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銀食器の買取相場の目安|刻印と品位から考える

引き出物や海外土産で受け取った銀色のカトラリーを前に、銀食器の買取相場を調べている方もいるのではないでしょうか。金額の目安は、品位1gあたりの単価と重量、そして品目ごとの取引例から組み立てられます。ただし手元の品が銀無垢なのか銀めっきなのかで、当てはまる数字はまったく変わります。そこでこの記事では、2026年9月時点の相場の目安と、刻印から素材と品位を読み取る手順を整理します。

銀食器の買取相場は素材で二分される

銀食器と呼ばれるものには、性格の異なる2つの素材が混在しています。ひとつは銀を主体とした合金でできた銀無垢、もうひとつは卑金属の下地に銀の層を付けた銀めっきです。

この2つは、価値の成り立ちが根本から違います。銀無垢は地金としての価値を持ち、銀の取引価格の影響を受けます。銀めっきは表面の層がごく薄いため、地金としての回収を前提とした評価にはなじみません。

つまり、素材を確定しないまま金額の情報だけを集めても、判断の材料にはなりにくいといえます。以下では先に相場の目安を示し、そのうえで刻印の読み方に進みます。

銀食器の買取相場の目安(2026年9月時点)

地金としての価値は「重量×品位別の単価」で決まる

銀無垢の食器は、まず地金としての価値が評価の土台になります。計算はきわめて単純で、品位ごとに決められた1gあたりの単価に、品物の重量を掛けたものが基準になります。

貴金属買取店のおたからやは、品位別の1gあたり買取参考価格を毎日公開しています。2026年9月1日14時時点の数字は次のとおりです。

品位 1gあたりの買取参考価格
国際地金(銀) 367円
Sv1000 362円
Sv950 343円
Sv925 334円
Sv900 325円
Sv800 287円

参考:銀・シルバーの高価買取|おたからや(2026年9月時点の調査)

同社は、これらが国内外の建値と取引実績から算出した参考買取価格であり、実際の買取価格は相場の変動や品物の状態、重量、査定時の純度によって変わると説明しています。

この単価を使うと、重量から地金価値のおおよその見当がつきます。

重量 Sv925の場合 Sv1000の場合 Sv800の場合
100g 約33,400円 約36,200円 約28,700円
200g 約66,800円 約72,400円 約57,400円
500g 約167,000円 約181,000円 約143,500円
1,000g 約334,000円 約362,000円 約287,000円

上の表は前述の単価に重量を掛けただけのものです。実際の査定では、加工の有無や付属品の状態も見られるため、この金額がそのまま提示されるとは限りません。

なお、地金そのものの建値も公開されています。田中貴金属工業が公表した2026年9月1日17時の銀価格は、店頭小売価格が1gあたり391.38円、店頭買取価格が1gあたり358.38円でした。銀の建値は日々動くため、査定を受ける時期によって評価が変わります。

参考:貴金属価格情報|田中貴金属工業(2026年9月時点の調査)

品目別に見た相場の目安

品目やブランドによっては、地金価値に上乗せされる形で評価が付くことがあります。宅配買取サービスの買取王子が公開している銀食器の相場例は、次のとおりです。

品目 相場の目安
銀食器のティーセット 30,000円~60,000円
純銀製コンポート 15,000円~25,000円
純銀銘々鎚目菓子器 10,000円~100,000円
ジョージ・ジェンセン スターリングシルバー ポット 40,000円~80,000円
スターリングシルバー カトラリーセット 30,000円~200,000円
スプーン・フォーク・ナイフ 18本セット 50,000円~80,000円
純銀製ティーポット 30,000円~150,000円
SV925プレート 5,000円~50,000円

参考:銀食器の買取相場はどれくらい|買取王子(2026年9月時点の調査)

個別の買取実績としては、シルバー1000の酒器セットで88,541円前後、同じくシルバー1000の2枚セットで83,766円前後、銀コップ2個で71,829円前後、シルバー925の銀スプーン3点で13,769円前後、純銀トレー2個で12,975円前後といった例が紹介されています。

参考:銀食器の買取おすすめ業者3選|高く売れるドットコム(2026年9月時点の調査)

これらはいずれも過去の一例であり、同じ金額を保証するものではありません。重量、品位、セットの完成度、状態が異なれば評価も変わります。

相場がひとつの数字に定まらない理由

銀食器の買取相場を調べると、幅のある表現に行き当たることがほとんどです。これには4つの理由があります。

1つ目は、銀無垢の場合は地金としての価値が銀の取引価格に連動する点です。建値は日々動くため、同じ品でも査定を受ける時期によって評価が変わります。

2つ目は、品位によって同じ重量でも含まれる銀の量が異なる点です。前掲の単価表でも、Sv925とSv800では1gあたり47円の差があります。

3つ目は、ブランドやシリーズによる需要の差です。セットの組数がそろっているか、廃番シリーズを探している人がいるかといった事情は、地金の量とは別の軸で評価に影響します。

4つ目は、状態の差です。深い傷、変形、修理跡は減額の要因になります。銀は空気中の硫黄成分と反応して黒ずみますが、変色そのものは銀製品に起こる自然な現象であり、変色があっても査定を受け付けている事業者が多く見られます。

評価に影響する要素 銀無垢の場合 銀めっきの場合
地金としての価値 銀の取引価格と重量、品位に連動する 表面の層が薄く、回収は前提になりにくい
品位表示 925や800など千分率の数字が手がかりになる 品位証明の形式には当てはまらない
ブランド・シリーズ 地金価値に加えて評価される場合がある 評価の中心になりやすい
セットの完成度 組数がそろうほど扱いやすい 組数がそろうほど扱いやすい
状態 深い傷・変形・修理跡が減額要因になる 下地の露出が減額要因になる

銀製品全般でなぜ値が付くのかという仕組みは、シルバー(銀製品)はなぜ売れるのかで品位と銀相場の関係から整理しています。あわせて確認すると、上の表の読み方がつかみやすくなります。

造幣局のホールマークが示すもの

ここからは、相場を自分の品に当てはめるために欠かせない素材の確認に進みます。日本には、貴金属製品の品位を公的に証明する仕組みがあります。独立行政法人造幣局は、公的な第三者として貴金属製品の製造または販売をしている事業者からの依頼に応じ、品位試験を行っています。この試験に合格したものに打刻される証明記号が、通称ホールマークです。

参考:貴金属製品の品位証明|造幣局

押さえておきたいのが、この制度が任意だという点です。造幣局は「任意の制度として設けられている」ため市販品の中にはマークのない製品も存在すると説明しています。あわせて、品位は外観では判別できないとも記載されています。

ホールマークがないことは、銀ではないことの証明にはなりません。逆に、ホールマークがあれば公的機関の試験を経ているという情報が加わります。この違いを理解しておくと、刻印を見たときの解釈がぶれにくくなります。

記号の構成

造幣局によれば、ホールマークのデザインは3つの要素からなります。日本の造幣局の証明であることを示す日の丸、千分率で品位(純度)を表すひし形の中の数字、そして純金属または合金を示す記号です。

品位証明の区分数も公開されています。白金製品については4区分、金製品については6区分、銀製品については5区分、白金及び金を接合した製品については5区分で行われています。

参考:貴金属製品の品位区分と証明記号|造幣局

「925」「スターリングシルバー」の意味

銀の品位表示でもっとも目にする数字が925です。造幣局は、市場でスターリングシルバーと呼ばれるものについて、銀の品位(純度)が1000分の925、その他の金属(主に銅)が1000分の75含まれていると説明しています。ホールマークの表示は、日本の国旗とともに品位を示すひし形に925を組み合わせた記号になります。

925という数字は、千分率で表した銀の含有率です。100分率に直せば92.5%にあたります。銀は純度が高いほど柔らかくなるため、食器のように日常的に使う道具では銅などを加えて強度を確保しています。

なお、造幣局の品位表示は平成24年4月以降に受付した製品から、国際標準規格(ISO9202)および日本産業規格(JIS H6309)に準じた新しい表示に変わりました。純金属の表示は「999」となり、改正以前の「1000」表示と証明している品位は同じだと説明されています。金製品では品位「917」が「916」、「417」が「416」と表示されるようになりました。

「835」「625」「500」の品位区分は平成24年4月以降に廃止されていますが、これらのホールマークが入った製品は、それ以降も品位が証明されたものとして扱ってよいと明記されています。古い製品の刻印を見て不安になる必要はありません。

刻印があってもホールマークとは限らない

ここは誤解が生じやすいところです。造幣局は金製品について、ある刻印がある製品はK18と同等だと言えるとしたうえで、「K18とだけ刻印のある金製品は、造幣局で品位を証明したものではありません」と明記しています。

この関係は銀でも同じ構造です。製品に「SILVER」「純銀」「925」といった文字だけが入っている場合、それは製造者や販売者による表示であって、造幣局の品位証明とは別のものだと理解しておきましょう。造幣局の証明記号かどうかは、日の丸とひし形の数字が組み合わさった形式かどうかで判断します。

ホールマークを自分で確認する手順

実際に手元の銀食器を確認する手順を整理します。難しい道具は要りません。

手順1:刻印の位置を探す

カトラリーであれば柄の裏側、皿やトレーであれば裏面の縁近く、ポットやカップであれば底面が定位置です。装飾に紛れて見つけにくい場合があるため、明るい場所で角度を変えながら探してください。

手順2:拡大して読む

刻印は数ミリ程度と小さく、肉眼では形が判別できないことがあります。ルーペか、スマートフォンのカメラで拡大撮影して確認しましょう。撮影しておけば、後で事業者へ画像を送ることもできます。

手順3:数字と記号を書き出す

読み取れた文字をそのまま書き出します。判読できない記号があっても、形を言葉で記録しておくと照会の役に立ちます。

手順4:形式を照合する

日の丸とひし形の数字が並んでいれば、造幣局の証明記号の形式に一致します。数字のみ、あるいは英字のみであれば、製造者や販売者による表示の可能性が高いと考えられます。

手順5:磨かずに記録する

黒ずんでいて読み取れない場合でも、研磨剤で強くこするのは避けてください。銀めっき品では、磨きすぎると表面の層が薄くなって下地が出てしまうことがあります。読み取れないまま査定に出しても差し支えありません。

確認する場所 品目の例 探し方のこつ
柄の裏側 スプーン、フォーク、ナイフ 柄の付け根から先端へ順に見る
裏面の縁近く 皿、トレー、コースター 高台の内側も確認する
底面 ポット、カップ、シュガーポット 傾けて斜めから光を当てる
蓋の裏 シュガーポット、ジャー 本体と別に刻印がある場合がある

銀めっき(シルバープレート)との見分け方

銀めっき製品は、卑金属の下地に電気めっきなどで銀の層を付けたものです。表面の見た目は銀無垢とよく似ており、外観だけで区別するのは容易ではありません。

判断の中心になるのは、やはり刻印です。造幣局の品位証明は、製品に含まれる貴金属の純度の割合を調べる試験によって行われます。表面の層だけを銀にした製品は、この意味での品位を示す証明記号の形式には当てはまりません。

英国の制度を見ると、この関係がより明確になります。ゴールドスミス・カンパニー・アッセイオフィス(ロンドン)は、ホールマークを構成する必須の記号として、スポンサーマーク、ミレジマル・ファインネスマーク(千分率の品位標)、アッセイオフィスマークを挙げています。品位標については、金属がどれだけ高品位か、また金属の種類を示すもので、千分率で表した製品の貴金属含有量を示すと説明されています。この数値表記は1999年に必須化されました。

参考:ホールマークとは(What is a Hallmark)|The Goldsmiths’ Company Assay Office London

同オフィスは、コンベンション(国際ホールマーク条約)で認められる銀の品位として800、925、999を挙げています。日付を示すデイトレターは必須ではなく、毎年1月1日に変わり、書体・大文字小文字・盾の形がすべて変わるためひとつの年しか指さないと説明されています。

英国では、一定の重量を超える貴金属製品にホールマークが法的に必要です。免除される重量は金1.0グラム未満、銀7.78グラム未満、プラチナ0.5グラム未満とされています。ホールマークがなく重量免除も超える貴金属製品を業として販売または記述することは違法であり、トレーディング・スタンダード・オフィサーには1973年ホールマーキング法に適合しない品を差し押さえる権限があると明記されています。

参考:FAQs|The Goldsmiths’ Company Assay Office London

実務的な切り分けの順番

以上を踏まえると、次の順で見ていくのが現実的です。

  1. 日の丸+ひし形の数字、または英国式のホールマーク一式があるかを確認する
  2. 「925」「SILVER」「STERLING」といった数字・英字のみの表示かを確認する
  3. 「PLATE」「PLATED」といった、めっきを示す語が含まれていないかを確認する
  4. 下地が露出している箇所(縁、裏面の擦れやすい部分)がないかを確認する

4番目は判断材料として分かりやすい点です。銀めっき品では、長年の使用で角や縁のめっきが摩耗し、下地の色が透けて見えることがあります。ただし、これが見えないからといって銀無垢だと確定できるわけではありません。

メーカーごとの刻印の読み方については、クリストフル買取は刻印で価値が決まるでシルバープレートとスターリングシルバーの見分け方をまとめています。ブランドが自社で刻印の意味を公開している場合は、そちらが一次的な手がかりになります。

なお、個別メーカーが独自に用いてきた略号や記号の意味については、公的機関の公式資料では確認できませんでした。判断がつかない刻印は、憶測で結論を出さず、そのまま事業者に照会するほうが確実です。

査定に出す前にしておきたいこと

準備は多くありません。次の4点を押さえておけば十分です。

磨かない

自己流の研磨は、銀めっき品では層を削る結果になりかねません。銀無垢でも、研磨剤入りのクロスで刻印の輪郭が甘くなることがあります。汚れが気になる場合も、やわらかい布で乾拭きする程度にとどめましょう。

重量を量っておく

地金価値は重量に比例します。キッチンスケールで総重量を量っておけば、前掲の単価表と突き合わせておおよその見当がつきます。

セットの数を数える

6本組、12本組といった単位で流通するため、そろっている数は商品としての完成度に直結します。欠けている場合は、その本数を先に伝えてください。

箱と付属品をそろえる

元箱、収納ケース、しおり、保証書は一緒に出します。ケースの中に予備のピースが残っていることもあります。

ブランド銀器の評価が地金相場とどう噛み合うのかは、ティファニーのシルバーは本当に売れないのかでも品位の側面から扱っています。自宅で受け渡しを完結させたい場合の手続きは、食器の宅配買取はクーリング・オフできるを参考にしてください。

よくある質問

刻印がまったく見当たりません。銀ではないということですか

そうとは限りません。造幣局の品位証明は任意の制度であり、市販品の中にはマークのない製品も存在すると説明されています。刻印がないことだけを根拠に素材を判断することはできないため、事業者に確認を依頼するのがひとつの方法です。

「925」とだけ刻まれています。これは公的な証明ですか

数字だけの刻印は、製造者や販売者による表示にあたります。造幣局は金製品について、カラット表示だけが刻印された製品は造幣局で品位を証明したものではないと明記しています。公的な証明かどうかは、日の丸とひし形の数字が組み合わさった形式かで判断します。

黒ずんでいますが、磨いてから出したほうがよいですか

磨かずにお持ちいただくのがおすすめです。変色は銀に起こる自然な現象で、変色があっても査定を受け付けている事業者が多く見られます。銀めっき品を強く磨くと下地が露出することがあり、かえって状態を損ねます。

銀めっきの食器は買取の対象になりませんか

事業者の方針によります。地金としての回収価値は見込みにくいものの、ブランド、シリーズ、セットの完成度によって評価される場合があります。対象品目を事前に確認してから相談するとよいでしょう。

カトラリーの重さから相場を計算できますか

銀無垢であれば、おおよその見当はつきます。品位別の1gあたり単価に総重量を掛けた金額が土台になります。ただし単価は日々変動し、加工代や状態も加味されるため、計算値はあくまで出発点として扱ってください。

まとめ

銀食器の買取相場は、品位別の1gあたり単価と重量から土台が決まり、ブランドやセットの完成度で上下します。2026年9月時点の参考単価はSv925で1gあたり334円、品目別ではカトラリーセットで30,000円~200,000円といった例が公開されています。刻印を拡大して記録し、磨かずにそのままお持ちいただければ、弊社で素材と重量を確認したうえで金額をご説明いたします。

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