青山義雄の絵画|経歴と作品の特徴・確認の手順
自宅や実家に飾ったままの絵があり、作者が青山義雄と書かれていて扱いに迷っている方は少なくありません。名前を目にしたことはあっても、経歴や作品の傾向までは調べにくいものです。そこでこの記事では、青山義雄の絵画について公立美術館が公開している資料で確認できる範囲の事実と、手元の一点を見るときの手順を整理します。
青山義雄はどのような画家だったのか
青山義雄は1894年から1996年まで生きた画家です。茅ヶ崎市美術館が2024年に開いた「生誕130年 青山義雄とその時代」の展覧会案内には、その生涯の要点がまとめられています。
同館の案内によると、青山は1894年に現在の神奈川県横須賀市で生まれました。父の転勤にともない三重県と北海道で少年期を過ごし、1910年に絵画を学ぶため上京しています。
そして1921年にフランスへ渡りました。一時帰国をはさみながら生涯のほぼ半分をフランスで過ごし、1986年からは茅ヶ崎市東海岸のアトリエを兼ねた住宅で最晩年まで制作を続けたと記されています。
同じ案内には、アンリ・マティスから「この男は色彩を持っている」と評されたことも書かれています。青山は生涯マティスを師と仰ぎ、画壇と一定の距離を保ちながら自分の画業に向き合い続けた画家だという紹介もあります。
団体との関わりについては、梅原龍三郎が創立に携わった春陽会へ長きにわたり出品したと記載があります。梅原とのつながりが強かったこともうかがえる、という書き方です。
なお、受賞歴や会員歴の細部については、美術館や公募団体の公式ページで確認できる範囲を超えると裏づけが取れません。本記事では、公開資料に記載のない経歴を断定しない方針で書いています。樋口洋の雪の東京駅についても、同じ立て方で整理しています。
青山義雄の絵画に多い題材と色づかい
青山義雄の絵画を見分けるうえで、まず手がかりになるのが題材です。茅ヶ崎市美術館の案内では、フランスの海岸風景・美しい夕景・バラや百合などの花々を題材にした作品が紹介されています。
作品の多くは鮮やかな色彩で描かれている、とも書かれています。色数を抑えた渋い画面よりも、明るい色が前に出る画面のほうが青山の作風に近いという理解になります。
ただし、題材と色づかいだけで真贋を判断することはできません。似た画風の作品は多く、模写や複製も流通します。あくまで方向性をつかむための材料として扱ってください。
収蔵品データベースで確認できる作品の記録
茅ヶ崎市美術館は、収蔵品データベースをインターネット上で公開しています。ここで作家名を検索すると、青山義雄の作品が個別の記録として表示されます。
公開されている記録から、制作年と作品名を抜き出すと次のようになります。
| 作品名 | 作品制作年 |
|---|---|
| 百合 | 1934(昭和9)年 |
| ド・フレンヌの肖像 | 1943(昭和18)年 |
| ニース | 1962(昭和37)年 |
| シミエの落日 | 1974(昭和49)年 |
| カンヌ落日 | 1989(平成元)年 |
| 教会 | 1991(平成3)年 |
| 花 | 1994(平成6)年 |
この一覧からは、1930年代から1990年代まで幅広い年代の作品が残っていることが読み取れます。作品名にはニースやカンヌといった南フランスの地名が並び、花や落日も繰り返し登場します。
技法についても記録があります。たとえば「百合」の詳細ページでは、技法・材質の欄に「油彩、キャンバス」と記載されています。
なお、同館は「収蔵作品の一部を公開しています」と注記しており、掲載されているものが所蔵品のすべてではありません。データベースに載っていない作品が存在しない、という意味にはならない点に注意してください。
手元の青山義雄作品でまず確認したい項目
査定を依頼する前に、自分で確認できることがあります。作品そのものと、付属する資料の両方を見ていきます。
確認の順序を整理すると、次のようになります。
| 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 画面のサイン | 位置と書き方、絵の具の乗り方 |
| 画面の裏側 | 作品名や制作年の書き込み、画廊のラベル |
| 額の裏板 | 展覧会シール、購入時の伝票 |
| 付属品 | 鑑定書や証明書、購入時の書類、箱 |
| 画面の状態 | 表面の汚れ、ひび、カビ、シミ、剥落 |
サインは絵の具で描かれている場合と、後から書き足されている場合があります。判断は専門家に委ねる部分ですが、写真を撮っておくと相談がスムーズに進みます。
裏側のラベルは情報量が多い箇所です。取り扱った画廊名や出品歴が残っていることがあり、来歴をたどる材料になります。
大きさも測っておきましょう。額を含めた寸法と、絵の部分だけの寸法を分けて記録すると、問い合わせのときに伝わりやすくなります。油彩では号数という単位が使われますが、分からなければセンチメートルのままで差し支えありません。
付属品は一緒に保管してください。購入時の領収書や画廊の封筒が残っているだけでも、来歴を確認する手がかりになります。処分してしまうと後から取り戻せません。手がかりが何も残っていない場合は、作者が分からない絵画の調べ方から進めることになります。
油彩・水彩・版画で見る点が変わる
一口に絵画といっても、技法によって確認する点は変わります。青山義雄の作品でも、茅ヶ崎市美術館の展覧会案内には「油彩・キャンバス」と「水彩・紙」の両方が掲載されていました。
油彩は絵の具に厚みが出ます。斜めから光を当てると筆の跡が立体的に見え、印刷物との違いが分かりやすくなります。
水彩や素描は紙が支持体です。紙は湿気と光に弱く、シミや波打ちが出やすい素材だと考えてください。
リトグラフなどの版画は、多くの場合エディション番号と鉛筆のサインが余白に入ります。分数のような数字が見つかったら、版画である可能性が高いと考えてください。
複製画やジクレーと呼ばれる印刷物も流通しています。版画と原画の違いを踏まえたうえで、ルーペで画面を見て、規則正しい点の並びが見えるようであれば印刷です。
保管の状態が評価に影響する理由
絵画の評価は、作品そのものだけで決まるわけではありません。現在の状態も見られます。
紫外線は絵の具や紙を退色させます。直射日光が当たる壁や、照明が近すぎる場所は避けたほうが無難です。
湿気はカビの発生を招きます。押し入れの奥や北側の壁面に長く置くと、額の裏側からカビが出ることがあります。
温度差が大きい場所も向きません。キャンバスは伸び縮みするため、画面に細かなひびが入る要因になります。
自分で修復を試みるのは避けてください。表面を拭いたり、剥がれた絵の具を接着したりすると、状態が悪化することがあります。気になる点があれば、そのままの状態で相談するほうが安全です。
保管場所を変えるだけでも状態の悪化は抑えられます。壁から少し離して立てかけ、床に直接置かないようにしてください。新聞紙で包むとインクが移ることがあるため、当て布や無地の紙を使うほうが向いています。
買取に出すときの流れと必要なもの
買取を依頼する場合は、店頭・出張・宅配のいずれかで査定を受ける流れが一般的です。額装された絵画は大きく重いため、出張査定を選ぶ方も多くいます。
査定の前に、作品の全体・サイン部分・裏側・付属品を撮影しておくと問い合わせが早く進みます。作品名や号数が分かる場合は、あわせて伝えてください。
古物営業法にもとづき、買取の際には本人確認が求められます。運転免許証やマイナンバーカードなど、氏名と住所が確認できる書類を用意しておきましょう。
相続で受け継いだ作品の場合は、名義や経緯を整理しておくと手続きが滞りません。複数の相続人がいるときは、事前の合意も必要になります。
なお、価格は作家や作品だけでなく大きさ・技法・状態・来歴の裏づけによって変わります。この記事では金額の目安を扱いませんので、実際の評価は査定で確認してください。
よくある質問
青山義雄はいつの時代の画家ですか。
茅ヶ崎市美術館の展覧会案内では、生没年が1894年から1996年と紹介されています。1894年に現在の神奈川県横須賀市で生まれ、1921年にフランスへ渡り、生涯のほぼ半分をフランスで過ごしたとされます。1986年からは茅ヶ崎市東海岸のアトリエ兼住宅で制作を続けたとされています。
青山義雄の絵画にはどのような題材が多いのですか。
同館の案内によると、フランスの海岸風景・夕景・バラや百合などの花々が題材として挙げられています。作品の多くは鮮やかな色彩で描かれている、という説明もあります。茅ヶ崎市美術館の収蔵品データベースにも、ニースやカンヌといった地名の作品や、花を描いた作品が登録されています。
サインがない絵は買取してもらえませんか。
サインがないというだけで対象外になるとは限りません。裏面の書き込み、画廊のラベル、購入時の書類などが手がかりになることがあります。判断は実物を見る必要があるため、まずは現状のまま相談するのがよい方法です。
額縁は外して持ち込んだほうがよいですか。
基本的には、額装されたままの状態で持ち込むほうが安全です。作品を額から外す作業には破損のおそれがあり、裏側のラベルを失う原因にもなります。運搬が難しい場合は、出張査定に対応している業者へ相談してください。
版画や複製画でも査定の対象になりますか。
版画も取り扱いの対象になることがあります。版画の価格を左右する要素を踏まえ、余白にエディション番号と鉛筆のサインがあるかどうかを確認してください。印刷による複製画は扱いが異なるため、ルーペで点の並びが見えるかどうかも見ておくと、相談の際に話が早く進みます。
まとめ
青山義雄の絵画は、公立美術館の展覧会案内と収蔵品データベースで生没年や題材・技法の記録を確認できます。手元の一点については、サイン・裏面のラベル・付属書類・保管状態の順に見ていくのが現実的です。判断に迷う場合は、無理に手を加えず現状のまま査定を受けてください。当社では作品の状態と来歴を確認したうえで、一点ずつ丁寧に評価いたします。