喫煙具の買取|種類別の見方と出す前の準備
遺品整理や引っ越しの片づけで、古いライターやパイプ、キセルがまとめて出てくることがあります。捨ててよいのか売れるのか、判断がつかないまま箱に戻してしまう方も多いようです。そこでこの記事では、喫煙具の買取について種類ごとの見方と、燃料や素材にまつわる決まりを公的資料に沿って整理します。
喫煙具にはどのような種類があるのか
喫煙具という言葉は、たばこにまつわる道具全般を指します。素材も構造もさまざまで、確認する点は種類ごとに変わります。
代表的なものを整理すると、次のようになります。
| 種類 | 主な素材 | 確認しておきたい点 |
|---|---|---|
| ガスライター | 金属、樹脂 | 着火するか、ガスが残っていないか |
| オイルライター | 金属 | 内部の綿、ウィックの状態、外装のへこみ |
| パイプ | ブライヤーなどの木、樹脂 | 火皿の焦げ、吸口の欠け、ひび |
| キセル | 金属、竹 | 羅宇の割れ、吸口の素材 |
| 灰皿・スタンド | ガラス、陶磁器、金属 | 欠け、ひび、スタンドのぐらつき |
| シガレットケース | 銀、金属、革 | 刻印の有無、ヒンジの状態 |
| シガーカッター・ヒュミドール | 金属、木 | 刃こぼれ、湿度調整部品の有無 |
ここで押さえておきたいのは、ライターだけが特別な扱いを受ける点です。燃料を伴う道具のため、販売や輸送に関わる決まりがいくつも関係します。
そのほかの喫煙具は、素材によって扱いが変わります。銀製品や象牙を使ったものには、別の確認が必要です。
ライターの安全規格と表示から分かること
ライターには国の安全規格があります。一般社団法人日本喫煙具協会は、その規格にもとづく検査を実施していると説明しています。
同協会のページによると、対象となるのは日本産業規格の「JIS S 4801」と「JIS S 4803」です。会員が製造・販売する注入式ガスライターとディスポーザブルライターについて、型式確認検査を行っていると記載されています。
検査に適合したモデルには「型式確認適合品」の表示が付きます。製品に貼られたラベルや取扱説明書で確認できる、と説明されています。
同じページには、販売規制についての記載もあります。2011年9月11日に消費生活用製品安全法にもとづくライターの販売規制が完全実施され、規制対象のライターはPSCマークが付いたものでなければ販売できなくなりました。
消費者庁のリーフレットにも、この規制の説明があります。PSCマークの技術基準では、構造や強度・爆発性・可燃性といった安全性に加え、子どもが簡単に操作できない幼児対策が規定されていると書かれています。
参考:子供の安全を守るためライター等の販売が規制されます!|消費者庁
古いライターには、こうした表示がないものもあります。表示の有無は年代を推し量る手がかりになりますが、それだけで価値が決まるわけではありません。
燃料が残っていると買取も配送もできない
ライターを手放すときに最初に確認したいのが燃料です。ガスやオイルが入ったままでは、扱えない場面が出てきます。
日本喫煙具協会は、ライター用ガスボンベとオイルが郵便法第12条で郵便禁制品に指定されているため郵便物として送れないと説明しています。
郵便法第12条では、爆発性や発火性その他の危険性のある物で総務大臣が指定するものを、郵便物として差し出せないと定めています。
日本郵便のよくある質問でも、ゆうパックで取り扱えないものの筆頭に、爆発性・発火性その他の危険性のある物が挙げられています。
参考:ゆうパックで送ることができないものは何ですか?|日本郵便
つまり、宅配買取で燃料入りのライターを送るという選択肢は基本的に取れません。ライターを含む喫煙具をまとめて手放したい場合は、店頭持ち込みか出張査定を選ぶのが現実的です。
なお、不要になったライターを捨てる場合は、ガス抜きが必要です。日本喫煙具協会は、風通しがよく火の気のない屋外で操作レバーを固定し、音がしなくなるまで置く方法を紹介しています。
参考:ライター・ボンベの正しい捨て方|一般社団法人日本喫煙具協会
ガス抜きを済ませたライターは、各自治体が定めた方法で処分してください。処分の区分は自治体ごとに異なります。
飛行機で持ち運ぶときの制限
遠方の店舗へ持ち込む場合、航空機を使うことがあります。ここにも制限が設けられています。
国土交通省が公開している「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」の別表第18には、搭乗者が携行する物件の一覧が掲載されています。
その表では、小型の喫煙用ライターまたは小型の安全マッチについて、預入手荷物が不可と示されています。一人当たりの個数は1個までです。
備考の欄には、充填用のオイルおよびガスを持ち込んではならないこと、身に付けて持ち込むことが条件として記載されています。
参考:航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示 別表第18|国土交通省
同じ表では、いくつかのライターが対象から除かれています。プリミキシングライターや、不測の作動を防止する機能を持たないリチウム電池式のライターが該当します。
コレクションをまとめて運ぶ用途には向きません。数が多いときは、出張査定を検討してください。
象牙やべっ甲を使った喫煙具の注意点
古いキセルやパイプ、シガレットホルダーには、象牙が使われていることがあります。象牙は取引に手続きが必要です。
環境省の説明によると、種の保存法で国際希少野生動植物に指定されているゾウは、象牙を含む個体等の国内取引が原則禁止されています。法規制に基づく管理下となった場合に限り、取引が可能になるという記載もあります。
全形を保持した象牙については、さらに厳しい扱いです。譲渡し等が原則禁止されており、登録票を伴う場合などに限られると説明されています。
手元の品が象牙かどうか、見た目だけで判断するのは困難です。樹脂製の模造品も多く流通しています。素材が疑わしいときは、自己判断で売買せず、事前に業者へ伝えてください。
べっ甲についても、ウミガメの一種を原材料とするため国際的な取引規制の対象です。素材の可能性がある品は、あわせて相談しておくと安心できます。
銀製の喫煙具で見ておきたい刻印
シガレットケースやライターの外装には、銀が使われることがあります。銀製品では刻印が手がかりです。
造幣局は、公的な第三者として貴金属製品の品位試験を行い、合格したものに証明記号を打刻しています。この証明記号は通称ホールマークと呼ばれます。
同局のページには、重要な注意も書かれています。この制度は任意であるため、市販されている貴金属製品にはマークのない製品もあります。
さらに、K18やPt900といった記号は造幣局の証明記号ではない、と明記されています。刻印があるかどうかだけで純度を確定できるわけではありません。
銀製品の扱いにも注意が必要です。日本喫煙具協会は、銀製や銀メッキのライターを長期間使わずに放置すると表面が黒ずむと説明しています。
黒ずみを落とそうとして強く磨くと、メッキが薄くなることがあります。査定前の研磨は避けたほうが無難です。
買取に出す前の準備と当日の流れ
準備しておくと、査定当日のやり取りが短く済みます。項目ごとに整理しておきましょう。
| 準備すること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 燃料の確認 | ガスやオイルが残っていないかを確かめる |
| 付属品を集める | 箱、保証書、取扱説明書、替えフリント |
| 汚れの扱い | 乾いた布で軽く払う程度にとどめる |
| 状態のメモ | 着火するか、欠けやへこみがあるか |
| 数量の把握 | 点数が多い場合はまとめて数える |
| 本人確認書類 | 氏名と住所が確認できる公的書類 |
古物営業法にもとづき、買取の際には本人確認が行われます。運転免許証やマイナンバーカードなどを用意してください。
分解や修理は自分で行わないほうが賢明です。日本喫煙具協会は、着火しない場合でも故障とは限らないとして、ガス切れや炎調整の位置を確認するよう案内しています。
参考:「故障した!」と判断する前に…|一般社団法人日本喫煙具協会
点数が多い場合は、種類ごとに袋を分けておくと確認が進みます。灰皿やスタンドのように割れやすいものは、緩衝材で包んでください。
なお、評価はブランド・素材・年代・状態・付属品の有無によって変わります。この記事では金額の目安を扱いませんので、実際の評価は査定でご確認ください。
よくある質問
火が着かないライターでも買取してもらえますか。
着火しないというだけで対象外になるとは限りません。日本喫煙具協会は、ガス切れや炎調整ネジの位置が原因の場合があると案内しています。オイルライターでは、綿が乾いていたりウィックの先が焦げていたりすることもあります。自分で分解せず、状態をそのまま伝えて相談してください。
ライターを宅配で送っても大丈夫ですか。
ライター用のガスボンベとオイルは、郵便法第12条にもとづく郵便禁制品にあたると日本喫煙具協会が説明しています。日本郵便のゆうパックでも、爆発性・発火性その他の危険性のある物は取り扱いの対象外です。宅配便の可否は事業者ごとに異なるため、送る前に必ず確認してください。
PSCマークがない古いライターは価値がありませんか。
PSCマークは販売のための表示であり、価値そのものを示すものではありません。消費者庁のリーフレットでは、技術基準に適合した製品に付される表示だと説明されています。古い年代の品は表示がないことも多く、評価は素材や状態、付属品などから総合的に判断されます。
キセルの吸口が象牙かどうか分かりません。
見た目だけで判断するのは難しく、樹脂製の模造品も多く出回ります。環境省は、象牙を含む個体等の国内取引が原則禁止されており、法規制に基づく管理下となった場合に限り取引できると説明しています。素材に心当たりがある場合は、売買を進める前に業者へ伝えてください。
灰皿だけでも見てもらえますか。
取り扱いの範囲は業者によって違います。ガラスや陶磁器の灰皿は、作り手やシリーズによって扱いが変わることがあります。欠けやひびの有無を確認し、写真を添えて事前に問い合わせると、持ち込みの手間を減らせます。
まとめ
喫煙具の買取では、ライターの燃料と素材の確認が出発点になります。ガスやオイルが残っていると郵送できないため、店頭持ち込みや出張査定を選ぶ流れが現実的です。象牙やべっ甲、銀を含む品は、法令や刻印の確認が別に必要になります。当社では品目ごとの決まりを踏まえ、状態を確認したうえで一点ずつ評価いたします。点数が多いときは、種類ごとに分けて確認してまいります。