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ラクーンとはどんな動物か|タヌキとの違いを解説

様子をうかがうアライグマ(ラクーン)

「ラクーン」という名前を毛皮のタグや商品説明で見かけて、これがどんな動物なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。ラクーンは英語で書くとraccoonで、日本語ではアライグマを指します。名前のよく似た「ラクーンドッグ」や「フィンラクーン」はタヌキを指す別の動物で、ここが混同されやすい点です。この記事では、ラクーンという動物の生態や特徴、タヌキとの違い、そして毛皮としての扱いまでを、公的な情報にもとづいて整理します。

ラクーンとはアライグマのこと|生態と特徴

ラクーンは、英語のraccoonをそのままカタカナにした呼び方で、動物としてはアライグマを指します。環境省の資料では、アライグマは北アメリカを原産とする哺乳類とされています。分類上はアライグマ科アライグマ属に属し、学名はProcyon lotorです。

体の見た目で分かりやすいのは、目のまわりの黒い模様と、しま模様のある長い尾です。前足の指が長く、器用に物をつかめる点も知られています。名前の由来には、水辺で前足を使う様子が「洗う」しぐさに見えたことがあるとされ、日本語の「アライグマ」もここにつながります。

食性は雑食で、環境省の資料では、さまざまな動植物を幅広く食べるとされています。木登りが得意で行動範囲が広く、繁殖力が強いことも特徴として挙げられます。こうした性質は、後で触れる特定外来生物としての側面にも関わってきます。

日本にいるアライグマは、もともとペットとして持ち込まれた経緯があります。環境省によると、幼い個体はおとなしい一方、成長すると気性が荒くなって飼いにくくなり、野外に放されたものが野生化したとされています。かわいらしい見た目とは裏腹に、成獣は人になつきにくい動物という点が、飼育をめぐる問題の背景にありました。

参考:「アライグマとは一体何者」|環境省 北海道地方環境事務所

ラクーンとタヌキ(ラクーンドッグ)は別の動物

ラクーンと混同されやすいのが、タヌキです。タヌキは英語でraccoon dog(ラクーンドッグ)と呼ばれ、名前にraccoonが入っているため紛らわしいのですが、ラクーン(アライグマ)とは別の動物です。

両者は分類の段階から異なります。アライグマはアライグマ科、タヌキはイヌ科に属します。学名も、アライグマがProcyon lotor、タヌキがNyctereutes procyonoidesで、系統的には遠い関係にあります。見た目が似ていても、生物としては別のグループに分かれる動物です。

見分けの手がかりは、主に尾と前足、そして顔つきです。環境省の資料では、アライグマの尾にはしま模様があり、タヌキの尾は一様な色とされています。また、アライグマの前足は指が5本で長く、タヌキは4本指に見える点も違いとして挙げられます。顔については、アライグマは目の間から鼻にかけて黒い線が入るのが特徴です。

項目 ラクーン(アライグマ) タヌキ(ラクーンドッグ)
英語名 raccoon raccoon dog
分類 アライグマ科 イヌ科
学名 Procyon lotor Nyctereutes procyonoides
しま模様がある 一様な色
前足の指 5本で長い 4本に見える
目の間に黒い線が入る 目のまわりが黒い

参考:「アライグマとは一体何者」|環境省 北海道地方環境事務所

参考:「アライグマ防除の手引き」|環境省 自然環境局

「フィンラクーン」はラクーンではなくタヌキ

毛皮の分野でよく登場する「フィンラクーン」も、名前に反してラクーン(アライグマ)ではありません。フィンラクーンは、フィンランドなど北欧で養殖されたタヌキの毛皮を指す呼び名です。

つまり、フィンラクーンはイヌ科のタヌキの毛皮であり、アライグマ科のラクーンとは別種です。同じように、「チャイニーズラクーン」や「ロシアンラクーン」といった呼び方も、原産国名を付けたタヌキの毛皮を指します。名前にラクーンと付いていても、素材としてはタヌキであることがある点は、押さえておきたいところです。

なぜラクーンという言葉が付くのかというと、英語でタヌキをraccoon dogと呼ぶことに由来すると考えられます。このdogの部分が省かれて「ラクーン」として広まったことで、アライグマとの混同が生じてきました。毛皮のタグに「ラクーン」とだけあるときは、アライグマなのかタヌキなのか、原産国の表記もあわせて見ておくと判断しやすくなります。

参考:「毛皮の種類」|一般社団法人日本毛皮協会

毛皮の表示は2007年に整理された

タヌキとアライグマの混同については、過去に表示上の整理が行われています。一般社団法人日本毛皮協会によると、2007年に公正取引委員会が、売り場の表示が混乱しているとして指導を行いました。

指導の趣旨は、単に「ラクーン」「チャイニーズラクーン」などと表示すると、消費者がアライグマの毛皮と誤認するおそれがあるため、タヌキであることを明確にするというものです。許容される表示例として、「毛皮(タヌキ/チャイニーズラクーン)」や「タヌキ(チャイニーズラクーン)」のように、タヌキと原産国名を併記する形が示されました。

この整理を経て、比較的新しい商品では、タグにタヌキと明記されていることがあります。一方、2007年より前に購入した毛皮では、「ラクーン」とだけ書かれていても中身はタヌキ、という場合があります。手元の品の素材を確かめるときは、購入時期とタグの表記をあわせて見ておくとよいでしょう。

参考:「ラクーンの表記に関して」|一般社団法人日本毛皮協会

日本のアライグマは特定外来生物

動物としてのラクーン、つまりアライグマは、日本では特定外来生物に指定されています。環境省によると、アライグマは2005年(平成17年)の外来生物法の施行時に、第一次指定として特定外来生物に指定されました。

特定外来生物とは、海外を原産とする外来生物のうち、生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼす、またはそのおそれがあるものを指します。指定されると、飼育や保管、運搬、輸入、販売、野に放つといった行為が法律で規制されます。

アライグマが問題視される背景には、繁殖力の強さと雑食性があります。環境省の資料では、幅広い動植物を食べることや、農作物への被害、在来の生き物への影響が懸念されるとされています。もともとペットとして持ち込まれた個体が野生化し、各地で分布を広げてきた経緯があります。飼育が規制されているため、新たにペットとして迎えることは原則としてできません。

参考:「特定外来生物等一覧」|環境省

参考:「アライグマ防除の手引き」|環境省 自然環境局

毛皮としてのラクーンファーの扱い

ここまでを踏まえて、毛皮としてのラクーンファーがどう扱われるのかを整理します。まず「ラクーンファー」として流通するものには、アライグマの毛皮と、タヌキ(ラクーンドッグ)の毛皮の両方が含まれる点に注意が必要です。同じ呼び名でも、素材となる動物が異なる場合があります。

アライグマの毛皮は、保温性や耐久性がある一方、繁殖力が強く希少性が低いことから、毛皮素材のなかでは高値になりにくい傾向があるとされています。フードのふち取りや小物などに使われることがある素材です。綿毛の部分が染めやすいことから、加工によって風合いを変えて使われる場合もあります。

一方、フィンラクーンに代表されるタヌキの毛皮は、毛足が長くボリュームがある点が評価される場合があります。北欧で養殖されたものは、毛量や大きさの面で好まれることがあるとされています。同じ「ラクーン」の名前でも、素材が何かによって扱いが変わるため、タグの表示や毛の状態を確認しておくと、査定を受けるときの手がかりになります。

ラクーンファーを手放すときの目安

ラクーンファーを手放すか迷ったときは、いくつかの点を確認しておくと、査定を受けやすくなります。

毛皮の買取価格には決まった定価がなく、種類・状態・ブランド・時期によって変わります。複数の買取業者が公開している情報を総合すると、アライグマの毛皮は希少性が低く、高値にはなりにくい傾向があるとされています。これは2026年7月時点の各社公開情報にもとづく目安で、公的に定められた価格ではありません。フィンラクーンなどタヌキの毛皮や、状態のよいもの、ブランドのネームが残っているものは、製品として評価される場合があります。

手放す前には、タグに書かれた素材名や原産国、内側のブランドネームを確認しておきます。毛並みのほこりをやわらかいブラシで払い、湿気を飛ばしておくと、状態を見てもらいやすくなります。強くこすると毛を傷めるため、扱いはやさしくするのがおすすめです。毛皮やブランド品の買取に対応した業者に相談し、複数の見積もりを見比べると、納得して手放しやすくなります。

よくある質問

ラクーンとは何の動物ですか。

ラクーンは英語のraccoonのことで、動物としてはアライグマを指します。北アメリカを原産とするアライグマ科の哺乳類で、目のまわりの黒い模様としま模様の尾が特徴です。

ラクーンとタヌキは同じ動物ですか。

別の動物です。ラクーンはアライグマ科のアライグマ、タヌキはイヌ科で英語ではラクーンドッグと呼ばれます。名前は似ていますが、分類上は異なるグループに属します。尾のしま模様の有無や前足の指の数などで見分けられます。

フィンラクーンはアライグマの毛皮ですか。

フィンラクーンは、フィンランドなど北欧で養殖されたタヌキの毛皮を指す呼び名です。名前にラクーンと付きますが、アライグマではなくタヌキの毛皮です。チャイニーズラクーンやロシアンラクーンも、原産国名を付けたタヌキの毛皮を指します。

アライグマはペットとして飼えますか。

アライグマは特定外来生物に指定されており、飼育や保管、運搬などが法律で規制されています。新たにペットとして飼うことは原則としてできないため、扱いには注意が必要です。

ラクーンファーは買取してもらえますか。

素材や状態によります。アライグマの毛皮は希少性が低く高値になりにくい傾向がある一方、フィンラクーンなどタヌキの毛皮や、状態のよいものは評価される場合があります。まずはタグと状態を確認し、査定に出してみるとよいでしょう。

まとめ

ラクーンは英語のraccoonで、動物としてはアライグマを指します。名前の似たタヌキ(ラクーンドッグ)やフィンラクーンは別の動物で、フィンラクーンは北欧で養殖されたタヌキの毛皮を指します。日本のアライグマは特定外来生物に指定されており、飼育や運搬などが規制されています。毛皮としてのラクーンファーには、アライグマとタヌキの両方が含まれ、素材や状態によって扱いが変わります。手元のラクーンファーを手放すか迷うときは、タグの素材名と状態を確認したうえで、毛皮の買取に対応した業者に相談してみてはいかがでしょうか。