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着物買取の電話勧誘が不安なときの対処法|押し買い対策

たとう紙に包んで保管された着物

着物を売ろうと考えていると、買取業者から突然の電話がかかってきて、不安を覚える方もいるのではないでしょうか。なかには、電話をきっかけに自宅へ入られ、着物以外の品まで強引に買い取られる「押し買い」の被害も報告されています。この記事では、着物買取の電話がかかってくる背景と、特定商取引法にもとづく訪問購入のルール、不安なときの対処法を整理します。

着物買取の電話がかかってくる背景

着物を売りたい人が増える一方で、突然の電話や訪問で品物を安く買い集める業者の存在も知られるようになりました。国民生活センターには、訪問購入をめぐるトラブルの相談が寄せられています。

こうした電話の多くは、「不要な着物や古い衣類を買い取ります」といった内容で始まります。着物の査定を口実に自宅へ上がり込み、その場で貴金属など別の品物の売却を迫る手口が問題視されてきました。着物の査定を頼んだだけのつもりが、想定しない取引につながる場合があります。

電話の段階では買取の話が中心でも、実際には自宅への訪問へと進む場合があります。「近くまで来ているので査定に伺います」といった形で訪問を持ちかけられ、その場の勧誘に発展することもあります。訪問を承諾する前に、本当に依頼したい取引なのかを確かめておくと安心です。

自宅に来た業者に品物を渡してしまうと、あとから取り戻すのは簡単ではありません。とくに貴金属は、買い取られたあとに転売や加工が進みやすく、回復が難しいと国民生活センターは説明しています。まずは、電話の相手がどのような取引を持ちかけているのかを落ち着いて見きわめることが、被害を避ける出発点になります。

参考:国民生活センター 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

「押し買い」と訪問購入の違い

電話や訪問をきっかけに、事業者が消費者の自宅で品物を買い取る取引は、特定商取引法で「訪問購入」と呼ばれています。この訪問購入のうち、強引に品物を買い取ろうとする悪質な行為が、いわゆる「押し買い」です。

押し買いの被害が相次いだことを受けて、2013年に特定商取引法へ訪問購入の規制が加わりました。事業者が守るべきルールが定められ、消費者が取引をやめられるしくみも整えられています。着物や貴金属は、この訪問購入の規制の対象に含まれます。

一方で、訪問購入の規制には対象外となる品物もあります。自動車や大型の家電、家具、書籍、有価証券、CD・DVD・ゲームソフトなどの記録媒体は、政令で適用除外とされています。着物はこれらに含まれないため、後述するクーリング・オフなどのルールが適用されます。

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

参考:消費者庁 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律の概要について(訪問購入規制の導入)

訪問購入には特定商取引法のルールがあります

訪問購入では、事業者に守るべき義務が課され、消費者を守るためのルールが定められています。主な内容を整理すると、次の表のとおりです。

ルール 内容 根拠
不招請勧誘の禁止 依頼していない消費者の自宅などでの買取勧誘を禁止 法第58条の6第1項
氏名等の明示 勧誘に先立ち、事業者名・目的・買い取る物品の種類を告げる 法第58条の5
再勧誘の禁止 断った相手への勧誘の継続と、あらためての勧誘を禁止 法第58条の6
書面の交付 申し込み時と契約時に、所定の事項を記した書面を渡す 法第58条の7・第58条の8
クーリング・オフ 書面を受け取った日から8日以内は無条件で解約できる 法第58条の14
引き渡しの拒絶 クーリング・オフ期間中は物品の引き渡しを拒める 法第58条の15

とくに知っておきたいのが、不招請勧誘の禁止です。消費者から要請を受けていないのに、事業者が自宅を訪ねて買取の勧誘をする行為は禁止されています。着物の査定だけを頼んだ場合でも、査定を超えて売却を勧める行為は、法に抵触すると消費者庁は説明しています。

事業者は勧誘の前に、会社名や訪問の目的、買い取ろうとする物品の種類を告げる義務があります。消費者が「売るつもりはない」と断った場合、その場で勧誘を続けることも、あらためて勧誘することも認められていません。事実と違うことを告げたり、相手を威迫して困らせたりする行為も禁止されています。

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

不安な電話への対処法

知らない番号から着物買取の電話がかかってきたときは、あわてて話を進めず、いったん落ち着いて対応するとよいでしょう。売るかどうかを決めていない段階では、その場で訪問の約束をしない対応が安心につながります。

会社名や電話番号、所在地をたずねて記録しておくと、後々の確認に役立ちます。相手が社名や連絡先をはっきり答えない場合や、返答があいまいな場合は、取引を見送るという判断もできます。売る意思がなければ、その旨を伝えて電話を終える方法があります。

電話や訪問のときに確認しておきたい点は、次のとおりです。

  • 事業者の名称、所在地、電話番号
  • 訪問の目的と、買い取ろうとしている物品の種類
  • 査定にかかる費用の有無と、キャンセルできるかどうか
  • 当日に交付される書面の内容

これらを控えておくと、あとで内容を見直したり、相談窓口に伝えたりするときに役立ちます。返答をはぐらかされたり、その場での決断を急がされたりする場合は、いったん保留にする対応も選べます。

訪問を受け入れる場合でも、査定を頼んだ品物と、買い取ってもらう品物を分けて考えることがおすすめです。着物の査定を依頼しただけであれば、貴金属など別の品物の売却を求められても応じる必要はありません。国民生活センターは、不適切な勧誘があったときは、その場で品物を渡さないよう呼びかけています。

判断に迷ったときや、強引な勧誘を受けて困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると、身近な消費生活センターの窓口を案内してもらえます。ひとりで抱え込まず、公的な相談先を利用する方法があります。

参考:国民生活センター 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

契約してしまったときのクーリング・オフ

その場の流れで売る約束をしてしまっても、訪問購入にはクーリング・オフの制度があります。法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解約できます。解約は書面または電磁的記録で伝える方法がとられます。

クーリング・オフの期間中は、事業者に対して品物の引き渡しを拒めます。契約を結んだあとでも、8日間は着物や貴金属を手元にとどめておけるため、渡すかどうかを落ち着いて考える時間があります。品物を渡してしまうと取り戻すのが難しくなるため、期間中は引き渡しを控えるという選択もできます。

クーリング・オフの8日間は、法律で定められた書面を受け取った時点から数え始めます。書面が渡されていない場合や、記載に不備がある場合は、期間が始まらないと考えられています。受け取った書面は、解約の起点になる記録として保管しておくとよいでしょう。

すでに品物が事業者から第三者へ渡っている場合、事業者は消費者へその事実を通知する義務を負います。仕組みは整えられていますが、渡ったあとの回復には手間がかかります。書面を受け取ったら、記載内容と解約できる期限を確認しておくと安心です。

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

参考:国民生活センター 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには

安心して着物を売るために確認したいこと

着物を売りたいときは、自分から信頼できる業者を選んで申し込む方法が安心につながります。突然の電話や訪問に応じるのではなく、事前に評判や実績を調べたうえで依頼先を決めると、落ち着いて取引を進められます。

依頼する前には、事業者の名称や所在地、連絡先が公開されているかを確かめておくとよいでしょう。査定の方法や、査定額に納得できなかったときにキャンセルできるかどうかも、あらかじめ確認しておきたい点です。訪問での買取を選ぶ場合は、当日に交付される書面の内容にも目を通しておくと安心です。

査定額は、着物の種類や状態、証紙の有無などによって変わります。金額の根拠をたずねたときに、ていねいに説明してくれるかどうかも、依頼先を見きわめる手がかりになります。急かされずに検討できる相手であれば、落ち着いて取引を進めやすくなります。

電話や訪問以外にも、店舗へ持ち込む方法や、宅配で送る方法など、着物の売り方にはいくつかの選択肢があります。自分の都合に合う方法を選べると、急かされずに取引を進めやすくなります。複数の方法を比べたうえで、納得できる依頼先を決めるとよいでしょう。

高齢の家族が一人で暮らしている場合は、家族からも声をかけておくと安心です。突然の電話や訪問に不安を感じたら、ひとりで判断せず家族に相談するよう、日ごろから話しておくとよいでしょう。身近な人の見守りが、思わぬ被害を防ぐ助けになります。

参考:国民生活センター 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

よくある質問

着物買取の電話には出ないほうがよいですか。

電話に出ること自体に問題はありません。売るかどうかを決めていない段階では、その場で訪問の約束をせず、会社名や連絡先を確認して記録しておくと安心です。売る意思がなければ、その旨を伝えて電話を終える方法があります。

査定だけのつもりが買取を勧められたら、応じないといけませんか。

応じる必要はありません。訪問購入では、依頼していない勧誘は禁止されており、査定を頼んだだけの場合に売却を強く勧める行為は法に抵触します。断った相手への再勧誘も認められていないため、はっきり断って差し支えありません。

その場で売る約束をしてしまいました。取り消せますか。

訪問購入にはクーリング・オフの制度があります。法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解約できます。解約は書面または電磁的記録で伝えます。

貴金属を渡したあとでもクーリング・オフできますか。

クーリング・オフの期間内であれば解約の対象になります。ただし、渡した品物の回復には手間がかかるため、期間中は引き渡しを控える方法があります。困ったときは消費者ホットライン「188」に相談する方法もあります。

高齢の親が心配です。何に気をつければよいですか。

突然の電話や訪問に一人で応じないよう、日ごろから声をかけておくとよいでしょう。不審に感じたら家族に相談するよう伝えておくと、思わぬ取引を防ぐ助けになります。困ったときの相談先として消費者ホットライン「188」を共有しておく方法もあります。

参考:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問購入

参考:国民生活センター 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには

まとめ

着物買取の電話には、査定を口実に別の品物の売却を迫る押し買いのような手口も報告されています。訪問購入には特定商取引法のルールがあり、依頼していない勧誘の禁止や、8日以内のクーリング・オフといったしくみで消費者が守られています。不安なときは、その場で品物を渡さず、消費者ホットライン「188」に相談する方法があります。

大切な着物を安心して手放すには、突然の電話に応じるよりも、自分から信頼できる業者を選んで申し込む方法がおすすめです。当店では、査定の内容や金額の根拠をていねいにご説明し、ご納得いただいたうえで買取を進めています。着物の売却をお考えの際は、まずはお気軽にご相談ください。