札幌オリンピック記念硬貨|100円白銅貨の価値と発行枚数
引き出しの奥から出てきた札幌オリンピックの記念硬貨について、どんな硬貨なのか、いまどのくらいの価値があるのかを知りたい方に向けた記事です。造幣局と財務省が公表しているデータをもとに、発行年・発行枚数・素材・寸法といった基本情報を整理し、額面どおりの評価になりやすい理由まで正直にまとめます。
札幌オリンピック記念硬貨は100円白銅貨の1種類
1972(昭和47)年の札幌オリンピックに合わせて発行された記念貨幣は、「札幌オリンピック記念100円白銅貨幣」の1種類です。金貨や銀貨は発行されていません。
参考:「記念貨幣一覧」|造幣局
大会そのものは、アジア初の冬季オリンピックとして1972(昭和47)年2月3日から13日まで開催された「第11回冬季オリンピック札幌大会」です。参加国は35、実施競技は6競技でした。
参考:「『札幌オリンピック』の遺産が伝える近代都市への歩み」|札幌市
記念貨幣の発行は、国家的な記念事業として閣議の決定を経て行われます。現在の「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」では、記念貨幣として1万円・5千円・千円の3種類を追加で発行できると定められており、発行枚数は記念貨幣ごとに政令で決められます。札幌大会の記念貨幣は、この法律ができる前に、通常の100円硬貨と同じ額面で発行されたものです。
参考:「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」|e-Gov法令検索
札幌オリンピック記念100円硬貨の基本データ
造幣局と財務省が公表している仕様は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 札幌オリンピック記念100円白銅貨幣 |
| 額面 | 100円 |
| 年銘(発行年) | 昭和47年 |
| 発行枚数 | 3,000万枚 |
| 素材 | 白銅 |
| 品位(千分中) | 銅750・ニッケル250 |
| 量目 | 12.0g |
| 直径 | 30.0mm |
| 図柄(表) | 聖火台 |
| 図柄(裏) | 五輪マーク、雪紋(初雪) |
参考:「記念貨幣一覧」|財務省
注目したいのは寸法です。同じ額面の通常の100円玉は直径22.6mm・量目4.8gですから、記念硬貨は直径で約1.3倍、重さで2.5倍あります。手に取ると明らかに大きく、厚みも感じられます。素材は通常の100円玉と同じ白銅(銅750・ニッケル250)で、金や銀は含まれていません。
参考:「通常貨幣一覧」|財務省
表面の聖火台は、開会式が行われた真駒内の競技場に設けられたものです。裏面には五輪マークと、初雪を表す雪紋が配されています。冬季大会にふさわしい図案で、大会の記憶を残す意匠になっています。
他の記念硬貨と並べて見る発行枚数
札幌大会の記念硬貨がどのくらいの規模で発行されたのかは、他の記念貨幣と並べると分かりやすくなります。
| 記念貨幣 | 年銘 | 額面・素材 | 発行枚数 |
|---|---|---|---|
| 東京オリンピック記念 | 昭和39年 | 1,000円 銀貨幣 | 1,500万枚 |
| 東京オリンピック記念 | 昭和39年 | 100円 銀貨幣 | 8,000万枚 |
| 日本万国博覧会記念 | 昭和45年 | 100円 白銅貨幣 | 4,000万枚 |
| 札幌オリンピック記念 | 昭和47年 | 100円 白銅貨幣 | 3,000万枚 |
| 長野オリンピック冬季競技大会記念(第1次) | 平成9年 | 10,000円 金貨幣 | 5万5,000枚 |
| 長野オリンピック冬季競技大会記念(第1次) | 平成9年 | 5,000円 銀貨幣 | 500万枚 |
| 長野オリンピック冬季競技大会記念(第1次) | 平成9年 | 500円 白銅貨幣 | 2,000万枚 |
参考:「記念貨幣一覧」|造幣局
3,000万枚は、昭和39年の東京オリンピック記念100円銀貨(8,000万枚)よりは少なく、昭和45年の万博記念100円白銅貨(4,000万枚)より少し少ない水準です。一方、長野オリンピック記念1万円金貨が5万5,000枚であることと比べると、桁が3つ以上違います。
つまり札幌大会の記念硬貨は、「記念貨幣のなかでは大量に発行された部類」に入ります。
額面どおりの評価になりやすい3つの理由
札幌オリンピック記念100円硬貨は、買取に出しても額面の100円前後にとどまることが少なくありません。理由は3つに整理できます。
ひとつめは発行枚数です。3,000万枚は、収集家の需要に対して十分に多い数量です。発行から50年以上たったいまでも、家庭に保管されているものが相当数あるとみられ、市場に出てくる量が安定しています。
ふたつめは素材です。白銅は銅とニッケルの合金で、金や銀のような貴金属ではありません。銀貨や金貨の記念硬貨には「地金としての価値」が下支えとしてありますが、白銅貨にはそれがありません。長野オリンピックの1万円金貨や5,000円銀貨と評価の考え方が違うのは、この点が大きく影響しています。
みっつめは保存状態です。記念硬貨といっても額面100円の法定通貨として発行されたものなので、当時は普通に使われた個体も少なくありません。手に取られる機会が多かったぶん、傷・くもり・指紋の跡がついたものが多く残っています。
参考:「記念貨幣一覧」|造幣局
この3点から、「札幌オリンピックの記念硬貨だから高い」とは言いにくいのが実際のところです。額面どおりのものと額面を超えるものの違いという観点でも、前者に入る硬貨です。ただし、後述するように状態や付属品によって評価が変わる余地はあります。
価値が変わる要素と、手元の硬貨の確かめ方
評価が分かれるのは、主に保存状態です。おおまかな目安として、次のように分けて考えると整理しやすくなります。
| 状態の目安 | 見た目の特徴 |
|---|---|
| 未使用に近い | 光沢が残り、面に傷や擦れがほとんどない |
| 並品 | 全体にくもりや細かな擦れがあるが、図案は鮮明 |
| 傷み | 深い傷・強い変色・汚れの固着があり、図案の一部が不鮮明 |
未使用に近いもの、当時のケースや台紙が残っているもの、複数枚がまとまっているものは、査定で評価が変わることがあります。反対に、深い傷や強い変色があるものは額面に近い扱いになりやすくなります。
なお、造幣局が販売した記念貨幣セットの一覧を見ると、最も古いものは昭和62年度のものです。札幌大会の記念硬貨について、造幣局が販売したセットは一覧に掲載されていません。「札幌オリンピックの公式セット」として売られているものを見かけた場合は、造幣局が販売したものかどうかを確かめるのが安全です。
手元の硬貨を確認するときは、直径30.0mm・量目12.0gという数字が手がかりになります。定規で直径を測り、キッチンスケールで重さを量れば、おおよその判別ができます。表に聖火台、裏に五輪マークと雪紋があり、年銘が昭和47年であれば札幌大会の記念硬貨です。
洗ったり磨いたりすると表面に細かい傷が入り、評価が下がることがあります。汚れが気になっても、見つけた状態のままにしておくほうが無難です。
手放すときに知っておきたいこと
札幌オリンピック記念100円硬貨は、現在も100円として使える貨幣です。現行の通貨法は、法律の施行前に発行された臨時補助貨幣をこの法律による貨幣とみなすと附則で定めており、昭和47年に発行された記念硬貨もその対象に含まれます。ただし同法第7条により、貨幣が法貨として通用するのは額面価格の20倍まで、つまり同じ額面につき20枚までとされています。
参考:「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」|e-Gov法令検索
参考:「お金には使用できる枚数の制限があるのですか」|財務省
買取価格は業者・時期・保存状態によって変わりますが、買取店が公開している目安は次のとおりです。2026年9月時点の調査です。
| 品目 | 状態 | 買取価格の目安 |
|---|---|---|
| 札幌オリンピック記念100円白銅貨 | 状態が良好なもの | 100円〜300円程度 |
| 札幌オリンピック記念100円白銅貨 | 傷や変色があるもの | 額面と大きく変わらない |
| (参考)東京オリンピック記念1,000円銀貨 | 美品 | 1,000円〜3,000円程度 |
| (参考)東京オリンピック記念100円銀貨 | 美品 | 300円〜800円程度 |
同じオリンピック記念でも、銀貨である昭和39年の東京大会の100円硬貨とは水準が分かれます。白銅貨に地金価値がないことが、そのまま金額の差になって表れている形です。上記は目安であり、この金額での買取を保証するものではありません。未使用に近いものや当時のケース付きのものは、これより上の評価になることがあります。実際の金額は、複数の業者で査定を受けて比べるのが確実です。
古銭や記念硬貨をまとめて持っている場合は、一緒に見てもらうと手間が減ります。札幌大会の記念硬貨単体では評価が伸びにくくても、他の記念貨幣や古い紙幣が含まれていれば、全体としての査定額は変わってきます。
よくある質問
札幌オリンピックの記念硬貨は何種類ありますか
造幣局の記念貨幣一覧では、昭和47年の「札幌オリンピック記念100円白銅貨幣」の1種類だけが掲載されています。金貨や銀貨は発行されていません。
発行枚数はどのくらいですか
3,000万枚です。昭和45年の日本万国博覧会記念100円白銅貨幣(4,000万枚)より少なく、昭和39年の東京オリンピック記念100円銀貨幣(8,000万枚)と比べると半分以下ですが、記念貨幣としては多い部類に入ります。
銀は含まれていますか
含まれていません。素材は白銅で、品位は銅750・ニッケル250です。同じオリンピック記念でも、昭和39年の東京大会の100円・1,000円は銀貨幣で、素材が異なります。
通常の100円玉との見分け方は
大きさと重さで判別できます。記念硬貨は直径30.0mm・量目12.0g、通常の100円玉は直径22.6mm・量目4.8gです。並べれば一目で違いが分かります。
いま使うことはできますか
使えます。現在も100円として通用する貨幣です。ただし同じ額面につき20枚までという法律上の通用限度があります。
まとめ
札幌オリンピック記念硬貨は、昭和47年に発行された「札幌オリンピック記念100円白銅貨幣」の1種類です。発行枚数は3,000万枚、素材は白銅(銅750・ニッケル250)、量目12.0g、直径30.0mmで、表に聖火台、裏に五輪マークと雪紋が描かれています。
発行枚数が多いこと、貴金属を含まないこと、使用された個体が多いことから、買取では額面前後の評価になりやすい硬貨です。買取店が公開している2026年9月時点の目安でも、状態が良好なもので100円から300円程度とされています。過度な期待をせずに臨むほうが、結果として納得のいく手放し方につながります。
一方で、未使用に近いものや当時のケースが残っているものは評価が変わる余地があります。磨かずそのままの状態で、他の古銭とまとめて複数の業者に見てもらうのが、現実的な進め方です。