります。
ブランデーのXOは「Extra Old」の略
XOは、英語の Extra Old(エクストラ・オールド)の頭文字を取った表記です。直訳すれば「特に古い」で、長く熟成させた原酒を使っていることを示します。
ここで少し不思議に感じるのが、フランス産のお酒なのに英語の略号が使われている点です。VS(Very Special)、VSOP(Very Superior Old Pale)といった表記も同様に英語です。これらの表記はいずれも英語表記のまま国際的に定着しており、フランスの規定の中でも英語のまま並記されています。
そしてもう一つ押さえておきたいのが、XOは「銘柄名」でも「品質の格付け」でもなく、熟成の下限を示す表示のひとつだという点です。同じXOでも、造り手が実際に使っている原酒の年数は大きく違います。この点は後ほど詳しく整理します。
コニャックのXOに定められている基準
XOの意味がもっともはっきりしているのが、フランス・コニャック地方の原産地呼称(AOC)コニャックです。コニャックの表示ルールは、全国コニャック事務局(BNIC)が公開しています。
BNICの公式サイトによれば、熟成表示ごとの最低熟成年数は次のとおりです。
| 表示 | 最低熟成年数 |
|---|---|
| VS | 2年以上 |
| VSOP | 4年以上 |
| XO | 10年以上 |
| XXO(Extra Extra Old) | 14年以上 |
参考:「Cognac, une appellation d’origine contrôlée : Cognac VS, VSOP et XO」|全国コニャック事務局(BNIC)
なお、コニャックとして流通するには、表示の種類にかかわらず最低2年の樽熟成が必要とされています。熟成はオーク材の容器で、中断せずに行うことが規定されています。
参考:「Cahier des charges de l’appellation d’origine contrôlée « Cognac »」|INAO(国立原産地・品質研究所)
年数の数え方は「いちばん若い原酒」が基準
XOの「10年以上」は、ボトルの中身全体の平均年数ではありません。BNICは、eau-de-vie(原酒)の年齢について「ブレンドに使われたもっとも若い構成要素の年齢に対応する」と説明しています。
参考:「Cognac, une appellation d’origine contrôlée : Cognac VS, VSOP et XO」|全国コニャック事務局(BNIC)
つまりXOという表記が保証しているのは「10年に満たない原酒は入っていない」という下限だけで、上限はありません。実際には、10年をはるかに超える原酒を中心に組み立てられている製品も少なくないとされています。XOは年数を特定する表示ではなく、下限を示す表示という理解が、ラベルを読むうえでの出発点になります。
XOと同じ区分に属する別の表記
ここが、XOという表記を理解するうえでいちばん見落とされやすいところです。コニャックの規定では、XOと同じ熟成区分(コント10)に、複数の別表記がまとめて割り当てられています。
INAOが公開しているコニャックの規定(cahier des charges)では、熟成表示と熟成区分の対応が次のように整理されています。
| 熟成区分 | この区分に割り当てられている主な表示 |
|---|---|
| コント2 | 3 Étoiles(スリースター)、Sélection、VS、De Luxe、Very Special |
| コント4 | V.S.O.P.、Réserve、Vieux、Rare、Royal、Very Superior Old Pale |
| コント6 | Napoléon、Très Vieille Réserve、Très Vieux、Héritage、Très Rare など |
| コント10 | XO、Hors d’âge、Extra、Ancestral、Ancêtre、Or、Gold、Impérial、Extra Old、XXO、Extra Extra Old |
参考:「Cahier des charges de l’appellation d’origine contrôlée « Cognac »」|INAO(国立原産地・品質研究所)
この表からわかるのは、「Hors d’âge」「Extra」「Impérial」などと書かれたボトルも、規定上はXOと同じ熟成区分に属するということです。ラベルにXOと書かれていなくても、同格の表示が使われている場合があります。手元のボトルにXOの文字が見当たらないときは、これらの単語がないかも確認してみてください。
なお同じ規定では、ひとつのラベルに異なる熟成区分の表示を併記した場合、もっとも古い区分で計上することとされています。また「XXO」「Extra Extra Old」は、14年以上の熟成を示す固有の表示として区別されています。
アルマニャックのXOはどうなっているか
同じフランス南西部のブランデーであるアルマニャックにも、XOの表示があります。基準を管理しているのは全国アルマニャック事務局(BNIA)です。
BNIAの公式サイトでは、XOについて「少なくとも10年熟成させたアルマニャックで構成される商業上の呼称」と説明されています。あわせて「Hors d’Âge」については、ブレンドに使われるもっとも若い原酒の法定最低年数が10年を超えるものと記載されています。
参考:「Hors d’Age and XO」|全国アルマニャック事務局(BNIA)
コニャックとアルマニャックは別々の原産地呼称で、規定も別々に定められています。数字の並びは近いものの、産地が違えばルールの根拠も違う、という点は押さえておくとよいでしょう。
コニャック・アルマニャック以外に「XO」と書かれている場合
ここまで見てきた「10年以上」という基準は、あくまでコニャックとアルマニャックという原産地呼称のルールです。世界にはこの2つ以外にもぶどうや果実を原料とする蒸留酒が数多くあり、そこにXOと書かれていても、同じ基準が適用されているとは限りません。
商業事典でも、XOについて「統一の基準はなく、熟成期間は製造所ごとに異なる」と説明されています。
参考:「XO(エックスオー)とは? 意味や使い方」(飲み物がわかる辞典)|コトバンク
したがって、XOという表記そのものが世界共通の熟成年数を意味しているわけではありません。ラベルを読むときは、XOの文字だけでなく「Cognac」「Armagnac」といった産地表示が併記されているかを一緒に見ておくと、そのXOがどの規定に基づくものかを判断しやすくなります。
VS・VSOP・ナポレオン・XO・XXOといった等級全体の並びについては、当サイトの「ブランデーのランクとは」の記事で一覧にまとめています。あわせて参照してください。
XO表記のボトルを手放すときに確認したいこと
XOと書かれたボトルを売却する場合、査定で見られやすいのは表記そのものよりも「どの産地の、どの銘柄の、どういう状態のボトルか」です。次の点を先に控えておくと、やり取りがスムーズになります。
ラベルの記載
産地表示(Cognac/Armagnac など)、銘柄名、XO以外の熟成表示(Hors d’âge、Extra など)、容量、アルコール度数を確認します。
付属品の有無
化粧箱、冊子、専用ケースなどが残っているかどうかは、評価に関わることがあります。捨てずに一緒に用意しておくとよいでしょう。
保管状態
液面の高さ、キャップやコルク周辺の状態、ラベルの汚れや破れ、直射日光による退色などが確認されます。未開栓であることは前提になる場合が多い項目です。
なお、査定額は銘柄・状態・時期によって変動します。ここで挙げているのは「見られやすい項目」であって、価格を保証するものではありません。
酒類の売買には酒税法上の免許が関わります
酒類の販売を業として行う場合は、酒税法に基づく販売業免許が必要です。国税庁は、フリマサイトやインターネットオークションで継続的・反復的に酒類を販売する場合には酒類販売業免許が必要になるとしています。一方で、家庭で不要になった酒類を単発的に手放すようなケースは、通常の商業的な販売に当たらないとして免許は不要と説明されています。
参考:「酒類の免許」|国税庁
買取業者に依頼する場合も、酒類の買取を扱えるかどうかは業者によって異なります。依頼前に、酒類の取り扱い可否を確認しておくと安心です。
また、業者が自宅を訪ねて買い取る「訪問購入」については、特定商取引法にクーリング・オフの定めがあります。法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録により契約を解除できるとされ、その期間内は物品の引渡しを拒むことができるとされています。
よくある質問
XOは何の略ですか
英語の「Extra Old(エクストラ・オールド)」の略です。フランス産のブランデーであっても、この表記は英語のまま用いられています。
XOと書いてあれば何年ものか分かりますか
分かりません。コニャックの場合、XOは「もっとも若い原酒が10年以上」という下限を示す表示で、上限は定められていません。実際に何年の原酒が使われているかは、表記だけでは特定できません。
「Hors d’âge」はXOより上ですか
コニャックの規定上は、Hors d’âge も XO と同じ熟成区分(コント10)に割り当てられています。表記としては同格で、どちらが上位という決まりはありません。造り手が長期熟成の製品にHors d’âgeを使う例はありますが、それは規定ではなく各社の運用によるものです。
古いXOのボトルは、いまのXOと同じ意味ですか
同じとは限りません。コニャックのXOに割り当てられている熟成区分は過去に見直されており、規定の中にも、一定時期までは別の区分から充当できるとする経過的な扱いが記載されています。年代の古いボトルについては、当時の基準と現在の基準が異なる可能性がある、と捉えておくのが安全です。
XO醤のXOも同じ意味ですか
語源としては同じ「Extra Old」に由来するとされていますが、調味料であり、お酒の熟成年数とは無関係です。XO醤は干し貝柱や干しエビなどを使った中華調味料と説明されています。
参考:「XO(エックスオー)とは? 意味や使い方」(飲み物がわかる辞典)|コトバンク
まとめ
XOは英語の「Extra Old」の略で、ブランデーのラベルでは長期熟成を示す表示として使われます。コニャックではBNICの規定により最低10年以上、アルマニャックでも10年以上とされていますが、いずれも「もっとも若い原酒の下限」を示すもので、中身の年数を特定する表示ではありません。
また、XOと同じ熟成区分には「Hors d’âge」「Extra」「Impérial」など複数の別表記があり、ラベルにXOの文字がなくても同格の場合があります。逆に、コニャック・アルマニャック以外のブランデーに書かれたXOには、統一の基準がありません。
手元のボトルを整理する際は、XOの文字だけで判断せず、産地表示・銘柄名・併記されている熟成表示・保管状態をあわせて確認しておくと、その後の判断がしやすくなります。酒類を継続的に販売する場合は酒税法上の免許が関わる点、訪問購入にはクーリング・オフの定めがある点も、あわせて覚えておくとよいでしょう。