エリザベスコインの価値|買取相場と地金価値の見方
エリザベス2世の肖像が入ったコインを持っていて、いくらの価値があるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。エリザベスコインの価値は、含まれる金の量で決まる地金価値と、希少性で決まるコレクター価値に分けて考えると整理しやすくなります。そこでこの記事では、額面ごとの買取価格の目安と、The Royal Mint(英国王立造幣局)が公表する仕様、価値の見方をまとめます。
エリザベスコインの買取価格の目安
はじめに、金額の目安から確認します。エリザベスコインとして流通量が多いのは、The Royal Mintのソブリン金貨です。次の表は、貴金属買取業者が公表している額面別の買取価格を、2026年9月時点の調査でまとめたものです。
| 額面 | 品位 | 買取価格の目安 |
|---|---|---|
| 5ポンド(クインタプル・ソブリン) | K22 | 869,899円 |
| 2ポンド(ダブル・ソブリン) | K22 | 346,651円 |
| 1ポンド(ソブリン) | K22 | 172,235円 |
| 1/2ポンド(ハーフ・ソブリン) | K22 | 85,027円 |
参考:「イギリス ソブリン・エリザベス2世 5ポンド K22の買取価格」|リファスタ
参考:「イギリス ソブリン・エリザベス2世 2ポンド K22の買取価格」|リファスタ
参考:「イギリス ソブリン・エリザベス2世 1ポンド K22の買取価格」|リファスタ
参考:「イギリス ソブリン・エリザベス2世 1/2ポンド K22の買取価格」|リファスタ
この金額は目安です。額面が2倍になれば価格もおよそ2倍になっていることから分かるとおり、地金型のソブリン金貨の買取価格は、含まれる金の重さで決まっています。同じ業者が公表している2026年9月2日時点の金の国内公表価格は1gあたり24,832円でした。金相場が動けば、この表の数字も動きます。
参考:「本日の金買取価格や売却額シミュレーションツールと相場チャート」|リファスタ
つまり、手元のエリザベスコインの価値を知りたいときは、まず何gの金が含まれているかを確認するのが出発点になります。プルーフ仕上げや限定発行のコインは、ここにコレクター価値が上乗せされます。
エリザベスコインとは|エリザベス2世の肖像が入ったコイン
エリザベスコインは、エリザベス2世の肖像が刻まれたコインの総称として使われている呼び方です。正式な貨種名ではなく、日本の買取市場で慣用的に用いられている表現といえます。
The Royal Mintによれば、エリザベス2世は1926年4月21日に生まれ、1952年に25歳で王位を継承しました。在位は1952年から2022年までのおよそ70年におよび、英国史上もっとも在位期間の長い君主とされています。The Royal Mintは、その治世に発行されたすべての英国コインを製造してきました。
参考:「Queen Elizabeth II」|The Royal Mint
在位期間が長いため、エリザベス2世の肖像が入ったコインは種類も発行年も多くなります。「エリザベスコインだから価値が高い」とひとくくりにはできず、どの貨種か、素材は何かを個別に確認する必要があります。
エリザベス2世の肖像は5種類
エリザベス2世の英国コインの肖像(コイネージ・ポートレート)は、在位中に5回変わっています。The Royal Mintはこの5種類を正式な肖像と呼び、治世の公式な記録として位置づけています。
| 代 | 制作者 | 登場年 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 第1肖像 | Mary Gillick | 1953年 | 王冠をかぶらず、古典的な様式で月桂冠をつけた若い姿 |
| 第2肖像 | Arnold Machin RA | 1968年 | 十進法導入に向けて制作 |
| 第3肖像 | Raphael Maklouf | 1985年 | 女王が2度の実物制作に応じた |
| 第4肖像 | Ian Rank-Broadley FRBS | 1998年 | 成熟した姿を写実的に表現 |
| 第5肖像 | Jody Clark | 2015年 | 戴冠式のロイヤル・ダイヤモンド・ダイアデムを着用 |
参考:「The Coinage Portraits of Her Late Majesty Queen Elizabeth II」|The Royal Mint
第1肖像は、戴冠式の年である1953年に登場しました。1952年に17名の彫刻家が招かれてデザインを提出し、Mary Gillickの案が選ばれています。
第5肖像は2015年に登場しました。制作したJody ClarkはThe Royal Mintの専属デザイナーで、1902年以来はじめて造幣局内のデザイナーが正式肖像を手がけた例とされています。
手元のコインがどの時期のものかを見分けるうえで、この5種類は手がかりになります。発行年が刻まれていれば、その年に対応する肖像が使われているかどうかを確認できます。
2022年以降はチャールズ3世の肖像に切り替わった
The Royal Mintによれば、エリザベス2世は2022年9月8日に逝去し、チャールズ3世が即位しました。チャールズ3世の正式なコイネージ・ポートレートは、彫刻家Martin Jenningsが制作しています。
参考:「His Majesty The King’s Official Coinage Portrait」|The Royal Mint
今後、エリザベス2世の肖像を用いた新しい英国コインが発行されることは基本的にありません。既存のものが増えることはない、という状態になります。
ただし、これがそのまま価値の上昇を意味するわけではありません。在位は約70年におよび、その間に発行されたコインの総数は膨大です。希少性を理由に評価が上がるかどうかは、貨種ごとの発行枚数と需要によって変わります。
代表的なエリザベスコインの仕様
エリザベスコインとしてよく取引されるのが、ソブリン金貨とブリタニア金貨・銀貨です。仕様は次のとおりです。
| コイン | 額面表記 | 品位 | 量目 | 直径 |
|---|---|---|---|---|
| クインタプル・ソブリン | 5ソブリン | 916.7(22カラット) | 39.9g | 36.00mm |
| ダブル・ソブリン | 2ソブリン | 916.7(22カラット) | 15.98g | 28.40mm |
| ソブリン | ソブリン | 916.7(22カラット) | 7.98g | 22.05mm |
| ハーフ・ソブリン | 1/2ソブリン | 916.7(22カラット) | 3.99g | 19.30mm |
| クォーター・ソブリン | 1/4ソブリン | 916.7(22カラット) | 2g | 13.50mm |
| ブリタニア金貨 1オンス | 100ポンド | 999.9 | 1トロイオンス | 32.69mm |
| ブリタニア銀貨 1オンス | 2ポンド | 999 | 1トロイオンス | 38.61mm |
参考:「Gold Sovereign Sizes and Weights」|The Royal Mint
1ソブリンの純金含有量は0.235トロイオンスです。量目7.98gに品位916.7を掛けた値にあたり、金の含有量としてはおよそ7.32gになります。地金としての価値を考えるときは、この純金量が基準になります。
参考:「The Sovereign 2022 Gold Bullion Coin」|The Royal Mint
ブリタニア金貨は、1オンスタイプで額面100ポンド、品位999.9、直径32.69mmです。ブリタニア銀貨の1オンスタイプは額面2ポンド、品位999、直径38.61mmです。
参考:「Britannia 2025 1oz Gold Bullion Coin」|The Royal Mint
エリザベス2世の肖像は、カナダ、オーストラリア、マン島など英国以外のコインにも用いられてきました。発行国ごとに造幣局も仕様も異なるため、それぞれの公式仕様で確認するのがおすすめです。ほかの主要な金貨との比較は、金貨の価値一覧でも整理しています。
地金価値とコレクター価値の分け方
エリザベスコインの価値は、2つの要素に分けて考えると整理しやすくなります。
1つ目は地金価値です。ソブリン金貨であれば純金0.235トロイオンス、ブリタニア金貨1オンスであれば純金1トロイオンスという内容が確定しており、これに金相場を掛けた金額が地金としての水準になります。相場は日々変動するため、同じコインでも査定額は時期によって変わります。
地金価値は、実質的な下限の目安として働きます。金貨として取引される限り、地金の水準を大きく下回る評価にはなりにくいためです。逆にいえば、金相場が下がれば評価も下がります。
2つ目はコレクター価値です。発行枚数の少ない年号、プルーフ仕上げ、特定の記念テーマ、状態のよさといった要素が評価される部分で、地金価値に上乗せされます。この部分は需要に左右されるため、変動幅が大きくなります。
地金型のコイン(ブリオン・コイン)は、地金価値の比重が大きく、上乗せは限定的です。一方、限定発行の記念コインやプルーフ金貨は、コレクター価値の比重が高くなります。
The Royal Mint自身も、地金の価値は貴金属の市場価格によって上下し、過去の値動きが将来の値動きを保証するものではないと明記しています。
参考:「Gold Sovereign Bullion Coins」|The Royal Mint
買取で上乗せが付きやすい条件
そのうえで、地金価値に上乗せが生じやすい条件を整理します。
純度と量目が大きいこと
純金1トロイオンスのブリタニア金貨と、純金0.235トロイオンスのソブリン金貨では、含まれる金の量が4倍以上違います。まずは品位と量目を確認するのが基本です。銀貨の場合も、1オンス銀貨と分割サイズでは内容が変わります。
プルーフ仕上げであること
コインには、流通・投資向けのブリオン仕上げと、収集用のプルーフ仕上げがあります。プルーフは鏡面に磨いた特別な仕上げで、専用ケースや証明書が付属するのが一般的です。同じ貨種・同じ年号でも、プルーフのほうが評価が高くなる傾向があります。
発行枚数が限られていること
記念テーマのコインには、発行上限が設定されているものがあります。数千枚から数万枚といった規模のものは、市場に出る数が限られます。The Royal Mintの製品ページには発行上限が記載されていることが多く、該当するコインの公式ページで確認できます。地金型のコインでも、クルーガーランド金貨のプレミアのように、年号や仕様によって扱いが変わる例があります。
状態がよく、付属品がそろっていること
コインは表面に傷や指紋が付きやすく、いったん付くと元に戻りません。専用カプセルやケースに入ったまま保管されているものと、素手で扱われてきたものとでは評価が変わります。
証明書や外箱がそろっているかどうかも影響します。プルーフコインは付属品込みでひとつの製品として販売されているため、欠品があると評価が下がる傾向があります。
自分で磨かないこと
変色や曇りが気になっても、自分で磨くのは避けたほうがよいでしょう。金・銀は柔らかく、布で拭くだけでも微細な傷が付きます。研磨剤や薬品を使うと、表面の状態が損なわれ、かえって評価を下げてしまう可能性があります。
査定に出す前の確認手順
売る前に確認しておくと、話が早く進みます。
まず、コインの直径と量目を測ります。ソブリンであれば22.05mm・7.98g、ハーフ・ソブリンであれば19.30mm・3.99gが基準です。規格から大きく外れる場合は、真贋を含めて慎重に扱う必要があります。
次に、発行年と肖像を確認します。年号と肖像の組み合わせが公式の記録と合っているかどうかは、判断の材料になります。
そのうえで、ケースや証明書、外箱がそろっているかを確認します。カプセルに入っているものは、そのままの状態で持ち込むほうが安心です。取り出して素手で触ると、指紋が評価に影響することがあります。
最後に、複数枚ある場合は、地金型と記念・プルーフを分けておくと、見てもらう順序が整理されます。
よくある質問
エリザベスコインはいくらで買い取ってもらえますか
地金型のソブリン金貨であれば、貴金属買取業者が公表する2026年9月時点の価格で、1ポンド(ソブリン)が172,235円、1/2ポンドが85,027円、2ポンドが346,651円、5ポンドが869,899円が目安です。金相場に連動するため、時期によって金額は変わります。プルーフや限定発行のコインは、これに上乗せが付く場合があります。
エリザベスコインは今後値上がりしますか
断定はできません。金貨・銀貨の価値の大部分は地金価値であり、金・銀の相場に連動して上下します。コレクター価値の部分も、需要の増減で変わります。2022年に肖像がチャールズ3世へ切り替わりましたが、エリザベス2世の在位は約70年におよび、発行されたコインの総数は膨大です。肖像の交代だけを理由に値上がりを見込むのは避けたほうがよいでしょう。
ソブリン金貨の純金量はどのくらいですか
The Royal Mintによれば、1ソブリンは量目7.98g、品位916.7(22カラット)、純金含有量0.235トロイオンスです。金の量に換算するとおよそ7.32gになります。ハーフ・ソブリンは量目3.99g、ダブル・ソブリンは15.98g、クインタプル・ソブリンは39.9gで、いずれも品位は916.7です。
肖像を見ればコインの年代が分かりますか
おおよその年代は分かります。第1肖像は1953年、第2肖像は1968年、第3肖像は1985年、第4肖像は1998年、第5肖像は2015年に登場しました。ただし、記念コインには正式肖像とは別の肖像が使われることもあります。刻まれた年号とあわせて確認するのが確実です。
アクセサリーに加工されたコインでも買い取ってもらえますか
枠に入れてペンダントにしたコインは、コレクター価値の面では評価が下がる傾向があります。取り外しの際に傷が付くこともあるためです。一方、地金としての内容は変わらないため、金貨・銀貨としての評価は残ります。枠の素材が金であれば、その分も評価の対象になります。
まとめ
エリザベスコインの価値は、地金価値とコレクター価値に分けると判断しやすくなります。地金型のソブリン金貨は、2026年9月時点で1ポンドが172,235円、5ポンドが869,899円が目安とされ、金相場に連動します。プルーフや限定発行品は、ここに上乗せが付く場合があります。当社では品位と量目、付属品を確認したうえで金額をご提示しています。査定をご希望の方は、お気軽にご相談ください。