その他買取

貿易銀の重さは約27.2g|直径・品位と1円銀貨との違いを解説

明治の竜銀貨

貿易銀の重さがどのくらいなのか、正確な数値を知りたい方もいるのではないでしょうか。貿易銀は、明治8年から明治10年にかけて貿易の決済用に発行された、日本の銀貨です。この記事では、日本銀行金融研究所貨幣博物館などの資料をもとに、貿易銀の重さ・直径・品位を整理します。あわせて1円銀貨との違いや、贋作が多いとされる点、買取相場の目安までをくわしく解説します。

貿易銀とは|貿易決済のために発行された銀貨

貿易銀は、明治初期に国際貿易の決済で使うことを目的として発行された銀貨です。まずは、その成り立ちを整理します。

開国後の日本では、海外との貿易の決済にメキシコドルなどの外国の銀貨が広く使われていました。これに対応するため、日本も国際的に通用する銀貨を用意する必要がありました。こうした流れのなかで発行されたのが、貿易専用の1円銀貨です。

明治8年には、それまでの貿易一円銀の量目を増やし、裏面に「貿易銀」の文字を刻んだ貨幣が発行されました。表面には龍が描かれ、周囲には英字で「TRADE DOLLAR」と刻まれています。発行は明治8年から明治10年までの3年間にとどまり、明治11年には再び「一圓」と記す一円銀貨の形式へ戻りました。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

貿易銀の重さ・直径・品位【基本データ】

貿易銀の重さや大きさは、日本銀行金融研究所貨幣博物館の資料で確認できます。基本データを表に整理します。

項目 数値・内容
発行年 明治8〜10年(1875〜1877年)
量目(重さ) 約27.2g
品位(銀の純度) 銀900(銀90%・銅10%)
直径 約37.6mm
表面のデザイン
裏面のデザイン 「貿易銀」の文字
側面 ギザ(刻み)あり

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

貿易銀の重さは、日本銀行金融研究所貨幣博物館の資料で約27.2gとされています。品位は銀900で、銀が90%、銅が10%の割合です。直径は同資料で約37.6mmと記されていますが、古銭の資料によっては約38.6mmと記載される場合もあります。

貨幣そのものの縁には、重さを表す「420 GRAINS」、品位を表す「900 FINE」、貿易用であることを示す「TRADE DOLLAR」の文字が刻まれています。420グレインは、グラムに換算すると約27.2gにあたります。重さの数値と縁の刻印が対応している点が、貿易銀の特徴のひとつです。

参考:「価値の高い貿易銀は何年造?」|古銭買取専門店アンティーリンク

重さが「420グレイン」に増やされた理由

貿易銀の量目は、それ以前の貿易一円銀より少し重くなっています。この背景を整理します。

明治7年に制定された貿易一円銀の量目は、416グレイン(約27g)でした。明治8年には、これを4グレイン増やして420グレイン(約27.2g)とし、名称も「貿易銀」に改めています。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

量目を増やした背景には、海外で流通していた各国の貿易銀と重さをそろえ、国際的に使いやすくするねらいがあったと考えられます。約0.2gという差ではありますが、これが貿易銀と1円銀貨を見分けるうえでの手がかりのひとつになっています。

貿易銀と1円銀貨の違い

貿易銀と1円銀貨(貿易一円銀)は、よく似た銀貨です。混同しやすいため、違いを整理します。

項目 貿易銀 1円銀貨(貿易一円銀)
量目(重さ) 約27.2g(420グレイン) 約27g(416グレイン)
品位 銀900(銀90%・銅10%) 銀900(銀90%・銅10%)
直径 約37.6mm 約37.6mm
裏面の文字 「貿易銀」 「一圓」
発行年 明治8〜10年 明治7年・明治11年以降

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

大きな違いは、量目と裏面の文字です。貿易銀の重さは約27.2gで、1円銀貨の約27gよりわずかに重くなっています。裏面の文字も、貿易銀は「貿易銀」、1円銀貨は「一圓」と異なります。

品位と直径はどちらも同じです。そのため、手元の銀貨がどちらなのかを見分けるときは、裏面の文字と重さを確認するとよいでしょう。発行年でみると、貿易銀は明治8年から明治10年の3年間に限られる点も、判断の材料になります。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

貿易銀の発行年と年代別の特徴

貿易銀は、明治8年・明治9年・明治10年の3種類に分かれます。それぞれの特徴を整理します。

明治8年は、貿易銀として最初に発行された年です。裏面に「貿易銀」と刻んだ形式は、この年から始まりました。最初の年ということもあり、収集の対象として注目されやすい傾向があります。

明治9年は、3年のなかでは比較的発行数が多いとされる年です。状態のよいものは、収集の対象として一定の評価を受けています。

参考:「貿易銀の買取相場紹介」|買取福ちゃん

明治10年は、貿易銀として最後に発行された年です。翌年の明治11年からは一円銀貨の形式へ戻ったため、貿易銀としてはこの年が区切りになります。貿易銀は3年間の発行にとどまったことから、現存する数は限られるとされています。古銭の資料では、3年分を合わせた発行枚数を全体で約300万枚とする目安もあります。

参考:「明治に発行された貿易銀の価値と買取価格」|日本コイン古銭情報館

細かなデザインの違いによる分類

貿易銀は、龍の図柄などの細かな違いによって、収集家の間でいくつかに分類される場合があります。代表的な分類を整理します。

ひとつは、葉脈が同じ起点から放射状に広がる「長支脈」です。次に、支脈の根元がわずかにずれている「短支脈」があります。さらに、中央の支脈がなく、左右が対称に配置された「対称脈」も知られています。

参考:「貿易銀の買取相場紹介」|買取福ちゃん

こうした違いは細かく、見分けには経験が求められます。分類によって評価が変わる場合もあるため、気になるときは専門店で確認してもらうと判断につなげやすくなります。

贋作(偽物)が多い点と見分け方

貿易銀は、贋作(偽物)が出回っているとされる銀貨です。手元のものを確かめるときの手がかりを整理します。

まず、重さを確認します。本物の重さは約27.2gが基準とされ、古銭の資料ではおおむね27.05g〜27.22gの範囲とされています。この範囲から明らかに軽いものは、贋作の可能性があります。

参考:「価値の高い貿易銀は何年造?」|古銭買取専門店アンティーリンク

次に、側面のギザを見ます。本物のギザは、深さがそろっていて、おおむね等間隔に刻まれているとされています。溝が浅かったり、間隔が不均一だったりするものは、注意が必要です。文字の刻印も手がかりで、本物はトメやハネの角がはっきりしているのに対し、贋作は文字が太く潰れる傾向があるとされています。

厚さも手がかりのひとつです。古銭の資料では、厚さが3mmを超えるものは贋作の可能性が高いとされています。重さと厚さをあわせて確認すると、判断の材料が増えます。

参考:「貿易銀の買取相場紹介」|買取福ちゃん

さらに、シークレットマークと呼ばれる細かな特徴もあります。裏面の菊紋から時計回りに数えて8本目の馬の歯が細くなっているのが、本物の特徴とされています。

参考:「価値の高い貿易銀は何年造?」|古銭買取専門店アンティーリンク

こうした見分け方はあくまで目安です。判断が難しいときは、古銭を専門に扱う店で見てもらうのがひとつの方法です。

試鋳貨幣(パターン貨)について

貿易銀には、正式な発行に先立って試験的に作られた試鋳貨幣(パターン貨)も存在します。明治7年銘のものなどが知られており、数が極めて限られるため、収集の対象として高い評価を受ける場合があります。

参考:「貿易銀の買取相場紹介」|買取福ちゃん

試鋳貨幣は通常の貿易銀とは扱いが異なり、専門的な鑑定が求められます。手元のものが試鋳貨幣かどうか気になる場合は、専門店で確認してもらうと判断につなげやすくなります。

貿易銀の買取相場の目安【2026年7月時点】

貿易銀の買取価格の目安を整理します。以下は複数の古銭買取業者が公開している情報をもとにした集計目安で、2026年7月時点のものです。公的に定められた定価ではなく、状態や時期によって変わります。

発行年 買取価格の目安
明治8年(1875年) 美品〜未使用でおよそ6万5,000円〜21万円
明治9年(1876年) 美品〜未使用でおよそ6万円〜20万円
明治10年(1877年) 美品〜未使用でおよそ7万5,000円〜22万円
補修のある修正品 おおむね1万6,000円〜2万円

参考:「価値の高い貿易銀は何年造?」 https://antylink.jp/shingan/17211/ 、買取福ちゃん「貿易銀の買取相場紹介」|古銭買取専門店アンティーリンク

買取価格は、状態によって大きく変わります。傷や汚れが少なく、未使用に近いものほど、高い評価につながりやすい傾向があります。逆に、補修や研磨の跡があるものは、評価が下がる場合があります。

状態の特によいものや、発行の背景に特徴があるものは、目安を上回ることもあります。あわせて、試鋳貨幣のように数が限られるものは、通常の貿易銀とは別の水準で評価される場合があります。いずれも時期や需要によって変わるため、あくまで目安として見るのがおすすめです。

参考:「明治に発行された貿易銀の価値と買取価格」|日本コイン古銭情報館

貿易銀を手放すときの注意点

貿易銀を手放すときには、いくつか気をつけたい点があります。整理しておきましょう。

まず、汚れを無理に落とそうとしないことです。銀貨は研磨や洗浄によって表面に傷がつき、評価が下がる場合があります。汚れが気になっても、こすらずにそのままの状態で見てもらうのがおすすめです。

次に、贋作かどうかの判断が難しい点です。貿易銀は贋作が出回っているとされるため、重さや側面だけで判断しきれないこともあります。古銭を専門に扱う店で査定を受けると、本物かどうかや状態を踏まえて見てもらいやすくなります。

売り先としては、古銭を専門に扱う買取店のほか、コレクター向けのフリマアプリなどもあります。専門店は年代や状態を踏まえて見てもらいやすく、フリマは欲しい人へ直接届けられる利点があります。複数の見積もりを比べると、納得して手放しやすくなります。貿易銀の価値が気になる場合は、古銭の買取に対応した専門店で査定を受けてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

貿易銀の重さはどのくらいですか。

日本銀行金融研究所貨幣博物館の資料では、約27.2gとされています。貨幣の縁には重さを表す「420 GRAINS」の文字が刻まれており、これが約27.2gにあたります。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

貿易銀の品位(銀の純度)はどのくらいですか。

品位は銀900で、銀が90%、銅が10%の割合です。貨幣の縁には品位を表す「900 FINE」の文字が刻まれています。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

貿易銀と1円銀貨はどう見分けますか。

裏面の文字と重さが手がかりになります。貿易銀は裏面が「貿易銀」で重さが約27.2g、1円銀貨は裏面が「一圓」で重さが約27gです。発行年では、貿易銀は明治8〜10年の3年間に限られます。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

貿易銀に偽物はありますか。

贋作が出回っているとされています。重さが基準の約27.2gから明らかに軽いものや、側面のギザが不均一なもの、文字が太く潰れているものは注意が必要です。判断が難しいときは専門店で見てもらうとよいでしょう。

参考:「価値の高い貿易銀は何年造?」|古銭買取専門店アンティーリンク

貿易銀はいつ発行されましたか。

明治8年から明治10年(1875〜1877年)までの3年間に発行されました。明治11年からは、再び「一圓」と記す一円銀貨の形式へ戻っています。

参考:「明治以降の貨幣(2022年8月現在)」|日本銀行金融研究所 貨幣博物館

まとめ

貿易銀は、明治8年から明治10年に貿易の決済用として発行された銀貨で、重さは約27.2g、品位は銀900、直径は約37.6mmとされています。量目は貿易一円銀の416グレインから420グレインへ増やされ、裏面には「貿易銀」の文字が刻まれています。1円銀貨とは重さと裏面の文字で見分けられ、贋作が出回っているとされる点にも注意が必要です。手元の貿易銀の価値や真贋が気になる場合は、まず重さや裏面の文字を確認し、古銭の買取に対応した専門店で査定を受けてみてはいかがでしょうか。